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VRMMOで妖精さん 作者:しぇる
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200/678

200:罰を選ぼう。

「それじゃ、行ってきまーす」

「んー。頑張ってねー」

 痺れに悶えるのを面白がってツンツンするシルクからぴーちゃんを助け出し、手を振って庭から出て行く。
 平たくなってから少し経ってるし、もうカトリーヌさんは役場に着いちゃってるかな?
 少し急ぐとしよう。



 役場に着くと、入り口の横にカトリーヌさんが浮いているのが見えた。

「ごめん、待たせちゃったかな?」

「いえ、しばしシルク様のお尻の余韻に浸っておりましたので。先程着いたばかりですわ」

 うん、まぁ待たせてないなら良いけどさ。
 ただそこの兎のお姉さん、なんで凄い勢いで振り向いた。
 周りから変な物を見る目で見られてるぞ。
 あと入り口のど真ん中で立ち止まったから邪魔になってる。

 まぁ良いや。とりあえず横を通ってライサさんに挨拶しよう。


「いらっしゃいませ。今日も大変お可愛らしいですね。そちらの方は新しい召喚獣でしょうか?」

 うん、視線が通った瞬間からぴーちゃんをじっと見てたし、そうくると思ってた。
 まぁ言わなくても一応紹介はしてたと思うけど。

「そうですね。この子はぴーちゃんです。あ、『ぴーちゃん』っていう名前なのでぴーさんとかぴー様とか呼ばないであげてくださいね」

「はい。よろしくお願いします、ぴーちゃん様」

 あぁ、やっぱりそうなるのね。


「で、こっちがラキです。ほらラキちゃん、ご挨拶」

 肩に乗ったラキを摘まんで手に乗せ、ライサさんの顔の前に近づける。
 ライサさんは少しだけ目を細め、次の瞬間にパネルを開き、素早く操作して閉じた。

「これで良し。よろしくお願いします、ラキ様」

 あー、多分【視力強化】取っちゃったんだろうな……
 そんな即決で取っちゃって良いんだろうか。
 まぁ私が気にしても仕方ないんだけどさ。



「ところで白雪様、今日は新しい魔法を見せる為においでになったのでしょうか?」

「はい。早速ですが今から見てもらっても良いですか?」

 アリア様がさっき戻った時に言っておいてくれたのかな。
 話が早くて助かる。

「勿論です。済みません、少し離れますのでここをお願いします」

 近くの職員さんに頼んで席を立つライサさん。


「あ、そうだ。ジョージさん、今回の魔法は色々と危ないんで立ち会ってもらって良いですか?」

 姿は見えないけどどうせ居るんだろうと、宙に向かって呼びかける。
 あ、何も無い空間からもやっと出てきた。

「おう。まぁ一応さっきのパネルも見てっから、言われなくても見張るつもりだったけどな」

 ……あー、やっぱりさっきも居たのか。
 アリア様が居るならジョージさんもどこかに居るって思って問題無いんだろうな。



「おいキャシー、隠れても無駄だからさっさと出てこい。行くぞ」

「はいぃ……」

 ジョージさんが声をかけると、机の下からもぞもぞと職員さんが這い出てきた。
 あ、この人昨日お姉ちゃんを案内してくれた人だ。

「あれ? この人は何の為に?」

「あ? そりゃお前、効果を見なきゃ始まらんだろうが。ぎせ…… 被験者だよ」

 今本音が漏れてたよジョージさん。


「うぅ、やっぱ死にたくないですよぅ」

「それじゃ元の予定通りに、コレットの訓練に付き合うか?」

「……どうせ死ぬならこっちの方が多分マシです」

 一体この人は何をやってしまったんだ。
 というかコレットさんの訓練に付き合うと死ぬのか……
 何されるんだろう。いや、知りたくは無いけど。



 とりあえず裏庭に全員入り、ドアを閉めてからジョージさんが口を開く。

「それじゃ三択だ。目と耳と喉の機能を失うか、ドロドロに腐って土に還るか、石像になって明日の夜までホールに飾られるか。どれが良い?」

 待って待って。何その選択肢。
 っていうか最初の奴、三つ複合だし。

「ど、どれも嫌なんですけど…… うぅ、どうせ選ばないと全部順番にやられちゃうんですよね?」

「良く解ってるじゃねぇか。さっさと選べ」

「え、それ私がやるんですよね?」

「そりゃそうだろ。お前しか使えねぇんだから」

「よ、妖精様、お願いですからもっと穏便なのに変えて…… はい、黙ります……」

 言葉の途中でジョージさんにちらっと見られて折れた。
 てかこの三択を出されても「やっぱりコレットさんで」ってならないのが凄いな。


「う、うぅー…… さ、最初の奴ってもしかして……」

「あぁ、もちろんそのまま仕事してもらうぞ?」

「ひぃぃ、そんなの罰が更に上乗せになっちゃうだけじゃないですかぁ」

「他にも感覚は有るだろ。日頃からちゃんと鍛えてれば問題ねぇよ」

「普通は無理ですよぅ!」

 うん、そんな何でもない事みたいに言える人はそうそう居ないと思う。


「あー、そんじゃ他のを選びゃ良いじゃねぇかよ」

「と言われても、腐るのは論外ですし…… えっと、その最後の飾られるのですけど」

「何だ?」

「その状態で仕事しろとか言いませんよね?」

「まぁ流石にそっちは無理だろ。あー、声が出せりゃ案内板代わりには使えるな」

 鬼かこの人。今更か。


「藪蛇だったかな…… あと、勿論終わったら戻してもらえるんですよね?」

「あー、戻せるのか?」

「えっと、石化は判りませんけど弛緩する方の麻痺なら【妖精吐息】で治せました。ゆっくりですけどね」

「治せるか判らんとよ」

「そんなー!?」

 あぁ、まぁダメな方に要約するとそうなるね。


「まーそんときゃぶっ壊せば復活できるんじゃねぇの?」

「うぅ、治せる事を祈って石化するしかないかぁ……」

「あー、っていうかですね」

「ん?」

「私、明日から数日こっちに来れないんで、治療を試すのも数日後になっちゃうんですけど……」

 流石に日付が変わってからもう一日やるのは明日が辛い。
 起きてから来るってのも、十分に時間が有るかは判らないしね。


「あぁ、そうなのか? まぁ物置にでも転がしときゃいいだろ」

「えっ」

 どういう事!? って感じで俯いていた顔をガバッと上げた。
 まぁ当然だけど。

 てか扱いが雑すぎない? それも含めて罰なのかな。
 何のかは知らないけど。


「こいつ、明日からしばらく居ないってよ」

「あの、あのですね」

「あん?」

「石化してる間のお給料とかは……」

「んなもん、出る訳ねぇだろ」

「ひぃぃ…… せっかく甘い物が売り出されそうだから、少し溜めておこうと思ってたのにぃ……」

 うん、なんか可哀想だから解除した後に蜜を上げよう。
 粉も甘いけど、多分嫌がるだろうし。


「昨日の自分を恨みやがれ。で、それでも石化にするのか?」

「最終的に生き残る可能性があるのは、それだけじゃないですか……」

「まぁ感覚消してミスったら今度こそ処刑(コレット送り)だろうしな」

「それだけは御免ですからね……」

 職場の中でコレットさんは一体どう思われてるんだろう。
 大体察せるけどさ。



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