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死ぬ理由と生きる理由
作:霽月



第13話「生活指導の先生」


 診療所から私の家までそれほど距離はなかった。時間にしてみれば五分ほどで着くような距離だった。
 近くに診療所があったなんてことは知らなかった。まあ、あんまり外に興味を持ってなかったからなんだけど。
 少しずつ見えてきた私の家を見ながら考えることじゃないな、と思ってそのことはもう考えないようにする。
「ん?お前の家の前、誰かいるな」
 その時に、彼がそう言った。
 暗くてよくわからないけど、目を凝らしてみれば確かに人影が見えた。影の形から髪が長い人であろうとういうこととスカートを穿いている、ということがわかった。女の人だと思う。
 私の家に何か用があるんだろうか。でも、何の用があるんだろうか。
 不審に思いながらも近づく。
 徐々に近づくにつれて私の家の前に立つその人影の姿がはっきりとしてくる。そして、その人の容姿をはっきりと確認できるまでに近づく。
 服装はとても簡素で白のブラウスに薄い緑色のスカートというものだった。だけど、腰のあたりまで真っ直ぐに伸びた栗色の髪がその簡素さを打ち消してしまっている。
 けど、全体のイメージとしてはふわふわ〜っ、とした感じだ。
「おい、お前はこんなところで何をしてるんだ?」
 一真君が敵意を込めた口調でそう言う。何故だか彼は私以上に女の人のことを警戒しているようだ。
 女の人がこちらを振り向いた。
「あらー、あなたたちは金崎千智さんと上原一真君じゃないー。どうして一緒にいるのかしらー?」
 服装の印象に似合った間延びした喋り方だった。けど、そんなことはどうでもいいことだ。
 それよりも、どうしてこの人は私の名前を知ってるんだろうか。もしかしたら知ってる人なのだろうか、と思って今度はじっくりと彼女の顔を見てみる。
 年齢は私と同じくらいだと思う。美人、なんだろうけど常にぼんやりとしていそうなそんな顔つきをしているせいでそんな雰囲気が薄れてしまっている。
 そこまで見てもその人が誰なのかわからなかった。だから、
「なんであなたは私の名前を知ってるんですか?」
「なんでお前は俺の名前を知ってるんだ?」
 彼と私の質問が重なった。しかも、内容はまったく同じだった。この場合、別の質問があるとは思えないけど。
「二人とも酷いわねー。まあ、上原君は今日転校してきたばかりだから仕方ないとは思うけどー」
 少しばかり落ち込んだような声だった。
「私は一応あなたたちの通ってる学校の生活指導よー」
 彼女はそう言ったが私の記憶がそれで刺激されるようなことはなかった。まあ、今の担任の先生の名前でさえ思い出すのは危うい感じだし。
 というか、この人先生なんだ。私とあんまり変わらないくらいの年だってさっきは思ってたけど、実際にこの人は何歳なんだろうか。
 そんな疑問を私が抱いていると、
「金崎さん、私のこと、思い出せないのかしらー?」
 今度は少し悲しそうな声でそう言ってきた。子供っぽい素直な反応を返されてしまい私は困惑してしまう。
「はあ、じゃあ、二人のために己紹介をしてあげるわー」
 落胆したようなため息をついて沈んだ声でそう言う。ここまで素直な反応を見せるような人が生活指導の仕事を全うできるんだろうか。
「私はー、三柴(みしば)汐織しおり、っていうのよー。忘れないでおくようにー。特に金崎さん、もう忘れちゃ駄目よー」
 最後に指先を私に突きつけながらそう言った。最後の言葉だけ聞き分けのない子供に向けたような言葉だった。
「は、はい、わかりました」
 彼女の素直すぎる反応に困惑していた、ということもあって反射的にそう頷いてしまった。
