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VRMMOで妖精さん 作者:しぇる
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112/677

112:発注しよう。

 我に返ったカトリーヌさんと二人でシルクに乗り、玄関まで運んでもらう。
 はぁ…… やっぱりこのぷにすべお肌は癒しだわー。
 こっち側はちょっと無駄に力が入ってるっぽいけど、怖い物乗せてるから仕方ないね。
 ちょっともちもち感が減ってるけど、自分が悪いので我慢だ。

 お向かいのカトリーヌさんを見ると、シルクの二の腕にぴっとりくっついて目を閉じている。
 向こうは柔らかそうでいいなぁ。
 ……しかしいくらなんでも懐きすぎじゃないか? まぁ、嫌われるよりはいいか。



「ほらカトリーヌさん、いつまでもしがみついてないで。家具の注文しに行かなきゃ」

 表に来たけどカトリーヌさんが離れないので、後ろから肩を持って引き剥がしにかかる。

「うぅ、名残惜しいですが仕方ありませんわね…… 行って参りますわ、シルクさん」

「とりあえず、私の部屋と同じ様にカーテンを付けておいてあげて。行ってきまーす」

 シルクが頷いたのを確認して、カトリーヌさんの手を引いて門へ向かう。
 さっさと行くぞー。



「し、白雪さん、出来れば少し速度を、落として頂けると、ありがたいのですが……」

 あ、しまった。またうっかりしてあんまり速度の差を考慮せずに飛んでたよ。
 ずっと引っ張る感じになってたんだから気付け、私。

「ごめんごめん、大丈夫? 腕とか痛くない?」

「は、はい。弱いとはいえ、心地よい痛みですので大丈夫ですわ」

「いや、ちょっと痛いんじゃない…… はい」

 さすっている左肘に向けて、【妖精吐息】を吹きかける。


「あら? おかしいですわね。確かに痛みは引きましたが、ほんの僅かですね」

「痛みが引くことを残念そうな顔で言わないでよ……」

 でも妙だな。普通ははっきり判るくらい気持ち良いらしいのに。
 もう一回吹いてみるか。


「……やはり痛みは僅かな違いですわね。お話に聞いていた程の悦楽もありませんし」

 悦楽言うな。
 うーん、【妖精】には効果が薄いのか?
 よく解んないけど、お互いの魔力が干渉して邪魔してるのかなぁ?
 まぁ効きづらいって事だけ解ってればいいか。


「んー、効かないなら仕方ないか。自分でやっておいて無責任だけど、そのうち治るよね」

「えぇ。元々大した痛みではありませんでしたしね」

「いやー、本当ごめんね。お詫びと言っちゃなんだけど、注文しに行った後で果物食べようか」

 別に私の奢りって訳じゃないのがなんかセコい感じがするけど、まぁ仕方ない。


「お気になさらずと言いたいところですが、果物は少々興味がありますわね」

「でしょ? それじゃ、早いとこ注文を済ませよっか」

「えぇ。参りましょう」

 二人で並んでふよふよ南へ飛んで行く。
 カトリーヌさんの為に低めに飛んでるから、少し壁から離れて曲がり角では一旦止まる。
 今なら死に戻れば少し近くなるけど、無駄に死にたくはないしぶつかった相手に申し訳ないもんね。
 曲がり角で出合い頭にぶつかって、顔が妖精の体液まみれになるとか酷すぎるよ。



 市場を通ると屋台に誘われるので、東通りを横断してそのまま南東区に入る。
 うーん、こっちからだといまいち道がよく解らないな。
 まぁ大体の位置はなんとなく解るし、鍛冶場の音を当てにすればそこまで離れはしないだろう。


 やっぱり、たまには違う道を通ってみるもんだなぁ。
 初めて見る工房が一杯ある。いや、初めてなのは当たり前だけどさ。
 調薬や魔法陣はやっぱり少し気になるけど、今はカトリーヌさんの家具の注文だからな。
 うん、寄り道はよしておこう。



「いらっしゃい。あら、そちらの子は初めてね」

 一応ノックをしておいて、カトリーヌさんを連れて工房に入った。
 迎えてくれたフェルミさんが当然の反応を示すので、挨拶を済ませてもらう。

「お疲れ様です、白雪さん。カトリーヌさんはおめでとうございます」

 あ、レティさんも頑張ってるな。
 かなり集中してたのか、珍しく少し遅れて声をかけてきた。

「ご丁寧にどうも。白雪さんの家に住まわせて頂く事になりましたので、よろしくお願いいたしますわ」

 まぁよろしくって言っても、三人は別に住んでる訳ではないけどね。

「はい。よろしくお願いします」


「ところで、カトリーヌさんも【細工】を習いに?」

「あ、いえ。今回は別の用件で来ました。その前に一応お聞きしたいんですが、そのドアを作ったのはフェルミさんですよね?」

 カトリーヌさんに代わって私が話を進めていく。
 一応私は知り合いだし、細部は本人に詰めてもらえば良い。


「えぇ、そうだけど?」

「えっと、【妖精】用の家具の注文ってできますか? サイズ的に【細工】工房だと思ったのでこちらに来たんですけど」

「あら、ミニチュア家具の制作? そうね。家具は専門ではないけれど、それでも良いなら出来るわよ」

 お、いけた。


「だそうだけどどうかな?」

「もちろんお願い致しますわ」

「はーい。それじゃ、ベッドにテーブルに椅子、それぞれ一つずつ……でいいのかな? うん、それでお願いします」

「ところで、予算はお幾らかしら?」

「あ、そうか。どうする?」

「こういう物の相場が判らないのですが、全て合わせて銀貨八枚で足りますでしょうか?」

 ほぼ全部出しちゃうのか。
 まぁあんまり使い道ないから問題ないけどさ。
 というか絹のハンカチ買った私の言えた事じゃない。


「あら、そんなに。それでは、内容を詰めて見積もりを出すとしましょうか。こちらにどうぞ」

 あ、表の店舗でやるんだ。いろんな書類がそっちにあるのかな?

「すみませんが行って参ります。待っていて頂けると助かりますわ」

「うん、もちろん。練習でもしてるよ」

 通路に消えていくカトリーヌさんを見送る。
 あ、でも練習するって言っても手持ちに金属素材が無いな。
 まぁ【金工】を同時に取ろうとしなきゃいいだけか。

 その前にちょっと邪魔にならない様に、レティさんの仕事ぶりでも覗いてみよう。
 本人が器用みたいだし、スキルレベル低くても凄そうだよね。


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