挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
笑顔が愛おしくて ~ベトナム恋愛奮闘記~ 作者:KON
44/73

100万ドンの夜景

.....どぉ?、、本場のは?、、うまいだろ!!


「うん、、ねぇ~?、おいしいってベトナム語でなんて言うの?」

.....ゴンって言うんだよ。


「ふ~ん、ゴン、、ね、、これでここに来て二つ覚えたわ。」

.....ん?

「そうね。」
と、彼女の友達もうなずく。

「挨拶は、シンチャオ、そして、おいしいはゴン・・・・・」

.....そう、、ちょっと、発音に難があるけどね。


「・・・・・・・。」

.....ん?


「・・・・・・・。」

.....な、なんか言ってよ。


「ゴンだけに、おいしいから食べている間は、ムゴンになちゃうの。」

......は?、、無言って。

「そりゃぁ、そりゃぁ、、無言になるよ。」
彼女の友達が笑いながら言った。

僕は彼女の前で、久々に笑った気がした。

そう、僕たちは、ルネッサンス・リバーサイドからタクシーで少し行ったとこにある
「Nha Hang Ngon」っていうベトナム全土の庶民的なベトナム料理が堪能できるお店にいる。

「ねぇ、じゃ、ここの店名、ニャーハン・ゴンのゴンはおいしいってことなの?」

.....そうだよ、ニャーハンは、レストランって意味、ゴンはおいしいって意味。


「じゃ、、〝レストランおいしい″ってこと???」

.....ベトナムでは逆で、〝おいしいレストラン″ってこと。


「おいしいレストランって、、そのまんまじゃない!?」

.....そうだよ、そのまんま!、、おいしいレストランじゃないの?


「そ、そうだね、、これも、それもおいしい。」

予告もなく現れた彼女、そして一緒にきた友達も
きれいに盛りつけされたエビやチャーゾーを口に含みながら
このおいしいベトナム料理を楽しんでいるのだ。

これは、夢ではないのだ。

ここはベトナム・ホーチミン。

現実に僕の前には、彼女がいる。

さらに・・・・・・
一ヶ月半前に一時帰国で会った彼女とは、まるで別人のように僕に話しかけてくる。

それは、自然に・・・
僕も、素直に笑みがこぼれる。
何か忘れかけたものを呼び戻すかのように・・・・・・

「前に、マー君言ってたよね?」

.....なに?


「ここの空気が食べ物をおいしくさせるって・・」

......そうだっけ?


「なんか、分かるような気がするなぁ~」

.....ほんと?


「うん、でも良かった、、勇気出して会いに来て・・・・」

.....え?


「やっぱり、待ち続けるって・・・つらいなって、、」

......。

何か日本であったんかぁ~・・・



「あ~なんか、あついなぁ~。」
僕たちの会話を聞いてた彼女の友達が口にした。

「そんなにあつい?・・ベトナムは暑いって聞いてたけど、今、そんなに暑く感じないけど・・・」

「その暑さじゃなくて・・お熱いってこと・・・!」

・・・・・・!?!?!!


.....それより、明日の予定はど~なってんだ?


「確か、市内観光だったよね。」

.....そう、市内観光かぁ~


「なんなら一緒に回りませんか?、、私、、お二人の邪魔にならない程度に観光しますから、」
・・・彼女の友達が言った。

「そうよ、一緒に市内観光に行きましょうよ、、」

.....い、いいや、、


「いいじゃない?・・ガイドさんには私たちから話しといておくから・・・ねぇ?」

「だって明日は、日曜日で会社お休みなんでしょ?」

.....今更、市内観光っていわれても、、、


そういえば、このベトナムに来て、旧大統領官邸や、戦争犯罪博物館、ほーおじさん記念館
一度も、中を見学したことがなかった。

その前の通りは何回も通るってゆうか、バイクの後ろに乗って走ったりしてるけど・・・・
僕が歩いた市内観光と言えば、公園や、神社、カラオケ、市場、学校・・・・・

なんか、恥ずかしい・・・・・

.....ごめん。

そう、そうなのだ。
毎週、日曜日にはトゥイと会っているのだ。

そんなこと、この場で言えるわけがない、、、
ある意味、戦争の記憶が薄れているこの国に、新たな戦争が訪れるやもしれないのだ。


.....ごめんね、そのかわり!明日の夜は、僕がサイゴン川クルーズのディナーに招待するよ。


「サイゴン川クルーズ・・・」

.....船上からホーチミンの夜景を楽しみながらのディナーだよ。


「素敵ね。」

「ほんと、楽しみだわ・・・」

.....香港の夜景には及ばないけど、100万ドンの夜景だよ!


「100万ドンって、いくらかしら??」

「わたしより価値があるわよね?」

.....あ、い、いや...どこの国の夜景にもかなわないんじゃないか?


「やっぱ、あつくない?」
彼女の友達が言った。

そして僕たち三人の笑い声が、このベトナム料理のようにホーチミンの夜に彩りを添えた。
そこには、一ヶ月半前に日本で会っていた彼女とは別人の彼女がいた。

+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