 まあ、でもこんなことがあればもう忘れることもないだろう。というか、なんで今日はこんなに個性的な人ばかりに会ってしまうんだろうか。
 自殺をしようとする私に対する神様の手向けだろうか。だったら、随分と余計なものを準備してくれたものだ。無駄に疲れてしまうだけだ。しかも、神様なんてどこにいるのかわからないから返そうにも返すことができない。
「絶対よー」
 念を押すような声でそう言う。
「なあ、女だけが生徒指導をしてて成り立つもんなのか?」
 私も疑問に思っていたことを一真君が代わりに言った。
「上原君、年上の人にはちゃんと敬語を使わないと駄目よー」
「面倒だから嫌だ」
 一真君はその一言で三柴先生の言葉を一蹴する。というか、一真君は誰に対しても敬語を使うつもりがないんだろうか。
「そう言う風に言ってるとつまらないことで敵を作ることになるわよー。まあ、私は気にしないからいいのだけれどー。見かけが幼いからか、私に敬語を使う人なんてごく少数なのよー」
 軽く彼に注意をするけど、本気で聞いてもらおうと思ってはいないようだ。言葉もどこかおざなりだ。
「そういえば、あんたは何歳なんだ?見かけのまま十五、六歳、とかはありえないよな。……二十歳くらいか?」
「あら、そんなに若くはないわよー。これでも、今年で私は三十になるのよー。あなたたちの約二倍ねー」
 笑顔でそんなことを平然と言う。いや、まあ、三柴先生にとっては当たり前で驚く必要のないことなんだろうけど、
「はっ?ちょっと待て、どう高く見積もっても二十代の前半くらいだろ!」
「せ、先生、それって冗談ですよねっ!」
 あまりにも三柴先生の衝撃的な言葉に彼も私も声を荒げてしまう。
「別に嘘なんかじゃないわよー。ほら、これが証拠よー」
 そう言って三柴先生は懐から何かを取り出して私たちの方に差し出してきた。それを彼が受け取る。私は彼の横から覗き込むようにしてそれを見る。
 それは教員免許だった。明らかに私くらいの年齢の、少女と言っても差し支えのない顔写真がある。生年月日を見ろ、ということなのだろう。
 なので、生年月日のところを見てみた。そこには三十年前の年と誕生日が書かれている。
 数秒、そこを見つめて、それから間違いがないか確かめる。けど、間違いなんて見つからなかった。
 どうやら、三柴先生が三十歳だ、ということは認めざるを得ないようだ。あの外見では納得いかないけど。
「本当、なんだな」
「本当のこと、みたいですね」
 二人して半信半疑な声で言ってしまう。認めざるを得ない、とは思ったけどやっぱり、心から認めるのは難しかった。
「なんだかまだ信じてないみたいねー。まあ、年齢なんて飾りみたいなものよー。中身が充実してればそれで十分なのよー」
 大人っぽい笑みを浮かべてそう言う。だけど、容姿とのギャップが不思議な違和感を生み出す。
「そんなことよりも、先生はこいつに用が合ってきたんだよな。何の用なんだ?」
 彼が三柴先生にそう聞く。たぶん、三柴先生の年齢のことを考えるのが面倒になってきたのかもしれない。
 三柴先生はその言葉に彼の顔を見、私はその場から逃げようと扉へ向かった。
「おい、逃げんな」
 そう言った彼に襟を掴まれてしまう。それでも逃げようとしたけど自分の首が締まって苦しいから諦めた。首根っこを掴まれる猫の気持ちがわかったような気がする。
「女の子にそういう乱暴をしたらだめよー?ちゃんと優しくしてあげないとー」
 諭すような口調だ。でも、彼は三柴先生の言葉を聞くつもりはないようだ。まだ、私の服の襟を掴んだ。
「これぐらいやらないと、こいつは言うことを聞かない」
 そんなことを言う彼を私は睨む。けど、当然それだけで放してくれるはずがない。
