Episode 2
マリアは三千院家のお屋敷の玄関ドアを開けた。その先には、ナギが腕組みをして立っていた。
「マリア、今まで何処に行ってたんだ?今何時だと思っている?もう7時だぞ!」
「ごめんなさいナギ、黙って出て行ってしまって」
「まあ良い、早く夕飯を作るのだ」
その時、マリアは夕飯の材料を買っていない事に気付いて、急にオドオドした。
(どうしましょう?夕飯の材料を買うの忘れていましたわ)
「どうしたんだ?マリア」
ナギの問いに、マリアは更に慌てた。
「ゆ、夕飯の材料、買うの忘れてましたわ。今買って来ますので、ちょっとお待ちになっていて下さい」
そう行って、ドアを開けようとした時、ハヤテがドアを開けて入って来た。
「あ、マリアさん、帰ってたんですか。晩ご飯の材料、買って来ましたよ」
ハヤテはそう言って、持っていた買い物袋を示した。マリアはホッとして、胸を撫で下ろした。
「所でマリアさん、今まで何処に行ってたんです?」
「そうだぞマリア、心配したではないか」
「あなた達二人には関係無いわよ。それとハヤテ、晩ご飯の用意お願い」
マリアそう言って自室へと向かった。同時に、ハヤテとナギの顔に黒い影が覆い被さった。
「マリアさんって、あんなにツンツンしてましたっけ?しかも呼び捨て・・・」
ハヤテの問いにナギは、さあと答える。
自室に戻ったマリアは、徐にメイド服を脱ぎ、タンスの扉を開けた。中には庶民が着る様な普通の洋服が入っている。
マリアはそれを取り出し、上下とも着用。そしてつり目、最後に髪型をツインテールにした。如何にも、自分がツンデレである事を醸し出している様な雰囲気だ。
それから暫くして、ハヤテがやって来た。
「マリアさん、お食事の用意が出来・・・ま・・・!?」
ハヤテはマリアの容姿を見て驚いた。何故なら、それは見た事も無い姿のマリアだからである。
「あの、どちら様で?」
「どうしたんだハヤテ、見て判らない?私だ、マリアだ」
ハヤテがその言葉を理解するまで、数秒は掛かった。
「えーっ!?」
ハヤテのその叫び声に、ナギが慌ててやって来た。
「ハヤテ、どうしたんだ!?」
「お、お嬢様、マリアさんが・・・マリアさんが!」
ナギはマリアの部屋を覗いた。
「ま、マリア、どうしたのだその格好!?」
ナギが言うと、マリアは頬を赤らめ、事のあらましを説明した。
「成る程、マリアに好きな人が出来て、その好きな人に告白したら、その人に"ツンデレ以外の人とは付き合えない"と断られたから、それでツンデレになろうとしているのだな?」
ナギは腕を組んで確認するかの様に訊ねた。
マリアは首を縦に振った。
「ふっ、マリアにツンデレは無理だ、諦めろ」
ナギがそう言うと、マリアは紫色の禍々しいオーラを放った。そして次の瞬間、ドカーンッと大きな爆発音がしたかと思うと、ナギは腹這い倒れてピクピクと痙攣を起こしていた。
「ちょっと外の空気吸って来ます」
マリアはそう言って去って行った。
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