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笑顔が愛おしくて ~ベトナム恋愛奮闘記~ 作者:KON
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恋はビリヤードのように・・

彼女が日本から来た翌日の朝。

「What is the matter? ・・Mr,Gotou・・・・・」(どうしたの?)

.....え?

「The ball is not valid.」 (ボールが生きていない、、)

早朝、滞在中のホテル・・・
誰もいないホテル内のプールバーで、ひとりビリヤードの玉を転がしていると、
そこのプールバーで働いているウエイトレスが声をかけてきた。

「Shall I act as the partner of a game? 」(ゲームのお相手をしましょうか?)

.....ノー、NO,.....NO,THANK YOU、シン、ロイ。


「・・・・・・?!」

.....ん?、、それより、出勤、いつもより早くない?.....Early attendance?(早出?)


「Today、A marriage ceremony is held in this hotel .」(今日、このホテルで結婚式が行われるの)

.....ふ~ん、それで、、It came for the help. (お手伝いに・・)


結婚か~


「Don't you get married? Mr,Gotou、、」(あなたは結婚しないのですか?)

.....あ、は。は。
笑ってごまかした。


もし、ここベトナムに来ていなかったら、
どうだろう、、日本の彼女とそうなっていたのかな。

しかし、今は、そんな事を考える余裕もない。
それでも、自然に昨日の彼女の笑顔と、トゥイの笑顔を思い描いて比べている自分がいるのだ。

そう、それはこのビリヤードのように、
狙いを定めた玉を打ち込んで、もう一つの玉を落とさなきゃ、
ここ(ベトナム)へ来たことで、その狙いが定まらなく、空振り続けているわけにもいかないんだ。

こんなことを考えながら、ウエイトレスが誘ってくれたゲーム(ビリヤード)に勝てるわけがない。
ハスラーのようにかっこよく決められない僕がそこにいるのだ。


そして、このビリヤード台横にある朝食と一緒なんじゃ・・
いつもこのホテルでは、ハムエッグにトーストなのにたまにフォーを食べたくなる。

僕は、トゥイに会えば会うほど心をもてあそんでいるんじゃなかろうか?
そしたら、僕は課長や部長より女性に対して無神経じゃなかろうか・・・


僕は、朝食を終え滞在しているホテルから少し外に出て歩いた。
このサイゴンの風に誘われるように・・・

日曜日、僕はどこへ歩いているんだ。

この周囲のバイクや車のクラクションも
耳に入ってこないほど、、結論も出せないのに。

行き先も見えないまま・・・

久々に昨夜、彼女のあんな風な笑顔を見て、心が動揺しているんだ。


「Mr,Gotou・・?」

.....ん?

あてもなく行き交うバイクの道路脇を歩いていると、
見慣れたスクーターに
サングラスをかけた洒落た格好の女性が話しかけてきた。

「ミスターゴトウ、、オ・ハ・ヨ・ウ・ゴザイマス。」

トゥイのお姉さんだ。

.....あっ!、、お、おはよう、、ディー、ダウ?(どこへ行くんですか?)


「ホン・ハー、ネ。」

うちの寮?

僕に会いに?


なんでも、トゥイが具合いが悪くで寝込んでいることを告げに、
この僕に用があったらしい・・・・

きっと行き違いでホテルにも立ち寄ったのかな・・

「アエテヨカッタネ、、コレ・・トゥイカラ・・アズカッテタ・・・。」

それは、トゥイからの手紙・・・・・

そこには、今日のカフェでの勉強へ行けない文面が書かれていた。
それは、日本語でとても弱々しく・・・・・・

そういえば、この前会ったとき、眉の間が赤くなってた。
体調不良や頭痛などの症状を和らげるための民間療法をやった証拠なのだ。
以前にタムさんにやってもらったことがある。
両手の人差し指と中指の第二関節をつかって、眉の間のこめかみを何十回とつねるのだ。
それからハッカ油を頭や首筋に垂らしてマッサージをする。

.....I want to go to meet her.

僕は、お姉さんにトゥイに会いたいことを話すと、
Dung lo lang.・・(心配しないで・・・)と、切り出された。

なぜか今の僕は、無性にトゥイに会いたい気持ちが募る。
このベトナムに日本から彼女が来ているというのに、

最低でも何でもいい、
とても、とても、トゥイの笑顔が見たかった。

僕が行くことで、どうにもなることでもないのに。

そう・・・・・、

いつも明るく笑っているトゥイしか見たことがないからこそ、
苦しい表情のトゥイの顔を想像できないからこそ、

そばにいてあげたかった。

一瞬でも近くにいるトゥイが、遠く感じはじめる前に・・

会いたい。

このとき僕は、
今夜のサイゴン川クルーズの約束を忘れていた。

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