「上原君は何か事情を知ってるみたいねー。あ、さっきの質問だけれど、私は金崎さんが学校を休んでる理由を聞きに来たのよー。一週間も無断で休んでる子を放っておくわけにはいかないのよー」
 その言葉は予想していたとおりの言葉だった。だからこそ私は先ほど逃げようとしていたのだ。
「それで、金崎さん、学校を無断で休んでる理由を教えてくれるかしらー?」
 三柴先生は彼が私の襟を掴んでいるのを止めさせるのはやめたようだ。
「嫌です」
 私も彼に襟を掴まれているのをあまり気にせず、三柴先生の質問に即答した。
「はっきりと答えてくれるわねー。でも私はそれくらいじゃ諦めないわよー」
 向こうも私の答えを予想していたようで特に動揺した感じもなかった。
「上原君はなんで金崎さんと一緒にいるのかしらー?それに、金崎さんがどこに行っていたのかも気になるわねー」
 私と彼とを交互に見ながらそう言う。
「ああ、こいつは―――……っ!」
 彼の言葉が突然途切れた。その原因は私だ。彼が余計な事を言わないように足を蹴り上げた。ついでに、その時に襟から手が放された。
 それから私は彼の手を引っ張る。今は私だけが逃げても意味がない。
「お、おいっ!引っ張るな!」
 彼が抗議の声を上げる。けど、案外簡単に引っ張られてくれる。私が思った以上に足を蹴り上げた効果はあったようだ。
 扉まで彼を引っ張るとスカートのポケットの中から急いで鍵を取り出して扉の鍵をはずし、扉を開ける。そして、扉の奥へと彼を押し込んで私も一緒に入っていく。
 それから、勢いよく扉を閉めると内側から鍵をかけた。
 外の音を聞くため、耳を澄ましてみる。
 ……何も聞こえてこない。どうやら、三柴先生は私の行動に反応できなかったようだ。たぶん、今も外で動きを止めていることだろう。
「……おい、お前はこんなことをして何をしたいんだ?」
 背後から険のきいた声が聞こえてきた。私は彼の方へと振り返る。
「そんなの、簡単ですよ。あなたの、口止めをするためです」
「……そうか」
 彼は静かにそう言って靴を脱ぎ始めた。そして、靴を脱ぐと脱いだ靴を持って私の家に上がった。
 その意図をくみ取った私は靴を脱いで家に上がると両手を広げて彼の前に立ちはだかる。靴は彼のように持っていく必要はないので下に置いたままだ。
「どこに、行くんですか?」
「裏口。それがわかってるから俺の前に立ってるんだろ?」
 こくり、と無言でうなずく。それ以上は一言も口にしないまま私たちは睨み合う。
 と、不意に彼は踵を返した。私は小走りで再度彼の前へと立ちはだかる。
 そして、また膠着状態となる。私は彼を逃さまい、と彼の方をじっ、と見る。彼は私からどう逃げようか、と考えているのかこちらを見たり瞳を動かして別の場所を見ていたりしている。
 動きがないまま一分くらいが過ぎた、と思ったその時、不意に、ぴんぽーん、という電子音が鳴り響いた。
 私も彼もその音に気を取られる。
 そして、彼の方が先に気を取り直してしまう。今までとは違って彼は走っていってしまう。
 私は一瞬遅れる形で彼のことを走って追う。
 大股でなら数歩で終わってしまうような廊下だ。走る、と言っても本気で走ることはできない。それに、リビングに続いている扉は今閉まっている。だから、彼はそこで必ず一度止まるはずだ。その時に彼の腕を掴むなりして止めればいい。
 そこまで考えたところで彼が扉の前まで行った。そして、私の予想通り彼は一度、足を止めた。
 短い廊下だからそれだけですぐに彼との距離は縮む。更に扉を開けるためには一歩後ろに下がらなければいけない。
 そこを見計らって私は腕を伸ばして彼の腕を掴んだ。そこで彼はぴたり、と止まる。諦めたような雰囲気はない。
「放せ」
 彼は私の方へ振り返ると短くそう言う。
「嫌です」
