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笑顔が愛おしくて ~ベトナム恋愛奮闘記~ 作者:KON
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少しでも近づきたい。

ビンタイ市場-----

ホーチミンの市内では、ベンタイン市場だが、
ここチョロンではここがメインマーケットだ。

観光スポットとして定着したベンタイン市場に比べて、
比較的に安いが、まとめ買いでしか売らない店も多い。

また、市場内は回廊式になっていて1階、2階と、
通路からはみ出るほど日用品や化粧品・雑貨などが売られている。
また、中庭は広場になっており活気に満ちている。

「ネェ、コッチ..コッチ.........」

.....トゥイ、、歩くの早い、、、


アンドンマーケット-----

チョロンの中心から少し行ったところにある市場。

先ほどのビンタイ市場とは対照的で、近代的建物が目を引く。
入り口そばには大きなエスカレーター、
いまでは、少し古さを感じさせるような市場となってしまったが、
中の売り場はベンタインやビンタイに比べて製品の陳列がしっかり整理されているように思われる。
主に、布製品はここで何でも揃うくらい豊富だ。

「テ、ハナサナイ、、イイデスネ、、マイゴナルネ・・・」

.....大丈夫だよ。


「ホント、デスカ?」

.....観光客じゃないんだよ、はぐれたりしないよ。


「ワタシ、ココ、マーケットデ、ハグレタラ・・ミツケルコト・・デキルネ?」

.....絶対に見つけるよ。


「ホント?」

.....本当だよ。

トゥイはすごく嬉しそうに笑った。

僕たちは、お寺を廻ったあと、
トゥイと、チョロンのマーケット・市場をはしごした。

トゥイは、市場で僕が何に興味があるのか伺っているかのように、
四六時中・・僕の顔を眺めては、僕を引っ張りまわした。

「コレ、スキデスカ?」

「キョウミ・・アル・・・スキ?」

「コレ・・ドウデスカ?」

少し、僕は恥ずかしかった。

.....なんか、買ってくれるの?


「イイデス!」

.....逆だよ。


「・・・・・ン?」

......何かほしいものある?


「・・・・・・・。」

彼女は首を横にふった・・

.....じゃ、同じだ。


いつの間にか夕暮れになった店の外・・・・・
僕たちずっと、汗ばむほどに手を離さないでいた。
生まれてこの方、こんなに長く手をつないだことがなかったかもしれない。

.....トゥイ。


「・・・・・・・・・・!!?」

.....僕さ、ここベトナムではトゥイにどこも案内できなくて、


.....ごめん。

トゥイは笑っていた。
その笑顔を見た僕は、、知らず知らずに
彼女に何かしてあげたいという気持ちであふれていた。

「イエ・・・キテ・・ショクジ・・スル・・イイデスカ?」

......ありがとう..でも、今日は帰るね。


「ドウシテデスカ?」

.....勉強するよ。


「ナニ・・ベンキョウ・・スル。」

.....ベトナム語、トゥイと一緒に勉強してから間が空いたからね、忘れちゃっている。


そう・・・もっと、もっと勉強してトゥイに近づかなければ恥ずかしいのだ。
これだけ日本語を覚えて、僕に近づいてくれているトゥイに恥ずかしい。


「トゥイ・・サイゴンマデ・・オクル、イイデスカ?」

.....カモンニャ(ありがとう)


オレンジ色に染まったサイゴン市内-------

待ち遠しかった時間ときが、あっという間に過ぎ去っていた。

「ツギ、マタアエルネ。」

.....もちろん。


「ソノツギモ・・・・ソノツギモ・・ソシテ、・・・ツギモ!」

それは、僕の台詞だったかもしれない。
いつしか、彼女を本当に愛しくなっていたからだ。

サイゴンの街灯りに照らされた彼女・・・
そこには、いつ日か少女から大人になったトゥイがいた。

僕はさらに、トゥイの手を強く握った。
そして、彼女の笑顔を後に寮へと戻った。


ベトナム寮・・・・・
リビングには、課長がビデオを見ながらビールを飲んでいる。

.....ただいま。

「おう、後藤、早いお帰りだな。」

.....うん、こっちへ戻ってから部屋も片付けてないし、
それに、ほかにもやりたいことが山積みなんだ。


------数ヶ月の間、滞在していた本谷さんが日本へと戻ったため、
僕が滞在していたホテルから、また寮へと移り戻ったのだ。


「飯は・・・・?」

.....まだ。


「たまに日本食でも食いに行くか?」

.....おごりですか?


「あぁ、おごるぞ。」

.....課長がおごるなんて、スコールが降るんじゃ。


「そうか・・・・?」

......そうだよ、めずらしいもん。


「・・・・・いろいろ聞きたいことあるしな・・それに・・・」

.....それに?.......なんすか?


「いや、食事しながら話すか。」

課長は何か言いたそうに話しかけて、立ち上がり、タクシーを呼び出した。



日本食レストラン-----

「イラッシャイマセー!!」

レタイントン通りには、いくつもの日本食レストランが建ち並んでいる。
その通りにある一軒の日本食堂に、タクシーを止め・・
僕たちは入った。

「いい雰囲気だろ、最近出来たばかりの店だ。」

真っ白なアオザイを着た店員がおしぼりとお茶を運んできた。

「ここの店員はかわいい子が多いだろ!」

.....そ、そうですね。


「あの娘と、・・・ほら、あそこの娘、似てるだろう?」

.....えっ、ええ。


「・・・姉妹だよ。」

.....課長、詳しいっすね、、ここへはよく来るんですか?


「最近な、料理の質より店員の質かな~」

.....課、課長!!?


「それよりどうだ?・・トゥイちゃんとは?」

.....うん。


「うん、じゃわからんぞ。・・・うまくやっているのか?」

.....うまくって・・・どういうことですか?


「ま、そういゆことだ。」

.....課長には感謝しているんだ。


「・・・・・」

.....トゥイに出会わせてくれたんだから。


「あの娘は本当にいい子だ。」

.....うん、分かってる。
それより課長、ここに来る前に話しかけたこと、なんですか?


「あ、そのことなんだが・・・」

.....ん?


「昨日の深夜、工場長が日本へと向かっただろう。」

.....定例の幹部会に主席するためなんでしょ?


「そう、それで議題が今度、こっち(ホーチミン)で新事業を立ち上げることだよ。」

......そうなんですか?


「工場や規模も大きくし、現地採用も今の倍以上・・採用するらしい。」

.....初めて聞きました!!?


「それに伴い、日本での協力工場にしばらく出向してもらいたいらしいんだ。」

.....課長が、.....ですか?


「ち、違う・・・わしは、もう年だからね、後藤、おまえが行くんだよ。」

.....え?


「今日、日本へ行っている工場長から電話があった。」

.....?!!?。


「ほぼ確定だ。」

.....に、日本へ戻る?.....いつ...いつまでですか?


「それは、2,3年いや、分からんが・・・・・・」

.....そんなに。


「すまない!」

.....え?...な、なんで?

課長が、僕に言いたいことは分かっていた。
でも、聞かずにいられなかった。

外は、店内に響くほどの激しいスコールとなっていた。
それは、今の僕の感情を表すかのように・・・・・

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