挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
笑顔が愛おしくて ~ベトナム恋愛奮闘記~ 作者:KON
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

41/73

花より仕事

ふつうの若い社員なら、当たり前につぶやくことがある。

〝早く帰りたい。″

日本で働く若い世代の製造業の社員なら、
絶対にそんなことをつぶやくことがあるに違いない。

しかし、このベトナムの工場では、
日本で仕事をしているときよりも、明らかに仕事にやりがいがあるのだ。

・・・こんなこと、日本で働いているときには決して思いもしなかった。

仕事が楽しいのだ。
だから、すぐ時間だけが過ぎてく。

みんなの働く姿、笑顔・・・
ホーチミン市内と同じ活気がここ(工場)にある。
工場で働く社員みんなの雰囲気が、僕をそういった感覚を持たせてくれるのだろう。

不思議だ。


トゥイとの思いや、

彼女との遠距離恋愛・・・

ここでは、そんなことを考えている間を与えてくれない。
それだけ、仕事に没頭していられた。

一緒に働いているワーカーやみんなのことで、いっぱいになれたのだ。


現地のワーカー、エンジニアたちと一緒になって物作りをしているのだから、
当たり前のことだ。

工場にいる間は、紛れもなく後藤なのだ。
エンジニアやワーカーから信頼される後藤なのだ。


「後藤!」

.....工場長。


「どーだ?、ちょっと仕事を抜けられるか?」

.....いえ、は、はい!!
工場長の命令は絶対なのだ。

「後藤が、空港で没収されたDVDソフトを取り戻しに行ってこんか・・・・・」

.....あ、あれ、.....もう、どうでもいいんです。


「どーでもいいわけないじゃないか!」

.....え?


「寮のみんなが、後藤が日本から持ってくる最新DVDを楽しみに待っていたんだからな。」

......はぁ?


「総務のタムさんと一緒に行くといい・・・・・」

.....い、いや、じゃ、ひとりで、


「ひとりで、取り戻せに行けるのか?」

......あ、いや.....む、無理かな?
工場長の気配りであった。

みんなが昼食をとり、
工場内の通路で休憩(昼寝)をしている際にも、
僕は一人、昼食も休憩もとらずに仕事をしていたからだ。

なんたって、僕の帰国と同時に運ばれてきた新しい設備の設置に、
昼食も取らずに奮闘していたから工場長が気を配ったのだ。

「もう、タムさんを工場の前で待たせているんだからな。」

その工場長の口調は僕に、「少し外の空気を吸ってこい!」と言わんばかりだった。

.....でも、工場長。


「なんだ?」

.....今、会社のバンやクラウンの両方の車が出向いていて足がないんじゃないですか?


「誰が、車を使えと言った?」

.....えっ。


「ほら、ほら、雨が降らないうちに言ってこんか!」

工場の外は、どんより曇っていたが、
やはり外の空気は気持ちいい。

なんたって、工場があるここタントアン区域には、
バイクの騒音が耳に飛び込んでこないからだ。

とても穏やかで静かなベトナムなのだ。


「Mr,Gotou!、ハヤクシテクダサイ・・」

.....タ、タムさん!?

工場の外には、タムさんが通勤で使用しているあの自慢のバイク、

ドリームⅡで待っていた。

+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