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VRMMOで妖精さん 作者:しぇる
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237/729

237:労ってあげよう。

「う゛ーぁー…… いきかえるぅー」

「なんて声出してるんですか、まったく」

 ぐったり転がってるサフィさんに【妖精吐息】をかけると、唸るような声を出しながらごろんと仰向けになった。
 温泉に浸かる疲れたおじさんじゃないんだからさ。


「うふふ。良かったわねぇ」

「さわんなにょろにょろー」

 ジェイさんが粘液を抑えた触手で頭を撫でようとして、ぺちっとはたかれた。
 うん、まぁ仕方ない。


「サフィさん、口開けてもらっていいですか?」

「ん、あー」

「っと。ぴーちゃん、そろそろ離れようね」

 サフィさんに砂糖を上げに行こうと思ったけど、その前に脚にまとわりついてるぴーちゃんに離れてもらおう。
 服の中から返事をして、ずるずるとゆっくり下にずれていくぴーちゃん。

 いや、普通に離れれば……ってこら。
 人のお尻に顔を埋めるんじゃないよ。
 ぴーちゃんの後頭部を軽くぺちっと叩いて、両手でぐっと押し下げる。


 抱き着いていた脚から離れて私の横に来て、しょんぼりした顔でぺこりと頭を下げるぴーちゃん。
 よしよし、素直にごめんなさい出来るのは良い子だぞ。

 服に頭を突っ込んだせいで少し乱れた髪を撫で、そこにこっそりと私の服に入り込もうとしていたラキを摘まみ上げて乗せる。
 君は君で、全身を服の下まで舐め回すつもりか。
 いや、なんかほっといたら本当にそうなりそうだけどさ。


 私から離れたぴーちゃんが、自分の肩の辺りや羽の内側をすんすんと嗅いで嬉しそうな顔になる。
 ん? もしかして体を擦りつけてきてたのって、私に匂いを付けるんじゃなくて私の匂いを自分に染み込ませようとしてたのか?
 まぁ良いか。別に何か困るわけでなし。

 幸せそうなぴーちゃんとその頭に脚を広げてぴたっと貼り付いたラキを残して、ぐでっと転がったまま口を開けてくれているサフィさんの元へ飛ぶ。


「むせない様に、落としてる間は息を止めててくださいねー」

「ん」

 気管に入って口の前に居る状態でげほげほ言われたら、吹っ飛ばされて死にかねないし。
 いや、流石に死なないか?
 でもまぁ、危ない事には変わりないもんね。

「で、じっとしててくださいね」

 ちょっと悪いとは思うけどサフィさんの鼻の横に着地して、歩いて口の横に移動する。
 開かれた口を跨ぐ様に膝をつき、羽を持って口の上へ。

「いきますよー」

 返事が出来ないのは解っているので、言ってすぐに粉をドサドサ落としていく。
 いい加減一杯出して落とすのも慣れてきたな。


「ってサフィさん、危ないですってば」

「んぇ?」

 口の中から翅に向かって舌が伸びてきたので文句を言うと、きょとんとした声が返ってきた。
 むぅ、無意識だったか。
 でも多分翅を舐められたら貼りついて、そのまま千切れるか体ごと引っ張られちゃうからなぁ。
 ちゃんと気を付けてもらわないと困る。


「いや、舌が出てきてたので。引っ込めててもらえると助かります」

「んぅ」

 小さく返事をして、すぐに舌を引っ込めるサフィさん。
 なんかまた出てきそうな気がするし、手早く済ませるとしよう。
 こんな所で事故で死にたくないし、多分やらかしたらサフィさんがとんでもない目に遭いそうだし。
 帰ってからお仕置きどころか、帰れない体にされちゃいそうだよ。



 ざばーっと適当な量を流し込んで、立ち上がってからサフィさんの唇を踏み台にして飛び立つ。
 サフィさんが口をもむもむ動かしてるのが見えるな。

「んむっ…… 美味しい。ありがとう、凄く幸せ」

「喜んでもらえたら幸いです。あっと、顔を踏んじゃってごめんなさい」

 いや、謝るなら最初から踏まなきゃ良かったんだけどね。
 ただ、羽ばたき無しで口元に静止するのはちょっと面倒だったのだ。


「構わない。ひんやりしててぷにっと柔らかくて、気持ち良かった。もっとやってもらって良いくらい」

 ひんやりはともかく柔らかいって、同じ【妖精】のカトリーヌさんやもっと小さいラキならともかく、人間サイズで判るものなのかな?
 まぁサイズ的にはにゃんこの肉球一つよりは大きいんだし、判るって言うなら判るんだろう。

 どちらにせよ踏みつけ単体でやる事は無いけどさ。


「それに【妖精】は歩かないし、汚れてない。指でつつかれるのと、大して変わらない」

「そうかもしれませんけど、心情的にって事です。まぁ良いか。それじゃ、今度こそお暇しましょうか」

「うい。溶かされちゃう前に、この触手女の体から逃げる」

「うふふ。溶かしたりなんてしないわよー?」

「ひあっ、やめっ」

 ……うわぁ。
 寝ころんだまま不用意な事言うから、床から生えてきた触手に巻きつかれてるよ。


「酷い事言っちゃう口は、これかしらー?」

「もがーっ!?」

「うふふ。やっぱり甘くて美味しいわねぇ」

「ふぬーっ! むーっ!?」

 あー、口にもねじ込まれてるし。
 っておいおい、あれお腹にまで行ってない?
 何か喉や胃の辺りが少し膨らんで、ちょっと動いてるし。
 呼吸は大丈夫なのかな。


「うぅ…… せっかく貰った糖分がぁ……」

「ごちそうさまでしたー。まだ私の中に居るのに、油断しちゃダメよぉ?」

「もうやだー、おうちかえるー」

「いや、今帰ってもジョージさんに捕まるだけでしょうに。とりあえず出ましょうね」

「それじゃ、またおいで。ラキさん、また遊ぼうね」

 ディーさんの言葉に、ぴーちゃんの上から笑顔で両手をぶんぶん振るラキ。
 うん、すっかり仲良しだな。


「お帰りはこちらよ。またいらっしゃい」

「二度と来るか」

「あら、白雪ちゃんに言ったのよー? ……そうね、サフィちゃんが来てくれなくなるっていうのは寂しいわねぇ」

 あ、なんか嫌な予感が。


「のわーっ!? 離せー!」

「うふふふ。ずっと、一緒に、仲良くしましょう?」

 またしても壁から出てきた触手に捕まり、胸から上だけが壁から出ている状態で固定されるサフィさん。
 なんか動物の頭部のはく製みたいな飾られ方だな。

「もー、じゃれてないで帰りますよー?」

「私は帰りたいんだよぅ!」

「うふふ。白雪ちゃんの迷惑になっちゃうし、これくらいで許してあげるわ。それじゃ白雪ちゃん、またねぇ」

「はい、そのうちまた来ますねー」

 開放されてボトッと落ちたサフィさんをスルーして、二人で挨拶を交わす。
 うん、まぁ後でまた吹いてあげようかな……


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