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笑顔が愛おしくて ~ベトナム恋愛奮闘記~ 作者:KON
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もう一つの笑顔

なんて、静かな国の朝なんだろう。

いまこうして・・・・・
日本に 到着しての第一印象だった。

もちろん、早朝に成田に到着したので、
とくに、そう思ったのかもしれない。

機内の中ではずっと、これから会う彼女のことよりトゥイのことを考えていた。

最低だな・・・俺。

帰国する前夜・・・・・

僕たちは、ホーチミンが一望できるリバーサイト近くの高層ビルのカフェにいた。
この高層ビルのカフェは部長に教えてもらった場所だ。

それは、最上階・・・

「コンナ、タカイトコカラ・・ミル・・ワタシノマチ・・ハジメテ・・」


僕も初めてだよ。・・・と、
言葉にはしなかったが、
ぼくは、この夜景の窓ガラスに映るトゥイの顔をずっと眺めていた。

その笑顔はホーチミンの夜景よりも、
はるかに輝いていた。

「ニホンノヒト・・コンナタカイトコ・・カラ・・・ワタシタチミテルカナ・・」

トゥイの言った意味ありげな言葉に、とまどった。
その言葉の意味を考えると、胸が詰まる。

こんな場所につれてくるべきではなかったのかもしれない。
今まで通り、トゥイの目線で映る場所にするべきだった・・・・・・。

でも、初めて僕がトゥイの手を取り、連れてきたかったのだ。

ほんの半年間で、このホーチミンという街を好きにさせてくれた。
この活気づいた街を楽しませてくれた。

そして、この場所で人と出会うことの素晴らしさを教えてくれたのだ。

トゥイとの出会いが、僕をそういう気持ちにさせてくれたに違いないのだから。
だからこそ、ホーチミンの街を一望できる場所に連れてきたかった。

「アシタニホン・・・マタ、アエルネ・・・」

.....オンリー......10 days !・・だよ。


「ソ、ソウデスネ!」

トゥイの一つ一つのぎこちない言葉(日本語)が、
妹のようにしか思えなかった感情の
どこか他を、くすぐらすのだ。

そして・・・・・・・
その言葉とともに、その笑顔が僕の中で自然と瞼の奥に焼き付きはじめる。


「まもなく機内は、成田空港へと・・」

機内のアナウンスが流れ始めた。


成田空港・・・・・・


空港に到着して、急に寒さを感じ始めた。

半年前は、この場所に一日でも早く戻りたかった場所。
そして、とても帰りたかった場所。

その場所のもう一つが、到着ロビーの向こう側で目に入った。


「おつかれさま。」

.....うん。
そこには、半年ぶりに会う彼女の笑顔があった。


「焼けたね。」

.....そう?


「向こうは、暑いんでしょ?」

.....サイゴンにね。(最高にね)


「・・・・・・・時差ぼけ?」

たしかに、時差ぼけかもしれない・・・・・。

ただ、・・・・・・・・
出迎えてくれた彼女の前で、
ありがとう・・という言葉が
なぜか、でなかった。

「これから、ウチに寄っていかない?・・・あっ、ちょっと・・・」
彼女の携帯(電話)が鳴ったのである。

「あっ・・もしもし・・・わたし・・・・うん・・いま・・」
...............。

僕はふと思った。
携帯(電話)、変えたんだ。

そして、そこにもう一つの笑顔があった。

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