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VRMMOで妖精さん 作者:しぇる
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167:石を頼もう。

「あー、一応言っておきますけど、私はやりませんからね?」

 流石にいくら何でも、あんなのを長時間耐えろっていうのは普通の神経じゃハードルが高すぎるよ。
 っていうかなんであんな刺さり方してて、死なずに耐えられてるんだよ。

「まぁそうだろうな。ライカ、駄目だそうだぞ」

「う、まだ何も言ってないじゃないのさ……」

「そんな顔をして見ていれば、誰でも解るだろうに」

 うん、目は口程に物を言うっていうけどまさにそんな感じだったね。



「まぁ諦めろ。間違っても密猟などしようとするんじゃないぞ?」

「いや、流石にそれはやんないよ。そこまで自分勝手じゃないさ」

 ちょっとやりかねない顔してたけどね。
 ちゃんと良識のある人で良かったよ。

「っていうか私は嫌ですけど、カトリーヌさんに頼めば喜んで刺さってくれると思いますよ」

 わざわざ私を刺さなくても、自分から刺されたがる人が居るからな。
 しかし自分で言っておいて何だけど、刺さってくれるって凄い言葉だな。


「ほう? まぁ確かにあの様子では受け入れそうだな」

「あの人、ちょっと異常な所は有りますけど基本的には凄く良い人みたいなんで」

「あれはちょっとなのか?」

「……凄く異常な所は有りますけど」

 うん、まぁ流石にあれをちょっとって言うのは無理があるな。仕方ない。


「まぁそれはともかく良い人なんで、気持ち良い上に人の役に立てるとなれば進んでやってくれるんじゃないですかね」

「そんなものか? まぁそうでなくとも、魅力的に見えたからと言って人の体を勝手に使った訳だしな。せめてもう一度反対側をやらされるくらいは仕方無いか」

 まぁ確かにね。綺麗になったから喜んでるけど、普通ならドロドロに汚されただけだったんだし。
 せめて最低でも本人に刺さらせてくれないかってお願いしないとだよね。
 いや、普通は駄目って言うだろうけど。


「ライカ、良かったな。先程のカトリーヌが帰ってきたら頼んでみると良い」

「えっ、やらせて…… くれるか。確かに言う通り、無断で人の角を使って楽しんでたくらいだしね」

「触って良いと言ったではないか」

「いくらなんでも、あんなことするなんて思わないだろ……」

 からかう様に言うアリア様に、げんなりと返すライカさん。
 まぁそりゃそうだ。



「にしても角の為に【妖精】を殺してるなんて知れたら、普通の仕事が無くなりそうだねぇ」

「ふむ。まぁ確かに、市場で白雪を襲った輩は拷問にかけられていると聞くしな」

 ……いた(・・)じゃないんだ。

 っていうか知ってるのに私刑を見過ごして良いのか責任者。
 ……よく考えたらめーちゃんも衛兵さんに介錯されてるし、割と無法地帯じみてるのか?


「まーここでやる分には大丈夫なんじゃないのー?」

「そりゃ、ここでやれば現場は見られはしないけどさ。こんなに変わってたら絶対に何が有ったのかって詰め寄られちまうよ」

「ふむ。急に角を隠すのも不自然であるしな」

「だろ? 言いたかないがちょっとくらい角が変になってたとしても、あたしに隠すような繊細さがあるとは思われてないだろうしねぇ」

「あたりめーだ。実際そんな神経は持ちあわせちゃいねぇだろうが」

「空気は黙ってな」

 睨み合うジョージさんとライカさん。
 なんでいちいち吹っかけていくかね。


「お前達、人の家で何度も喧嘩しようとするんじゃない。あぁそうだ、カトリーヌ一人ではこの家に入ってこられないだろう。ジョージ、出迎えてやれ」

「へーい。まぁ近づきゃ呼ばれなくても解るんですがね」

「ここに居てもいがみ合うだけだろうが。表に出て待っていろ」

「へっ、ざまぁないねぇ」

「ライカ、お前もあまり煽るなら他に頼むぞ」

「わあぁ、待って待って姫様。解ったよ、大人しくするからさ」

 アリア様の言葉に慌てるライカさん。
 そりゃこんなことでせっかくの大口の仕事を逃す訳にはいかないよね。


「まぁともかくだ。ライカの角が突然美しくなったとなれば、事情を聞かれるのは避けられんだろうな」

「ただでさえ角持ちの連中はその手の話題に敏感だからねぇ」

「隠しても誤魔化してもその内バレる事になるだろうし、素直に答えるしか無かろうよ」

「そうだねぇ…… 誤魔化すってのも性に合わないし、何より苦手なんだよね。すぐにボロが出ちまいそうだよ」

「まぁ【妖精】を『使った』のではなく、【妖精】が『やってくれた』とでも言っておけ。これならば嘘でも無いしな」

「そうだね。迂闊に『使った』なんて言ったら、角をへし折られちまいそうだよ」

 まぁ実際、少なくとも片方はカトリーヌさんが勝手にやっただけだしな。
 っていうか多分襲われても跳ね返せるよね、ライカさん。
 いや、襲われることより仕事が無くなる方が問題なんだろうけどさ。



「あ、そうだ。アリア様、ちょっと良いですか?」

「む、どうした?」

「私達って死ぬと噴水の広場で復活しますけど、その場所って変えられないんですか?」

「あぁ、変える事は出来るぞ。どこでもという訳にはいかんがな」

「出来るんですね。場所には何か条件が?」

「まぁ、開拓が進んで他の町が出来た後で毎度この町に戻されてもな」

 あぁ、そりゃそうだ。
 毎回戻されてちゃ面倒すぎるし、手間がかかり過ぎるわな。


「条件だが、マーカーとなる石碑の建っている場所に限られる。まぁ建てる事はそう難しくないがな。ちなみに噴水広場の石碑は噴水の中央にあるぞ」

 ……それ水流でちょっとずつ削れそうなんだけど。
 まぁ問題が起きてないって事は大丈夫なんだろう、うん。

「それ、ここに建ててもらう事って出来ますか?」

「ふむ。確かに話を聞きつけた者が頼みに来た時、いちいち片方塗る度にあちらに飛ばされていては手間か」

 二人でやれば一度で済むけど、私は絶対にやだし。


「それと、めーちゃんやソニアちゃんに何か有った時も、ここに出た方が問題が少ないと思いますし」

「あぁ、確かにソニアはともかくエイスの…… ん、めーちゃんの巨体があそこに倒れていては問題になりかねんな」

 アリア様が名前を呼んだ瞬間に外から「めーちゃんだよー?」って訂正が入った。
 王女様にも遠慮なくそっちで呼ばせてるのか……


「ふむ、まぁ理由もあるし建てる事は問題ない。石碑の用意も有るから、すぐにという訳にはいかんがな」

「ありがとうございます。助かります」

「明日の夜にでも設置するように手配しておこう」

「早っ!?」

 今すぐじゃないってだけじゃないか……

「石柱を彫って術を込めるだけだからな。そう時間はかからんよ」

 そんなんでいいのか。
 まぁその込める術がプレイヤーには使えないとか、そんな所だろうな。


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