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笑顔が愛おしくて ~ベトナム恋愛奮闘記~ 作者:KON
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それから・・交換日記

皆さん、ちょとお久しぶりです。

後藤君です(^^ゞ


ここベトナムのサイゴンでは、季節感をあまり感じることなく、
気がつけば滞在して、一年が過ぎ去ろうとしています。

何たって、日本と比べたら一年中~暑い(^_^;)

だからって、仕事に手を抜くことは出来ません。

ここで働く労働者には、
日本の夏休みのような大型連休がないのだから・・・・・

大型連休といえば、こないだのテト(旧正月)の連休に、
日本人スタッフのみんなと、フーコック島まで行ってきました。

フーコック島は、ベトナムの調味料ヌォックマムの産地でも有名なタイ湾に浮かぶ大きな島。

そのフーコック島で、思いっきり体と・・・

そして、心を休める事ができました。


またホーチミンとは違って・・・
心地良い潮風、自然をたっぷり感じ取ることもできた。

それにテトの中、お休みにも関わらず物作りに励む職人の人々や、
屈託なく無邪気に遊び回る子供たちの姿を見ていると、
ここ(ベトナム)に来ている目的を失いつつある自分が恥ずかしいと思えた。

だからこそ、フーコック島の旅行からホーチミンに戻ると、
また違った価値観を持って、仕事に励むことが出来たんだと思う。

僕が今まで覚えてきた技術を、
このファクトリーのみんなに、早く習得してもらい、
この工場から出荷される製品が、
メイド・イン・ジャパンに負けないくらいの品質にしなくてはいけないんだ。

Made in Vietnam でもMade in Japanで無きゃダメなんです。

でなきゃ、僕がここにいる意味がありません。


ベトナム・ホーチミン工場-

「ミスターゴトウ、・・コレ、ココ・・オイテ、オキマスネ。」
タムさんである。

帰り際に毎日、僕のデスクにノートを置いていくのである。
略して、デス・ノート、、、なわけないけどね。


「オサキニ、シツレイシマス!」


.....タン、ビェッ(さようなら).....バ~イ

「ミスターゴトウ、、タン、ビェッ(さよなら)ハ、ナンカ、アエナイ、サヨナラミタイダカラ、チャオ、デ・・・イイデス!」

タムさんと仕事をして一年・・・・・・

彼女の方は、驚くくらいに日本語がうまくなっていた。
別に学校へ行っているわけでもなく、
自己流で勉強して覚えているのだ。
無論、大卒のタムさんは英語は達者である。

天性に備わった知性だろう。

「最近、益々きれいになってきたと思わないか?」

.....課長。


「今日、台湾からお客がお見えになったときに、タムさんのアオザイ姿に美しいと褒めていたよ。」

.....そうですね。


「恋でもしてるのかな?」

.....さぁ?


「それよりいつも気になることがあるんだけど・・」

.....??


「そのノートにどんなことが書いてあるんだ?」

.....ん。

そう、このノートは、タムさんと僕との交換日記のようなものだ。
ノートの中の文字はすべて英語である。

僕も毎日の出来事を、英語で書き込んでいる。

つまりこれは、英語が苦手な僕自身のため・・・と、
僕に英語の実力をつけさせるために、タムさんが発案したのだ。

なんでもいいから、毎日の出来事を英語で書いて交換しましょうと、
いうことで・・・

むろん、他に週に二回は日本人スタッフみんなと、英会話を習い始めた。
講師は、ベトナムで警備会社をしているイギリス人の男性教師だ。

日本で、少しNOVAの講師をしていた経験を持つ先生なので、
主に会話中心の授業なのだが。

寮で英会話を学び、タムさんから筆記の英語を学び、ワーカーたちからは日常のベトナム会話・・
そして、トゥイからは基礎のベトナム語・・・
なんて恵まれた環境の下にいるんだ。

なのに、なのにどちらも習得に時間がかかっている情けない僕。

なので、恥ずかしい僕のこんなノートを寮の人たちに見せるわけにはいかない。


.....課長、これは僕の恥ずかしい英語の実力が分かってしまうノートですよ。


「後藤の英語力なんかどうでもいいんで、、タムさんが何を書いているかが見たいんだよ・・」

.....あ、そっ。


「当たり前田のクラッカー・・」

.....古!!、なんですか?それ!??!?
ま、主にフットボールのこととか、料理、仕事.....日常の出来事を書いて交換しているだけだよ。


「そうかなぁ?」

....そうです!


見せられるわけがないのである。

タムさんの日常の生活や
好きなフットボール選手、嫌いな食べ物・・・、
笑顔の裏の隠された悩みなど・・・。

その毎日の文面の中には、僕に対する想いの気持ちが伝わってくる内容もあるのだ。
それに対して僕の語学力のない英文力の対応文。

けして、僕はかっこよくはない。
なのに、タムさんにとって僕は憧れの人物となっている。

「ふ~ん」

.....え?..そんな目で僕を見ないでくださいよ.....課長。


「ほんとは、ラブラブな内容なんじゃないの?」

.....交換日記イコールそれって、もう古いです。


「そうかな~・・分かんないからなぁ~」

.................!!


「そうやって、むきになっていることが怪しい!」

.....ちがいます!


「トゥイちゃんだって騙してたんだから・・・」

............(--#)


「あっ、ごめん」

.....いいんです、もう。


「会ってないんだろう・・・・・」

.................。

そう、トゥイとは、会っていない。

課長が、彼女のお姉さんに話してホテルでの出来事の誤解を晴らしたものの、
僕自身、会えないでいる。

なんたって、
日本から彼女が来ていたことをトゥイには話していなくて・・・

結局、騙していたことに間違いはないのだから・・・・・

会いたくないと言ったら嘘になる。

今でも、トゥイのことが気になる。

ここベトナムのサイゴンにいる限り、
明日になっても、明後日になっても・・何日経とうと・・変わらないかもしれない。

このベトナムでの日常の中、トゥイのことは避けては通れない。

同じ空気を吸って、同じ空を見て、同じホーチミンの街にいる以上。

楽しかった出来事だけを思い出して・・
センチになるほどの年齢でもないのだ。

会わないと自分の中で決めた以上、
逆戻りしてはいけない・・・・・

「そうだ、今日寮の夕食をキャンセルして飯でも行くか?」

.....どこ?

「宮廷料理。」

.....え?

「トゥイちゃんのとこのレストランだ。」

.....はぁ?

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