挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
笑顔が愛おしくて ~ベトナム恋愛奮闘記~ 作者:KON
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

30/73

あいさつ

「後藤!!、、工場長がお呼びだぞ・・・」

.....ん、!?
エンジニアと生産計画について打ち合わせをしてるとこに、
課長の声が割り込んできた。

なんだろう・・・2シフトにするって話かな?
ここ最近、そんな噂も聞くし・・生産計画表見れば、オーダー数量増えてるし~


トン、トン・・・

.....後藤です。.....入ります。


「お、後藤・・・ちょっと、相談したいことがあるんだが・・・・・まぁ、座れ。」

.....はい。


「後藤は、もうベトナムに来て半年ぐらい経つかな。」

.....はい、そのぐらいにはなります。


「そんじゃ、、ベトナム生活は慣れたもんだな。」

.....そ、そんなことないですよ。


「だってもう、週末はよく一人で街(ホーチミン市内)にも出歩いているじゃないか。」

.....一人で出かけているんじゃないこと工場長知ってますよね?


「あ、、トゥイちゃんとカフェで勉強しているんだったな、、」

.....あの~工場長、、また、この僕、何か街でやらかしましたか?


「ん、なんでだ?」

.....なぜか、質問内容が、、、怪しいんで。


「そうじゃないんだが、来週の初めには、われわれの寮に仲間が増えること、知っているか?」

.....技術の本谷さんですか?


「うちの弱い部分、技術強化するために半年間こちらに来てもらうことにしたんだ。」

.....はい、課長から聞いて知っています。


「そこで、どんな問題が生じると思う?」

.....う~ん...当然、寮に開いてる部屋が、ありません。


「そうだな、よく分かったじゃないか。」

.....相談って、部屋を共有することですか?


「2、3日だったらそれでもいいが、半年だぞ。」

.............。


「そこで、後藤が寮近くのミニホテルに移ってもらいたいんだ。」

.....え!?


「半年間だけだ、・・・本谷さんには後藤の部屋を使っててもらおうと思う。・・・どうだ?」

.....あの、夕飯は~


「夕飯は、我々と一緒にこの寮で済ませればいい。」

.....は、はい。わかりました。

「なんせ本元君は、飛行機に乗るのも生まれて初めて、もちろん海外に足を踏み入れたことがない、
それで、いきなり、外国人ばかりのホテルは不安だと思わないか?」

.....は、はい、思います。


「そのとおりだな。」

.....で、.....いつからですか?


「今日からだよ。」

............!!!



そのホテルは、寮からタクシーで5分位だろうか・・・・・

ミニホテルだけにロービーはとっても、こじんまりしていた。

ロビーの向かい側には、食堂とビリヤード台が3台置いてあるプールバーとなっている。

僕を向かい入れたボーイや、レセプションの女性が笑顔を絶やさない。
第一印象は良いホテルだと思った。

「I come out of here and return.」 (じゃ、ここで帰るね。)

.....サンキュ、ミス、タム!


タムさんが色々と、、このホテルでの手続きしてくれたのである。
さすが、総務の星!、ほんと、ベリィ、ベリィ、カム・オン!なのである。

「May this next stay at the room?」(次は、部屋に泊めてね。)

.....はぁ?

そう言うとすぐに、タムさんはホテルを後にした。

ガールフレンド?・・・・・とボーイが言った。

.................!!

ボーイが僕のスーツケースを持つと
四階エレベーターそばの部屋を案内した。



キーを差し込んで部屋のドアを開けた瞬間、僕は騒然とした。

.....な、何..今の?

開けたドアから、差し込む明かりに反応して黒い床一面が、

ざっざっ、、、と、

引きはじめたのである。

真っ黒のじゅうたんが一瞬にして大理石の床に変わったような驚く瞬間であった。
それは、テレビで見た「となりのトトロ」の真っ黒クロスケを思い出す。

ボーイが中に入り、窓のカーテンを開けると
ベトナムのまぶしいほどの夕日が、部屋一面に差し込んでくる。
そこに僕の足元を・・・・・・数匹の・・・・・・

・・・・・ご、ごきぶり!(O_o)!!! 

じゃ、さっきの黒い物体は・・・!?

床一面に群がっていたゴキブリ!!?!?!??

そんな光景を拝めることなんて、まず、日本じゃ一生遭遇しない出来事だよ。
とにもかくにも、とんでもない部屋だった。

.....Please change the room!

