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笑顔が愛おしくて ~ベトナム恋愛奮闘記~ 作者:KON
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暖かくて冷たい君の手

ダ・ム・セ・ン・・・・・来てしまった。

寮からトゥイのバイクに乗って30分ぐらいだろうか・・・・

ここがダムセン公園だ。

ベトナムのディズニーランドとも言えばいいのかもしれない。
いや、ディズニーランドは言い過ぎである。
遊園地と動物園の複合施設かな?

「ハイ、チケット。」

トゥイにお金を渡して、チケットを買ってきてもらったのである。

.....カム・オン、ニャ。(ありがとう)

しかし、トゥイの日本語の返答を、僕がベトナム語で返しているのである。

おかしなことだ。

「ハヤク・・ハイロ。」

.....そ、そうだね。

完全に主導権はトゥイにある。

ダムセンパークのゲートでチケットを切ってもらい中に入ると

「ヨカッタ・・・」

.....タイ、サオ(なにが?)

「コレ・チケット・・ベトナム・・リョウキンネ。」

どうやら、僕の入場券はベトナム人用らしい。
外国人用はチケットが別で少し高いのだ。
(*現在はそうではない。)

僕がゲートを無事に追加できたってことは、いちようベトナムの人だと思われたってこと?
会社の昼休みに毎日、外で寝ていて黒く焼いた甲斐があったってことだ。

「ネェ・・ドシテ・・ボウシ・・フカイ・カブル?」

.....あぁ。

「モウ・・ゲート・・トオッタ・・ダイジョウブ・・デスネ・」

.....そ、そうだね。

違うことで大丈夫でないのである。

別にやましいことはないが、
こんなとこでタムさん達にでも出会ったら大変なのだ。

中に入ると湖を囲むようにきれいな緑が生い茂っていた。
家族連れやカップルも多く、そして賑やかだ。

「アレ・デスネ。」

トゥイが向かうところには、大きな仮説テントが目に飛び込んでくる。

「ハヤク・・」

どうやら氷の彫刻展らしい。

中に入る前に係員から厚めのコートをかけられる。

テントの中はまさに、氷の世界。

札幌の雪祭りのように、鮮やかな氷の彫刻が
このテント内に順路を通って、あちこちに並んでいた。

そこには、観光名所の統一会堂(旧大統領官邸)や
ホーおじさん記念館までもが氷で再現されてあった。

.....カーム、ライ?(寒い?)

「スコシデスネ。」

そのときトゥイが僕の手を握ってきた。
妹のように思ってたきたトゥイにドキッとした。

「イキ・・シロイ。」

口元から出る白い息とともに、
トゥイの手はとても冷えていた。

「ミスターゴトウ・・テ・・アタタカイ・・デスネ。」

どうやらトゥイは、このテント内の温度を想像してなかったのかもしれない。
僕にとっては、まだ日本の冬のほうが寒いと感じるのに。

.....チューン、ター・ディー、コーン・ヴィエン、ディー?(公園に行こうか?)

僕は、ここを出て公園に戻ることを話した。

「ダイジョウブ・・デス。」

いじらしいトゥイに胸が詰まった。
どう見たって、トゥイの体は小刻みに震えているのに・・・

無理しているのは、多分僕に、ここを見せたくて誘ったに違いないからだ。

僕は、トイレに行きたいと言いながらテントの外に出るように促した。

そして、テントを出てコートを脱ぎ、白いTシャツから見える
トゥイの腕には・・

鳥肌が立っていた。

やはりベトナムの人は、
日本の冬のような寒さには順応していないのだろう。

.....ギー?.....How about stopping at that bench for a rest?

ぼくは、湖のほとりにあるベンチで休もうと話した。

「アリガト・・デモ・・・タイジョウブ・・ダイジョウブデスネ。」

そう言うと、トゥイは僕の手を握ったまま公園内を歩き出した。

「トイレ・・ダイジョウブデスカ?」

僕は、トゥイの手を強く握りかえしながら・・・こう答えた。

.....ダイジョウブ、ダイジョウブデスネ。

そして、さらに帽子を深くかぶり園内を歩いた。

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