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笑顔が愛おしくて ~ベトナム恋愛奮闘記~ 作者:KON
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メコン川は僕の心の色

中州のタイソン島の果樹園ー。

僕たちはもぎたてのフルーツを前にして、果樹園の休憩所で休んでいる。
日本では、ゴールデンウィークってこともあって、
ほかのテーブルにも、日本の観光客たちが目立つ。

「オイシイデスカ?」
今回の僕たちのツアーをガイドしてくれている女性のラムさんが言った。

「ゴン・・ゴンよ!、、とてもおいしいのでゾッゴンね、!!?」

.....?!??!?!*。

彼女が昨日、僕が教えたベトナム語を口にしたので少し笑えた。
ガイドのラムさんも笑っている。

ラムさんとは、ここに来るまでのバスの中でもベトナム語で会話をしたので、
よけいに親しみを持って、僕たちに話しかけてくるのである。

「ゴトウサン・・アナタ、ベトナムゴ・タクサンハナセマスカラ・・ココデ、・・
ニホンゴ・・オシエルセンセイ・・ドウデスカ?」

.....それ、いいねぇ~
もちろん本心からではないが・・・・・。


「私もそれを一緒に、ミトーどけたい。」

.....ミトーで、見届けたい?・・何言ってるんだ。
彼女がリュウガンを口にしながら、オヤジしか言わないようなシャレの連打。

.....なんか日本であった?・・おかしいよ。
僕は彼女に言った。


「わぁ~かわいい!!」
僕らが休んでいるテーブルの前には、現地のかわいい子供たちが歌を披露してくれていた。

.....話、聞いてるの?


「なんか言った?」

子供たちの写真を撮るのに夢中である。

.................................!!


「ゴトウサンノ、カノジョモ・・カワイイデスネ。」
ガイドのラムさんが言った。

しかしこのミトーでは、腕時計を見ることがないほど時を忘れてしまう。
果樹園、ココナッツキャンディ、ニッパヤシの森の中をかきわけて渡る手漕ぎボートでのジャングルクルーズ・・・・・・

「ねぇ~ここがベトナムなの・・それとも、私たちが泊まっている街がベトナムなの?」

「ドチラモ・・ベトナムデスヨ。」
・・・と、ガイドのラムさん。

たしかにどちらもベトナムだ。

ジャングルクルーズの先に広がる広大なメコンを・・
もう一度、目の前にして、僕もそう思った。

「やっぱり、ユリにもここ見せたかったなぁ・・」

.....そういえば、友達のユリちゃんのこと心配だね。


「ユリ、今頃・・ショッピングを楽しんでると思う・・」

.....え?.....ホテルで寝てるんじゃ?


「私たちに気を遣って、嘘をついてる・・・・」

.....何でそんなこと分かるの?


「ユリとは、親友よ・・・だいたいは分かるわ。」

.....えっ?、、ほんと!?


「それより、なんで私より先に歩くの?」

.....え?


「置いていかれるみたいでやだなぁ~」

.....んなことないよ。


「そうかなぁ~」

.....そうだよ。


「じゃ、さっき果樹園で口ずさんでいた歌は・・なに?」

.....どうして?


「聴いたことがない歌だから・・・ベトナムの歌?」

.....いいや?


「洋楽?・・・マー君洋楽なんて聴かなかったよね?」

....そ、そんなことないよ。


「だって、ミスチル、サザンばかり聴いているじゃない・・・」

.....こっちにきて・・


「聴くようになったんだぁ~・・・変わったんだぁ~・・・」


すると、横からガイドのラムさんが・・・・・・

「マイケル・ラーンズ・トゥ・ロック!」

.....ラムさん!


「ペイント・マイ・ラブ・・ワタシモ・・スキナウタ。」

・・・・・

「ペイント・マイ・ラブ!?!?」

「アシタ・・・・CDヲ、プレゼントシテアゲル。」

「ほんと!・・・・わたしに・・・・」

「ハイ!」

.....よ、よかってね、、、、あ、はは、、、、。


そしてホーチミン市内に向けて、帰りのバスの中ー。

行きの車中バスとは違って、静寂していた。
車中から見る単調な風景とバスのほどよい揺れが眠気を誘っているからだ。
やはり、疲れたのだろう・・・・・・・熟睡している。

僕の隣にも、ぐっすりと熟睡している彼女が車中の窓にも映る。
昼食最中にも、エレファントフィッシュを目の前にビール片手に、
テンションを常にあげていたからだろう。

「マー君・・・・・・ムニャ・・」

......ん?......ねごと?

「スゴク、キモチヨサソウ、ネテマスネ。」
ガイドのラムさんが静かに話しかけてきた。

....うん。


「ユメノ・・ナカデモ、ゴトウサン・・デテキテマスネ・・」

.....そうかなぁ~


「マイニチ、アンシンシテ、ネラレル・・シアワセニシテ、クダサイネ。」

.....そ、そうだよね、ラムさんは幸せですか?


「コウシテ、マイニチ・・ニホンノカタト、セッシテイラレル・・シアワセデス。」

そういえば行きのバスの中で、ラムさんの旦那は日本人だと話してくれた。
だから日本語も堪能なのだ。
今は仕事で日本に戻っていると、旦那の写真を見せてもらいながら明るく答えていたっけ。

「ミトーヘ・・ムカウトチュウ・・ホカノ、ツアーバスガ、タチオウジョウ・・シテイタデスネ、
・・・・・ソノトキノ、ダンセイノガイドサン・・オボエテル?」

そう、それは行きのミトーへ向けて走っている僕たちのツアーバスの前に、
立ち往生しているバスがあったのだ。
車のトラブルに巻き込まれて止まっている小さなツアーバスだ。
そのバスの男性ガイドさんが手を降って僕たちのバスを止めて、
7人ぐらい乗り込んでいる観光客を僕たちのバスに乗せて欲しいと頼み込んでいたガイドである。

.....そのガイドさんがどうしたの?


「モト・・・コイビトデスネ。」

.....え?


「ワタシ、カレ、コイビトオモッテタ、、デモ、カレ、ホカニ、スキヒト、、イマシタネ。」

それ以上・・・ラムさんは何も語らなかった。
僕もそれ以上・・・何も聞こうとはしなかった。

「トコロデ・・ドシテ・・キス・シナカッタデスカ?」

....え?.....なに?.....聞いてた?..ミトーでの船上でのやりとり!??


「ベトナムニ・・ガールフレンドイマスカ?」

.....はぁ?


「ゴトウサント、ハナシテイテ・・ナントナクワカリマス・・ベトナムゴ、ジョウズダシ、イルデショ?」

....................!!


「ダカラ、キス、、、シナイ、デスカ?」

・・・・・・・・・
苦笑いして答えた。

そして、ホテルに到着した帰り際に、
僕の耳元で囁いたラムさん(ガイド)の一言が胸に響いた。

「ホントノ・・アオイトリ・・・ニガサナイ、クダサイネ。」

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