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VRMMOで妖精さん 作者:しぇる
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216/728

216:首につけよう。

 あぁ、カトリーヌさんが吸い寄せられていく……
 これが飛んで火にいる夏の虫って奴か。
 いや【妖精】は虫じゃないし夏でも無いけどさ。

「白雪さん、少し手を貸して頂いてもよろしいですか?」

「えぇー……」

 まぁ確かに、誰かが外から何かするタイプの器具とか、自分じゃ付けられない物も多そうだけどさ。
 正直な所あんまり触りたい道具じゃないよね。


「ぴ、ぴぴっ」

「いや、ぴーちゃんじゃ持てないから無理でしょ」

「ぴぃ……」

 私が嫌がってるのを見てぴーちゃんが引き受けようとしてくれたけど、羽じゃ扱えそうにない物が殆どなんだよね。
 石の板を持つくらいなら、挟めば行けるだろうけどさ。

 私がツッコむとしょんぼりとした顔で自分の羽の先を見る。
 うん、仕方ない仕方ない。ぴーちゃんは何も悪くないよ。


「うー、少しだけだよ?」

 肩の上のラキを摘まみ上げて机に下ろし、カトリーヌさんに近づいて行く。

「ありがとうございます。では、早速これを」

「やだ」

 薄くて目の細かい布の袋に砂鉄か何かを詰め込んで、閉じた口に木製の柄を付けた鈍器を差し出してきたので、即座に断っておいた。
 これ、ブラックジャックとか言う奴だっけ?
 確かに手伝うとは言ったけど、直接攻撃させようとするんじゃないよ。


「むぅ、ではこれを」

「いや、別にあれが気に入らないんじゃないよ。殴らせようとしないでって言ってんの」

 今度は金属の板を厚手の布を重ねた物で挟んで、縫い合わせて取っ手を付けた様な物を差し出してきた。
 良く知らないけど多分ひっぱたく道具でしょ?


「それでは…… これをお願いできますか?」

「はいはい。いやこれ、別に自分でつけられるじゃない」

 次は金属製の首輪を差し出してきた。
 少しやりづらいかもしれないけど、普通に一人で装着できる物じゃないか。

「ご主人様に付けて頂く事に意義があるのですわ」

「いや、私ご主人様じゃないし」

 異議は認めない。
 「えっ?」みたいな顔してもダメ。


「まぁ付けるくらいなら良いけどさ。ほら、貸して」

 カトリーヌさんの手の上に乗ってる首輪を掴んで、カチャッと開く。

「ぴっ」

 いつの間にか近くに来ていたぴーちゃんが羽でカトリーヌさんを後ろに向かせ、肩を上から押さえる。
 あ、膝の裏にラキがタックルして脚を曲げさせた。
 タイミングを合わせてぴーちゃんがグッと押し下げて、膝をつかせる。

 ……うん、脚でラキが挟まれちゃったけどまぁ無事だろう。
 ぴーちゃんがカトリーヌさんの正面に回って、さぁどうぞって顔でこっち見てる。


「あー、うん、ありがとね」

 付けやすくなったのは確かなので、お礼を言いながらカトリーヌさんの首に首輪をはめる。
 多分何もしなくても同じ体勢になってたと思うけどね。

「はい、これも」

「あー、はい」

 フェルミさんが横から、接続用の金具が付いた鎖のリードをスッと差し出してきた。
 断っても仕方ないので、受け取ってカチッと繋げる。


「ふぅ、これで動きやすくなりましたわ」

「いや、そんな訳無いでしょ。あ、ぴーちゃんありがと」

「ぴゃっ」

 動かないままで意味の解らない事を言い出したカトリーヌさんに突っ込んだら、ぴーちゃんが羽でぺしっと頭をはたいてくれた。


「はい、もう付け終わったんだから立って。そろそろラキも息苦しいかもだし」

「ぅぐっ……」

 カトリーヌさんの首に繋がった鎖をグイッと上に引っ張り、無理矢理立たせる。
 あ、膝の裏に居たラキがボトって落ちた。
 大丈夫かな? あ、大丈夫だな。
 カトリーヌさんの踵の辺りをペチペチ叩いてるけど、それ逆恨みだからね?


「けほっ」

 立ったおかげで首を引っ張る力が緩んで、まともに呼吸できるようになったので息を整えるカトリーヌさん。

「あ」

 少しふらついた拍子にカトリーヌさんの足がラキの上にむぎゅっと。
 うーん、無事かな?


「あぁっ、申し訳ございません、ラキ様!」

 カトリーヌさんが足を上げると同時に、反対側の足に走って行ってべちべち叩くラキ。
 無傷だけどご立腹だな。
 ちゃんと加減して叩いてるから、本気で怒ってはないだろうけど。

「ラキもそうなる可能性があるんだから、ちゃんと足下からは離れとかなきゃね。ほらほら、もういいでしょ?」

 むーって顔のラキを摘まみ上げて、少し離れた所に下ろす。
 また踏まれてもいけないしね。


「では続いてこれらもお願いできますか?」

「あー、まぁ良いけどさ。こっちが腕?」

「はい。そちらに鎖もありますので」

「はいはい、繋げって事ね」

 小さな棚に並べられた薄く短い筒の様な物を四つ持ってきたので、確認してカチャカチャはめていく。
 ぴーちゃん、私がはめやすい様にやってくれてるのは判るんだけどさ。
 羽で挟んでぐるんぐるんカトリーヌさんの全身を回して、逆さにしたりするのはやめてあげようね。


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