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VRMMOで妖精さん 作者:しぇる
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250/678

250:回収に行こう。

「こら、離しなさいってば」

「も、もう一度……」

 しまった、この人蹴っても喜ぶだけだった。
 放っとくのが一番かな?


「ぴやー」

 あ、なんかドロップキックみたいな体勢で飛んできた。

「んげふっ」

「うおぉうっ!?」

 ちょっとちょっとぴーちゃん。
 カトリーヌさんを捕獲するのは良いけど、私の足を掴んだままだったから一緒に持ってかれる所だったじゃないの。

 まぁ良いか。
 ちょっと体勢崩しただけだし、ちゃんとカトリーヌさんは剥がれたし。


「もー、カトリーヌさん? 離してって言ったらちゃんと離してよねー」

「ごほっ…… す、すみません。気を付けますわ……」

 両足の鉤爪に胴体を掴まれて、だらーんと垂れ下がったまま返事をするカトリーヌさん。

「ぴぃ?」

「ん、離して大丈夫かって? あ、うん。ポイしちゃって良いよ」

 私の確認に頷いたので、捨てて良いよーと言っておく。
 あ、本当に投げ捨てた。


「うぅ、扱いが雑ですわ……」

「自分でそう仕向けてるんでしょうに」

 私の前に戻ってきて早々にボヤき出すので、普通に突っ込んでおいた。

「まぁそうなのですが。きちんと応じて頂けるので、嬉しい限りですわ」

「一応言っておくけど」

「大丈夫ですわ。本心からの怒りを買わない程度に、自重は致しますので」

「本当かなぁ……」

 忠告しようとしたら、先取りしてかぶせられた。
 いや、本当の所は怒りを買わない程度っていうかゼロにしてほしい所なんだけど。
 まぁ無理だよね。


「まぁ良いや。お姉ちゃん達が帰ってくるし、とりあえず家に戻るかな」

「そうですわね。結晶もそれなりに確保出来ましたし」

「うん。それじゃ行こうか」

 さてさて、ラキは何やってるかなー?



 ……なんかライサさんの受付にちょっと人が集まってる。
 いつもはほぼ無人に等しいくらい空いてるのに。

 別に【妖精】用の受付って訳でもないのに、なぜか皆他の受付に行っちゃってるんだよね。
 まぁ、そのおかげで用が有る時にすぐ対応してもらえて助かるんだけど。


 で、あれは何なんだ。
 カウンターの内側、ライサさんの後ろにも何人か他の職員さんが来てるし。

 ……あー、うん、解った。
 高度を上げて上から覗きこんでみたら、カウンターの上で謎のダンスを披露してるラキの姿が見えた。
 ちっちゃくて良く見えないから、見える様に皆近づいてるんだな。

 あ、気付かれた。
 スターンとダンスを切り上げて、こっちを見て手を振り始めるラキ。
 あー、皆こっち見てる。
 邪魔してごめんなさいって感じになるけど、まぁ仕方ないよね。

 ってなんか、皆がカウンターに銅貨を一枚ずつ置いて解散し始めたぞ。
 なんだあれ。
 おひねりみたいなものかね?

 とりあえず皆が手を振ってくるから、笑顔でお返事しておく。
 うん、ラキが頑張って愛想振りまいたんだから、私が台無しにしないようにせねば。


 カウンターに降り立つと、誇らしげな顔をしたラキが積み上げられた銅貨をずりずり押してきた。
 よしよし、頑張ったねー。
 でもとりあえず、ライサさんが紛れ込ませた銀貨は返却しましょうねー。

「な、何故……!?」

「いや、流石に受け取れないですよ……」

「私にとって、支払うだけの価値は有ったのですが。そう言われるのであれば仕方ありません」

 銀貨をしまって、代わりに銅貨を置くライサさん。
 うん、それくらいなら気にしなくて済むから。
 あんまり沢山出されると、逆に困っちゃうよ。


「ありがとうございます。っと、ごめんカトリーヌさん、ちょっとしまうの手伝ってくれるかな」

「お安い御用ですわ」

 手伝ってもらいながら、一枚ずつ銅貨をボックスに放り込んでいく。
 皆解ってくれてるのか、適当に山にせずにちゃんと積み上げてくれているから持ちやすくて助かるね。


「あ、ありがと」

 ラキが最後の一枚をヒョイっと持ち上げて、こっちに渡してくれた。
 相変わらず、見かけによらない腕力してるなぁ。

 受け取った銅貨をしまって、ラキを持ちあげてなでなでする。
 よーしよしよし。


 ってなんでそんなしょんぼりしてんの、ぴーちゃん。
 ……あー、自分は寝てただけだけど、ラキはお金を稼いだって事を気にしてるのかな?

 変に真面目だなぁ、ぴーちゃんは。
 私は別に、そういうの気にしないのにね。


 ほれほれ、元気出しなさい。
 ぴーちゃんはさっき、私を助けてくれた良い子でしょ?
 お金を稼ぐだけがお仕事じゃないんだから、自分の方がダメとか思わなくて良いんだよ。

 ん、ラキ? どうしたの?
 なんかアピールしてるラキを拾い上げて、指示通りにぴーちゃんの前に持っていく。
 あ、肩に飛び移った。


 ぴーちゃんの肩に乗ったラキが、少し下って鎖骨のあたりを軽くぺちぺち叩いてから、頬ずりし始めた。
 あ、ぺろぺろしてる。仲良くしようよって事かな?

 お、ぴーちゃんが羽で下から掬い上げた。
 顔の近くにラキを持ってきて、お腹やお尻をくんくん嗅いでる。
 あれも仲良しの仕草って事で良いのかな。
 私も嗅がれてたし。

 うんうん、二匹(ふたり)とも仲良くね。

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