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VRMMOで妖精さん 作者:しぇる
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118/730

118:回収しよう。

 うぅ、踵の周りが生温かいよぅ……
 足首は掴まれたままだけど、肘は固まっていない様なのでそのまま右足をカトリーヌさんの頭から引き抜く。
 うえぇ、ヌチャッていったぁ……

 あ、勿体ないから消えてしまう前にちょっと吸っておこう。
 流石にこれに口を付けるのはちょっと躊躇うし、頭に突っ込んだままの左足からでいいや。
 【浮遊】と空腹の分しか減ってないから、そんなに必要ないしね。


 精気を吸い取り、左足も抜こうと思ったところで死体が消えた。
 引き抜いた右足にへばりついてた色々な物も消えてはいるけど、なんか気になるので一応【大洪水】で洗っておく。
 左足も舐められたし、ついでにまとめて洗っておこう。
 水気はまぁ適当に払っておけば飛んでるうちに乾くでしょ。


 さて、拾いに行くとするか。
 一回死んで落ち着いててくれるといいんだけどなぁ。

 ってしまった。周りの人がすっごい引いてる。
 なんか「おいおい……」とか「踏み潰したよ……」みたいな声も聞こえてくるし。
 まぁそりゃ当たり前か。

 近くに居た人を見てみると、目が合った瞬間にビクッてされた。
 少しそちらに進んでみると、こちらを見たままスッと一歩下がられる。
 ……むぅ。警戒されてるぞ。

 もう少し近寄ってみても、やはり目は離さずに退がっていく。
 いや、何その「背中を見せたら殺られる」みたいな逃げ方は。
 別に襲い掛かったりしないよ。
 私は自分の身を守っただけだい。



 仕方ないので諦めて振り返り、噴水広場へ向かう。
 うーん、まぁ地面に大穴開けたり人間食べたりもしてるし今更だよね。
 仕方ない仕方ない。

 んー、カトリーヌさんはーっと…… あ、居た。
 なんで仰向けに転がってるんだ。邪魔になっちゃうだろうに。


「おーい、迎えに来たよー」

「あ、白雪さん。済みません、わざわざ」

 むくりと起き上がって返事をしてきた。
 うん、一応まともな状態に戻ってるみたいだな。

「まぁ通り道だしね。というか、そんな所に転がってると危ないよ? 人間が気付かずに踏んづけちゃうかもだよ」

「私は構いませんよ?」

「いや、踏んだ方が構うんだよ。歩いてて毛虫とかセミとか踏んだら嫌な気分になるでしょ」

 言いながら近寄って、両手を持って引っ張り上げる。
 流石にこれには抵抗することなく、一緒に浮上してくれた。



「いやぁ、堪能させて頂きました」

「もー、離してって何度も言ったでしょ?」

「申し訳ありません。美しいおみ足を間近で見ていましたら、この足に踏まれたいという気持ちが溢れ出てしまいました」

 美しいとか言われてもなんか全然喜べないよ……

「本当、勘弁してよ……」

「大丈夫ですわ。あれほどの責めを味わったのは久方ぶりですので、今は満ち足りておりますし」

 初めてではないんだな……
 うん、まぁそこには触れないでおこう。
 問題はそこじゃないし。


「それ、刺激に飢えたらまたやるって言ってる様な物じゃない?」

「いえ、その様な事は……」

「一応言っとくけど、次からは痛みを感じない様に殺すからね?」

「そんな、殺生な!?」

「やっぱりやるつもりなんじゃないかー!」

 というか大丈夫って言うけど、今日だけで何回暴走してるんだよこの人。
 モニカさんの口に飛び込んでから、まだそんなに経ってないぞ?
 この燃料もいつまで持つことやら。


「ふう、まったく。もういいよ…… 止めても無駄なんだろうし」

「申し訳ないとは思うのですが……」

「もう満足してるうちにやること済ませちゃおう。ほら、行くよー」

「あっ、待ってくださいまし」

 とりあえず再度暴発しない様に、追い付いてくるのを待ってから並んで飛ぶとしよう。



「おや、いらっしゃいませ。何やらお疲れのご様子ですが」

「まぁ色々ありまして…… それで用件なんですが、カトリーヌさんにも裏庭の除草作業をしてもらおうと思うので、手続きをお願いします」

「了解致しました。すぐに作業を始められますか?」

「今は説明がてら少しだけ一緒にやろうかと。それと、カトリーヌさんの【純魔法】と【吐息】を登録してあげてください。用途は私と同じですね」

「はい、少々お待ちください」


 あ、話も聞かずに進めちゃった。

「ごめん、勝手に申請しちゃったけど良かった?」

「いえ、必要な事なのですよね? それでしたら何も問題はありませんわ」

「ありがと。まぁ次があったらちゃんと確認はするよ」

 今回は問題なかったけど、普通に考えたら意思も確認せずに契約なんて有り得ないだろう。



 登録と支払いを済ませ、裏庭へ向かう。
 ライサさんは案内すると言ってきたけど、私が居るから大丈夫だと断っておいた。
 悪い事はしてないのに何か申し訳なくなる位に残念そうな顔してたな。
 まぁ通常業務を頑張って下さいとしか言えないけど。


「ここにも小さな戸があるんですのね」

「うん。最初に来た時には無くて、うっかり締め出されたんだよね」

「その時はどうなさったのです?」

「裏門の上を飛び越えようとして、張ってある結界に顔から突っ込んで死に戻った」

 うん、我ながら恥ずかしい話だ。

「結界があるのですか?」

「まぁ役場として公開されてるとは言っても、一応王女様が住んでる建物だしね。侵入者防止用じゃないかな」

「あぁ、それもそうですわね」


 話をしながら戸をくぐり、裏庭に出る。

「まぁこんな感じで荒れ放題だから、好きなだけ食べられるって訳だね」

「おぉ、これは良いですわね。手前の何も無い所は白雪さんが?」

「うん。毎日夕方に来て、お弁当作りながらちょっとずつ削っていった」


「ところで結晶ですが、ここでなら大きな物を作っても大丈夫なのでしょうか?」

「そうだね。まぁあんまり大きいのを作っても使いどころに困るし、これくらいのでいいと思うよ」

 ボックスから一つ取り出して、カトリーヌさんに渡す。

「それが五百ほどMPを使って作ったやつ。圧縮する前の大きさはこんな感じだね」

 目の前に魔力の球を浮かべて見せる。


「ええと、こんな感じでしょうか」

 手に持った結晶を一旦ボックスに入れ、カトリーヌさんも魔力を放出する。

「そうそう、その位。で、固まるまでギュッとしたら完成」


「……おぉ、私にも出来ましたわ。それでは、これをどうぞ」

 しまっていた結晶を取り出し、作った物と一緒に差し出してきた。

「ん? くれるの?」

「えぇ。先程頂いた時、後で作って返してくれたら良いと仰ったではありませんか」

「あ、そうだっけ。それじゃ、ありがたく頂いておくよ」

 そんなのすっかり忘れてたよ。


「さて、これで一通りの案内は終わったかな」

「ありがとうございました。私に出来る事があればお手伝い致しますので、いつでも声をおかけ下さいね」

「うん。まぁとりあえず、作るのに使ったMPを補充しようか」

「そうですわね。……うぅ、苦いですわ」

「だからなんで口で行くかな……」


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