チェンジ、ザ、ルーム!.....チェンジ.....ルーム!

僕は、必死にボーイに訴えた。

さすがにボーイも、その部屋には引いたのだろう。

しばらくすると、支配人らしき人が現れて、
三階のスタンダードの部屋を案内してくれた。

さっきよりはVIPといったデラックススイートルームだ。
スィートだけにベットも2つある・・・部屋もかなり広々している。
値段も交渉時の部屋のままでいいという。

これは、素直に喜んでいいのだろうか?・・・・・

とにかく、初めての不安な夜を、いや・・これから半年間・・このホテルでの生活が始まるのである。

僕は、電気を点けたまま、
・・・・・ベットへと潜り込んだ。


「Good Morning !!」

翌朝、部屋を出て食事のために1階のロビーに向かうと、
朝も早くからレセプションの女の子が、気持ちいい笑顔で僕に挨拶を交わした。

もちろん、レセプションの子がまとっている正装はアオザイである。
これから半年間の毎朝、アオザイ女性に出勤時に見送られると思うと、

少し顔が緩む・・・

.....グット、モーニング!
僕も、レセプションの子に、笑顔で挨拶を交わした。

ここベトナムに来て、僕が一番感心したことが元気な笑顔の挨拶だ。
寮のお手伝いの子や会社のワーカーたち、そしてここのホテルの人たち・・・

朝から気持ちよく挨拶を交わしてくる。
つられるようにこちらも元気に挨拶を交わすようになる。
さらに、今日も一日がんばるぞ~!と言う気分にもなる。

改めて、挨拶は、大事だなぁと思う。

日本はどうだろう・・・・・・
無愛想に挨拶を交わしてくる社員がいたり、ひどい時には、挨拶の言葉なく首を、ただ縦に降るだけ。

はるかに日本より貧しいベトナムの人たちのほうが、
とても、とても礼儀正しく、気持ちが裕福なのである。

「Good,Morning!」

ロービー前の食堂には、まだ誰一人としていなかった。
.....一番乗りかな?
食堂のカウンターでコップ磨きしていた従業員の挨拶がやけに
この閑散とした食堂に響いていた。

.....May I have a menu, please?

その従業員が僕にメニューを差し出した。
てゆうか、朝食用のメニューはフォーが、トーストかしか選べないのだ。
専務が泊まってたような、立派なバイキング式でもないんだから。

僕は、トーストを注文すると、
「Coffee or tea?」と笑顔を絶やすことなくたずねてきた。

.....coffee、Please!

でも、僕にとってはとても好印象の青年だ。
隣のカウンターバー前にあるビリヤード台を眺めていると、その青年が

「Billiards are pleasant games. 」

ビリヤードは面白いゲームだから、今度一緒にやりましょうと誘ってきたからだ。

.....The rule of billiards is not known.

ぼくは、ビリヤードのルールも知らないし、やった事すらないと言った。

「It teaches. 」

教えてくれるの?、、ほんと!?
・・・ちょっとうれしかった。

課長や、北沢さんたちがここベトナムで、
仕事以外のこと(英会話やダンス教室)を学んでいるのが、
とてもうらやましかったので・・・彼の「教えてあげるよ」という言葉に感動したのだ。

僕は、大きなスクランブルエッグを口に入れながら、
ここベトナムで映画 ハスラーのトム・クルーズになるまで教えてもらおう・・・と、にやけていた。

「Mr, Gotou・・・・・」

レセプションの子がホテルの前に会社の車が来て待っていることを告げに来た。

.....えっ、もう~こんな時間!!?

ロビーの外からはバンに乗った工場長や課長たちが目に入った。

これからは、バンが寮からこのホテルに寄り、僕を乗せて工場に向かうのである。
慌てて部屋に戻り会社へ行く準備をしてロビーに下りると、レセプションの子が

「イッテラッシャイ!」

と、日本語で僕を見送った。

.....Toi di nhe!(行ってきまーす!)

僕はベトナム語で返した。
彼女は驚いたように笑っていた。

バンに乗り込むと、僕は大きな声で

.....おはようございまーす!

と、みんなに声をかけた。

みんなの声が、つられるようにおはようと跳ね返ってきた。

「朝から元気いいじゃないか・・・」

「後藤、何かいいことでもあったか?」
「さては、あのレセプションの子か・・・・きれいだもんなぁ・・・・・」

「なんで、後藤の周りには、きれいな女の子が寄ってくるんだ?」
みんな、何とでも言ってくれである。

+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