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笑顔が愛おしくて ~ベトナム恋愛奮闘記~ 作者:KON
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あります市場

中央郵便局を後に・・・・
僕たちを乗せた車は、活気あるベンタイン市場の中央入口前にいた。

「ミナサン、ココガ・・ベンタインイチバ、デス。」
ガイドのラムさんがそう言うと、みんなの目が一斉に買い物モードに切り替わった.

「ココハ、ワタシヨリ・ゴトウサン・・ヨク、キマスネ・・」

.....そう一人寂しいときに・・ここへ・・・・・



・・・って、また何言わすんすかっぁ!!



「ゴドウサン?」

.....な、なんだよ?


「ダイジョウブ!?」

.....う、うん、、、大丈夫だよ。
ガイドのラムさんが僕に相づちをした。


.....あ、あの~ベンタイン市場はただよく足を運ぶってことだけです。
僕から言わせれば、ここベンタインは、あります市場です。


「あります市場!??」

.....そう、ここには雑貨から衣類・食品、何でもあります。

たくさんの活気があります。

たくさんの笑顔があります。

そして、たくさんのコピー品があります。
親切な店員から平気でボッタする店員まで
たくさんの人間模様まであります。

それが僕から見た、ホーチミン最大の市場ベンタインだと思います。


「逆に無いものってあるんですか?」

僕は、なぜかここへ来るとストレスが無いです。


「ス、ストレス!?」

.....それりゃ、なんでも話しかけられて、うざいとか思ってストレスを抱く人もいるでしょうけど、
僕には、こういう居場所がなぜか、パワースポットとなっているんです。
だから皆さんもこの場所で、たくさんのパワーをもらって帰ってください。


「ゴトウサン、イイコトイイマスネ・・」

.....そうかな?、じゃ、もう少し・・・
中には食品、雑貨、衣料、家電・・とにかくたくさんのテナントが混在しています。
そして、値段はあってないようなモノです。

.....値切りましょう!!


でも、安いからって、品質は保証できません。
また、お土産として食品関連を購入するなら、ドンコイやデタム通りに良いマートがあるので
後でラムさんに教えてもらうと良いです。
ここでは、買い物の楽しさや店員との駆け引きを楽しみましょう。
店員は片言の日本語で、また、巧みな言葉で購入させようとしますよ。

.....そして僕が一番保証できて安心して買い物ができるのは・・・
ここにいるガイドのラムさんについて行くことです。

......きっと、これからたくさんの素敵なベトナムを案内してくれると思います。
なんでも、ラムさんに聞いて素敵な買い物を満喫してくださいね。

「後藤さんは、・・・」

......僕はここで皆様とお別れしようと思います。


「・・・・・?」

......皆さん、本当に今日は至らない臨時ガイドに付き合ってくれて、
ありがとうございました。


.....シン、カム、オンです。


「え~なんで?」

「そうだよ!」

「これから後藤さんは、なにか予定を組んでいらっしゃるんですか?」
高橋夫妻が声を合わせて言った。

・・・・・・はい。
僕は顔を縦に振った。


「ねぇ、私たちと一緒に・・いいんでしょ?・・ラムさん?」

「・・・・・・・・・・」
ラムさんは何も言わなかった。


.....僕は、もう少しでこのホーチミンを離れなければいけません。
なのに、僕は会社から休みをもらってきてます。
でも今日、市内を観光していて思ったんです。


このゆっくりと時間が流れていくようなベトナムでも、
1分1秒と、会いたい人と一緒にいようと。



僕の大切な仲間と・・・・




.....ごめん m(_ _)m




そして、拍手が活気あふれる市場内に響き渡った。

.....ありがとうございます。


「そこにあなたのベトナムのサイゴンがあるんですね。」
一人の女性が言った。

.....はい!
僕は即答で返事を返した。


そして・・・・
みんながベンタイン市場の人混みに消えてゆくと・・
僕は一人タクシーを捕まえようと市場を後に歩き出した。

しばらくすると・・・・・・


「ゴトウサン~!!」
ラムさんの声が追いかけてきた。

「コウジョウ・・・マデ・・コノ、クルマ・・ツカウトイイネ。」

......そ、そんな、、だってツアーの途中じゃ・・


「ジョセイジン、カイモノ・・ナガイデスネ。」

......そうだけど。


「ソレニ、ウンテンシュ・・ワタシノイウコト・・ナンデモキクネ。」

・・・・・・・(^_^;)


「クルマガ、クルマデ・・・?」

......ん!?。


「ココ、マッテルネ。」

.....え??!。


「ワタシ・・ツアーノ、ミナサンニ・・セイイッパイ、ヨロコンデモラエルヨウニ、ガイド・・スルネ。」

......うん、ラムさんのガイドは素敵だし....みんながいい(ガイドに案内されて、
ラッキーだと思うよ。


「アリガトウゴザイマス。」

......僕こそお礼を言わなきゃ!


「・・・・・エッ?」

......教会で見せてもらった


手紙。


.....彼女からの精一杯の感謝がガイドのラムさんに込められていたよ。
僕、それを読んで教会で一人動けなかった。

彼女がどんな思いでこのベトナムへ来たのかも気づかず、
ほんと、無神経で最低だよね、

そんな自分のわだかまりに対して自然と涙がこぼれてた。




......そして、ここで知り合ったたくさんの笑顔にお別れの挨拶しなきゃって思った。




笑顔で「さよなら」しなきゃって。





.....ラムさん、ありがとう (' - ' *)ゞ





本当にこのツアーに参加して良かった。
ラムさんに出会えて良かった。


「アタシモデスヨ。」

ラムさんが自然と僕の震えている手を両手で強く握って
「ガンバッテクダサイ。」と何度も何度も願うように言った。


そして、ベンタイン市場を離れる車の後部座席の窓からは、
いつまでも手を振っているラムさんの姿があった。


ツアーのみんなの顔があった。


そして・・・車の窓ガラスには自然と寂しげな自分の顔が
サイゴンの風景に溶け込んだ。

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