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笑顔が愛おしくて ~ベトナム恋愛奮闘記~ 作者:KON
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遠距離の行方

それは、あっという間の十日間だった。

事実、ほんとに日本で体を休めたのは二日ぐらいだろう。
本社に寄っての、ベトナムでの仕事の経過報告。
展示会・・・新しい設備導入の実習と、

結局、二日間温泉へ行った以外の滞在期間・・・お仕事なのだ。
いや、むしろ僕自身仕事に接していないと不安なのであるが。

逆に彼女のことを考える時間があると、
不安を感じるからである。

たった、半年の間・・会わなかっただけで、

ある意味・・

ベトナム・ホーチミンより遠い距離を感じてしまったようだ。

どうしてだろう・・・

後ろめたさがあるのだろうか?


・・・・・・・

彼女との時間をあんなに待ち続けていたのに・・


ちゃんと向かい合って会話することができなかった。

彼女と会ったことが、

かえって後悔となってしまった。

だめだめだなぁ・・・俺。



日本を離れる日・・・

成田空港で・・


彼女の姿はなかった。


もちろん平日だし、

彼女からは、会社の仕事が忙しいので見送りはできない、
と、聞いて分かっていたけど・・・・・

それでも、

僕は、出国ロビーへ入るまで・・
もしや、・・と思い

あたりをキョロキョロして、
彼女の姿を探していた。


それは、明らかに半年前と違う思いで乗り込む、
ベトナム行きの飛行機だった。


「お客さん、・・・・・」

スチュワーデスに体を揺すられ起こされた。
かなり熟睡していたのだろう。

「シートを戻してください、もうすぐホーチミンですよ。」
それは、とても優しい声だった。

機内の窓の外の方へ目をやると、もうそこには、
ちらほらホーチミンの明かりが見え始めていた。

・・・・・また日本を遠く離れちゃったなぁ~

その思いは、彼女への思いと重なる。


タン・ソン・ニャット空港ー

機内から出ると、どことなく懐かしささえ感じる空気が僕を包み込んだ。
こんな風に感じるとは夢にも思わなかった。

長く待った入国審査を終え、
手荷物を取り、税関へと向かった。

「Open your suitcase,please.」

何事もなく、入国できると思ったが、
手荷物のスーツケースがX線で引っかかってしまった。

日本から持ってきたDVDソフトだ。
何か書かれた用紙と交換にDVD3本は没収されてしまったのだ。

ダビングがまずかったかな、、、
せっかく、みんなのために最新の洋画をダビングしてきたのに・・・

しかし、入国での嫌な思いをしたことや
機内でのいろんな不安を忘れ去るほどの出来事が、

空港の出口で、僕を待っていたのだ。

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