 私も短く言い返す。しばしの間睨み合うような状態となる。
 不意に、彼は前を向いた。そして、私に腕を掴まれたまま無理やり前に進み始めた。私は彼にキッチンの方へと引きずられてしまう。
「止まってくださいぃ」
 彼がこれ以上前に進まないように、と踏ん張ってみるがそれでも徐々に引きずられてしまう。
 少しずつ裏口が近付く。しかも、もともと体力がないことがたたって少しずつ腕に力が入らなくなっていく。
 ついに彼の手が裏口の扉の鍵をはずしてしまう。そして、扉も開けられる。
 彼は裏口の外へと向けて靴を軽く放った。私が腕を掴んでいるせいでしゃがむことができないようだ。
 そのまま彼は外に出ていこうとする。
 だけど、外と中には当然ながら段差がある。だから、足が浮く時間は少し長くなる。
 私はその瞬間を狙って一瞬力を抜いてから、勢いよく彼をこっちに引っ張った。
 案の定、彼はバランスを崩してこちらに倒れてきた。私はそれを要領良く避ける。その直後にごんっ、と彼が頭を床に打ち付ける。
「いっ……!」
 かなり強く打ったのか、言葉にならない声を上げている。でも、大丈夫だろう、たぶん。
 それよりも、このままにしていたらまた立ち上がって逃げ出してしまう。とりあえず、すぐに逃げられないように、と彼の上に座って肩を押さえつける。
「お前、なにすんだよっ!……つか、俺の上からどけろ」
 後頭部をおさえながらそう言ってくる。うん、大丈夫そうだ。だから、彼の前半の言葉は無視することにした。
「嫌です」
 彼の顔に私の髪がかかっているのが見える。少し邪魔そうだけど気にしない。
「なんでだよ」
 彼が睨んでくる。けど、こうして見下ろす形になると迫力が全くない。
「このままどけたらあなたは話すじゃないですか、あの人に」
「ああ、話すに決まってるだろ?正直、俺と姉さんだけでお前のことを止められるとは思わない。だから、お前に関わろうとするやつがいるならそいつにはお前が死のうとしているってことを教える」
 彼の強い意思のこもった強い言葉。どうして、私なんかにそんなことを言うことができるんだろうか。
「どうしてあなたはそんなに私に関わろうとするんですか?どうして私の邪魔をするんですか?私が死のうと死ぬまいとあなたには関係のないことじゃないですか」
 前も同じようなことを聞いた。前回は答えてもらえなかった。また、答えてくれないだろう、とは思ったけど彼の行動にまた大きな疑問を感じたから自然に口から出た。
「そんなもん、お前が気にすることじゃないだろ」
 そして、返ってきた言葉は前回と同じ言葉だった。予想通りだったからどうということはない。
 そのまま私も彼も黙ってしまう。彼は私を見上げてきていて、私は彼を見下ろしている。
「金崎さんが学校に来なくなった理由はわかったわー」
 突然、後ろから声が聞こえてきた。
 後ろを振り返ってみると裏口の向こう側に三柴先生が立っていた。
「先生、聞いてたんですか?」
「ええ、聞かせてもらったわー。あれだけ大きな音が聞こえてくれば誰だって気になるわよねー?」
 首を傾げながらそう言う。
 まあ、言われてみれば確かにそうだ。この辺りは結構静かだし扉も開いているわけだからここの音は玄関まで届くだろう。
「確かに、そうですね。……でも、それで、どうするんですか?」
「それは止めるに決まってるわよー。それで、自殺をしようと思った、その理由はあるのかしらー?」
「なんでそんなこと、教えないといけないんですか」
 私は三柴先生か顔をそらして彼の方を向く。
「おい、あの先生に聞かれたんだろ?だったら早くどけ」
 目が合った途端にそう言われた。どうやら怒っているようだ。
