挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
VRMMOで妖精さん 作者:しぇる
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

214/673

214:分けてあげよう。

 皆でエリちゃんを囲むようにふよふよ飛んで庭園を出て、市場へ向かう。

「あ、シルクちゃんはここから出たら力が出ないんだっけ? 私に乗っていいよー」

 誘われるままにエリちゃんの後頭部に貼りつき、クマ耳をもふっと掴むシルク。


「おおぉおぅ」

「こらこらシルク、せっかく乗っけてくれるんだからエリちゃんで遊ばないの」

 感触が気持ち良かったのか、クマ耳をもふもふ撫でまわしてる。
 頷いてエリちゃんの頭を気付けに軽くぽふっと叩いて、クマ耳を普通に掴んだ。

「なんか皆の召喚獣に良い様にされちゃってるよー」

 えるちゃんにもげしげし蹴られてたもんなぁ。
 そんなに力を入れずに爪も出してなかったから、気持ち良いだけだったろうけど。


「ま、面白いからいーけどねー」

「エリさんは嫌なら嫌と言う方ですわよね?」

「うん、まーねー。振り払ったりはしないけど、少なくとも意思表示は素直にするよー」

「ほんと、嫌だったらちゃんと言ってね? やめさせるからさ」

「だーいじょーぶだいじょーぶ。あだっ、ごめんごめん許してー?」

 軽く返事をしながら両手でシルクのお尻をぷにぷに突っついて、後頭部に膝を叩きこまれてる。
 そりゃ怒るでしょ。



「いらっしゃい。おやエリちゃん、あんた白雪ちゃんのお友達だったのかい?」

 エリちゃん、このおばちゃんと知り合いだったのか?
 まぁ多分普段のノリで話しかけて、すぐに仲良くなったってとこだろうな。

「やー、色々有って妖精さんちで働く事になったんだよー。お友達兼部下って感じー」

「へぇ。お、そっちの子たちは新顔さんだね」

「あ、ぴーちゃん挨拶挨拶。ほら、ラキも」

「ぴぴっ」

 ぴーちゃんがエリちゃんの肩に止まってお辞儀する。
 ラキは肩の上から摘まみあげて手の平に乗せ、前に差し出して見やすくしてから挨拶させた。


「はい、よろしくね。で、今日は何が欲しいんだい?」

「どうしよっかなー。カトリーヌさんは何が良い?」

 ラキを肩の上に戻しつつ聞いてみる。

「今日は白雪さんにお任せしますわ」

「んー、ぴーちゃんは?」

「ぴっ? ぴぅ」

「ん、ラズベリーが良いの? じゃ、それにしよっか。エリちゃん、これでおみやげと一緒に買っちゃって」

 ボックスから銀貨を取り出してエリちゃんに押し付ける。
 どうせならちゃんと買って、残ったのはエリちゃんに上げれば良いし。


「はいさー。おばちゃん、これとこのリンゴ二つちょーだい。リンゴは人に上げる奴だから入れ物も欲しいな」

「あいよ。これでいいかい?」

「ありがとー。はいユッキー、お釣りー」

「あ、持っといてー。めーちゃんにお使いも頼まれてるんでしょ? 経費って事で」

「んー、解った。ちゃんとメモっとかないとなー」

 そう言いながら銅貨をしまって、ラズベリーの入ったカゴを【妖精】用のスペースに置いてくれるエリちゃん。


「ありがと。シルク、ぴーちゃんとラキに食べさせてあげて…… ってラキ、これ食べられる?」

 解した一粒が顔くらいの大きさだと思うんだけど。
 あ、大丈夫っぽいな。
 シルクがプチッと一粒むしって渡したら、両手で持ってかぶりついてる。



「はいこれー。あと全部食べていいよー」

 シルクの敷いた小さな布に種を出しつつもぐもぐ食べて、皆がお腹いっぱいになった所で残りをエリちゃんに押し付ける。

「わーい、ありが…… ユッキー、その人知り合い?」

「ん? っておわぁっ!?」

 エリちゃんの声と視線で後ろを振り返ってみたら、私達の居る台に両手と顎を乗せて無言でラズベリーをじっと見つめる猫耳さんが居た。
 え、誰?


「え、えっと……?」

「そう、知り合い。だから私にも」

 あ、この声はサフィさんか。猫さんだったんだなぁ。

「あー、この後行く所への案内で付いて来てくれてる職員さんだね」

「護衛もする」

「えーっと、うん、この人にもそれ分けてあげて。多分おやつが欲しくてわざわざ出てきたんだと思うから」

「あ、うん。それじゃ、手出してー」

「ありがとございます」

 両手をお椀状にした所にエリちゃんが籠を傾けて半分くらい流し込む。


「これでがんばれる」

「おおう、消えた…… マイペースな人だなー」

「まぁちゃんと仕事してくれるならそれでオッケーかな」

「ま、そだね。ところでさっきから、なんか周りの人がそわそわしてるんだけど」

「あー、蜜待ちだろうなぁ……」


「その通り! さぁ今日も私が中継を!」

「いや、解ってて言ってると思うけどエリちゃん居ますんで大丈夫ですよ」

「そんな……っ!」

 唐突に現れて崩れ落ちる兎さん。
 っていうか今日もって言うけど昨日は色々有って居なかったよね。


「うぅ、せっかく衣装も作ったのに……」

「いや、出されても…… って何で巫女さんなんですか」

「ほら、お告げとか口寄せとかって巫女さんの領分じゃない?」

「でも妖精ってそんな和風な感じでも無いですよね」

「あっ、そうか……」

 まぁ洋風なら良いってもんでも無いけどさ。
 お告げとか口寄せって言われてもそういう存在じゃないし、私。


「作るの、結構高かったのになぁ…… 誰かに売れるかなぁ」

「いくらだったんです?」

「銀貨五枚ちょっと……」

「あぁ、良い布使っちゃったんですね……」

 なんでそう変なとこにお金使っちゃうかな……


+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