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VRMMOで妖精さん 作者:しぇる
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102/672

102:謁見させよう。

 そうだ、食堂のこと聞いておかなきゃ。

「すいません、食堂でお手伝いをさせてもらえませんか?」

「食堂ですか? そうですね、雑用でもよろしいのでしたら多少の空きはございますが。それでもよろしければ可能です」

 お、いけた。雑用って皿洗いとかかな? 経験値はちゃんと貰えるんだろうか。


「一応お聞きしますが、白雪様が、という事ではありませんね?」

 そりゃ私じゃ無理だよ。多分お皿を一枚運ぶことさえ出来ないよ。

「あ、はい。えっと、後ろの……」

「ミヤコです。よろしくお願いします」

「私、受付のライサと申します。よろしくお願い致します」

 あ、そういえば私くらいしか名乗りあってなかったんだっけ?
 まぁ殆ど来る用事も無いし、そんなもんか。


「ではミヤコさん、多少の給金は出ますがどう致しますか?」

「お願いします。直接向かえばいいですか?」

「いえ、食堂の職員への連絡も兼ねて案内させます。キャシー、お願い」

「あ、はい。それではこちらへどうぞ」

 ライサさんに促されて、後ろの方に座っていた職員さんがこちらへ来て先導する。

「それじゃ頑張って来るよ。また後でねー」

 付いていきながらこちらに手を振る。
 ちゃんと前見ないと危ないよ?



「さて、こっちが本題ですがカトリーヌさんのスキルの使用登録をお願いします。【妖精魔法】、【吸精】と…… 【空間魔法】は取ったのかな?」

「はい。登録はその三つですわ。しかし、この身体では書類が……」

「その点は私が代筆させて頂きますので、ご心配なく。…………はい、それでは球に触れて下さい」

 いつもの球と紙を取り出しつつ答え、手早く処理を進めるライサさん。
 金平糖で手が塞がっていたので代わりに持ってあげて、触れてもらう。


「はい、完了です。もう離して頂いて結構ですよ。それでは、三件の登録で銅貨六枚となります」

「あ、カトリーヌさん。お金、重いから気を付けてね」

「はい? んっ、これは確かに……」

 カトリーヌさんは少しふらつきながら、銀貨をボックスから取り出して受け皿に置いた。

「それでは、こちらがお釣りですが…… 失礼ですが、持ち帰る事は可能なのでしょうか?」

「まぁなんとか。ただ申し訳ないんですけど、収納を手伝ってあげてもらってもいいですか?」

「はい、喜んで。どの様にすれば?」



 ライサさんに手伝ってもらい、銅貨をカトリーヌさんのボックスに収めた。
 少し容量が足りないので、鞄も取り出してもらってねじ込む。
 そういえば私の鞄、あんまり使ってないな。まぁいいか。

「やっと終わりましたわ……」

「お疲れ様です。あ、ライサさん。ついでに私の【光魔法】も登録をお願いします」

 金平糖をカトリーヌさんに返しながら私の分の登録もお願いする。
 このままじゃお庭で珠ちゃんと遊べないからね。
 ……芝生でもちゃんと見えるかな? まぁなんとかなるか。


「はい。用途の方はどの様な?」

「猫と遊びます」

「……はい?」

「光で珠ちゃんをじゃらして遊びます」

「そ、そうですか。ではこちらの球に手をどうぞ」

 建前だけでも照明用って言った方がよかっただろうか。
 いや、嘘は良くないよね。まぁ別に嘘じゃなく本当に使えばいいんだけどさ。

 手を触れて登録し、銅貨二枚を支払う。



 とりあえず今やる事はこれだけかな。

「それじゃ失礼しますね。カトリーヌさん、行くよー」

「はい。それでは、またお会いしましょう」

「またのお越しをお待ちしております」

 受付から離れてジョージさんを…… ってちょっと待った。


「あ、カトリーヌさん。それボックスに仕舞っておいてもらえるかな?」

 持ったままでたまに舐めている金平糖を仕舞うように頼む。
 というかお嬢様キャラなのに、その食いしんぼみたいな行動はどうかと思うよ。

「あ、はい。どうかされましたか?」

「ちょっとこっち来て。ここから中庭に出られるから覚えておいてね」

「この出入り口、まるで誰かのペットになってしまったかのようですわぁ……」

 それを言わないでよ。そして少し顔を赤らめないで。



 中庭に出て花壇のふちに行き、カトリーヌさんが追い付いてから話しかける。

「えっと、とりあえずこの中庭では、南の訓練所と同じように登録してないスキルも使えるよ」

「訓練所も使ったことはありませんが、知識としてだけは存じておりますわ」

 あー、訓練所に行く時間があるなら表で殴られる方を選ぶよね。


「まぁでも、今はそれは関係ないんだよね。ちょっと両手出してくれるかな。……はい、洗ってー」

 突き出した手に向かってぬるま湯を放出。
 そんな汚れてないだろうけど、相手が相手だしきちんとしていかないとね。

「あらお恥ずかしい。ありがたく使わせて頂きますわ」

 二人とも拭くものを持っていないので、手を振って水気を払った後にジェットタオル代わりにもなってあげた。
 これでよし。


「それじゃ…… ジョージさーん!」

「はいよ。付いてきな」

 もういいのか? とかさえ無く、即決で案内するんだな。
 まぁ確かにそのつもりだから呼んだんだけどさ。


「あの、アリア様とはどういった方なのでしょうか?」

 二階に上がった所でカトリーヌさんが問いかけてくる。

「あ、本国の王女様で開拓(ここ)の責任者だよ」

「はぇ!?」

 あ、変な声出した。


「こ、心の準備が出来ておりませんわ!?」

「大丈夫大丈夫。普段通り丁寧に話せば何も問題は無いから」

「いえ、そういう事ではなく…… 唐突過ぎますわ……」

「まぁまぁ。ほら、着いたよ」

 ジョージさんがノックして声をかけ、ドアを開けてくれる。
 流石にここには妖精用のドアはないからね。



「やぁ、白雪。待っていたぞ。そちらが新しい【妖精】だな? 私の名はアリアーヌ・キャロル・アングレット。ここの責任者をやっている者だ」

「わ、私はカトリーヌと申します。よろしくお願い申し上げます」

「そう固くならずとも良いぞ。所詮島流しの様に開拓に回された身であるしな!」

 あー、確か危ないからって帰ったお兄さんの代わりに送り込まれちゃったんだっけか。


「それで白雪、今日は紹介してくれる為に来たのか?」

「いえ、いくつか聞きたい事がありまして。カトリーヌさんはそのついでです」

「む、何かな?」

「まず一つ目。蜜は毎月一本納品するという事でしたが、既に月末ですので今月は現在集まっている量をそのまま納品すれば良いですか?」

「ふむ、そうだな。それで頼む。納品量に応じた額を支払うように、後程手続きをしておこう」


「解りました。それと二つ目ですが、あの花園の正式な名称は決まっているんですか? 妙な名前で呼ばれる前に、看板なりで表示しておいた方が良いのでは無いかと」

 「妖精さんの家()」なんて事にされてたまるか。

「あぁ、決めていなかったのだが既に民の間で名前が付けられていたようなのでな。少し飾りをつけ妖精庭園(フェアリーガーデン)という事にして、各所に刻むように命じておいたぞ。……ん、どうした白雪。大丈夫か?」

 机の上でガックリと崩れ落ちた私を心配してくれた。
 でも原因は貴女です。

 お、遅かった…………

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