 彼が三柴先生に私が自殺しようとしていることを言わないようにするためにこうして彼の身動きを止めているんだからもうこうやっている必要はない。でも、こうやって彼の動きを止めることなんてこの先なさそうだ。だから、
「どいてほしいなら、私にはもう関わらない、って約束してください」
 顔を少し近づけてそんな交換条件を出す。
「嫌だ、って言ったらどうするつもりなんだ?このままずっと俺を押さえつけてるつもりか?」
「いえ、そういうわけではないですよ。とりあえずあなたが眠るまでこうしてます」
「そんなことして、どうするつもりだよ」
「あなたを縛るんです。これから、私の邪魔をすることができなくなるように」
 彼の身動きを封じれば自殺をするための一番大きな障害がなくなる。
「金崎さんは私のいる前でそんなことをするって言うのかしらー?」
 真後ろから三柴先生の声が聞こえてきた。一瞬、びくっ、と体を震わせてしまう。だけど、すぐに三柴先生が私の家に上がってきたんだ、とわかった。
「はい、そうです。場合によっては先生のことも縛って身動きができないようにしたいと考えてますから、私には関わらずここから離れた方がいいですよ」
 後ろには振り向かず彼の顔を見詰めたままそう言う。
「それは、脅し、なのかしらー?」
 この場の雰囲気を楽しむような小さな笑い声が背後から聞こえてくる。そんなことできるはずがない、と思っているようだ。
 逆に私は耳に息がかかるほど近くから聞こえてくるそれにぞくっ、と寒気を感じた。
「そういうことに、なりますね」
 やっぱり、三柴先生の顔を見ないまま答える。寒気を感じたけどそれでも平静でいられることが出来た。
「そうー。なら、本当に金崎さんがそれを実行するのかどうか気になるからここにいてみるわー」
 そう言うと私から離れる。それから数秒後に扉の閉じる音が聞こえてきた。
「……で、どうするんだ?どっちかが寝るまでこのまま睨みあってるつもりか?」
 私が三柴先生に話しかけられてからずっと無言だった彼が話しかけてきた。
「はい。でも、嫌なら顔をそらしてもいいですよ?」
「そっちの方が疲れるだろ」
 彼が小さくため息をついて私と彼、どちらが先に寝てしまうのか、という勝負が始まった。


 彼と勝負を始めてからいくらかの時間が経った。ここからだと時計が見えないのでどれくらい時間が経ったのか正確にはわからない。
 ほとんど変化するものがないので時間感覚も狂ってしまっている。
 ただ変わったことと言えば、最初よりも暗くなってしまったことと三柴先生がいつの間にか小さく寝息を立てて眠っていたことくらいだ。
 私と彼の体勢はほとんど変わっていない。
 でも、内面的なところで変わってきているところがある。それは、眠気が襲ってき始めた、ということ。今は瞼を閉じてしまえばすぐに眠ってしまいそうなくらいに眠い。
 黙っていると眠気は勝手に大きくなっていく。だからと言って彼に話しかけようとは思わない。彼と話すことなんて何もないからだ。
 瞼を閉じないように目のあたりに意識を集中する。だけど、そうやって意識することで余計に眠気が大きくなってきているような気がしてしまう。
 そして、ついには瞼が勝手に落ちて行ってしまいそうになるくらい眠くなってきた。
 彼の肩を押さえている私の腕を伸ばしたままにしているのも難しくなる。
 腕と瞼、その両方に意識を集中させ力を入れる。けど、それは結構疲れることで確実に眠気に負けそうになってくる。
 対して彼は全然眠そうじゃなかった。なんで、そんなに眠くならないんだろうか。
 そんなことを思った途端に私は眠気に打ち負けてしまった。私の体が彼の上に横たわったところで意識は途切れてしまった。












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