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笑顔が愛おしくて ~ベトナム恋愛奮闘記~ 作者:KON
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幸せの黄色いタクシー

あ・い・し・て・いる

昔の恋愛映画や、くさい青春ドラマのように、
キャンパスのような砂浜に立つと、
一度はこんな風に大きく、砂浜に文字を刻みたくなるっ事って、

ないですか?

人もまばらな海岸ならば、なおさら大きな声な叫んでみたくなる。

あいしてるよ~!バカヤロ~

、、って。

どうせ、ここはベトナム!
周りは現地の人ばかりで、
日本語の意味なんて分かる人もいないんだし。

・・・・・恥ずかしい言葉も刻めるし、叫べる。

「.......What does it do?」(何してるの?)

あ、・・タ・・タムさん!・・いつからここに~


「.......Whom did you think of and did it write?」(誰のことを書いているの?)

えっ!!・・・・なんで、、・・ト・・トゥイちゃん・・来てたの?


「来ちゃった・・・・・」

・・・・・・・・・・・(O_o)!!!

そこには、成田空港で僕を見送ってくれた彼女がいた。


「.........Mr,Gotou...... Mr,Gotou!!.......」

.....ん?.....ハ、ハイさん?...なんで?!?、お手伝いのハイさんまで!!???!?

........................................

「.......cai gi?」(なに?)

...................................!?

・・・・・ゆ、ゆめ・・・夢!

そ、・・昨日、ブンタウから帰るなり・・すぐに、おなかを壊したんだ。


記憶が・・・あの砂浜で食べたタニシみたいな貝。

それに、ブンタウの海岸近くのレストランで食べた生カキ。

そうだ、僕の体がバスの中で・・急激に反応したんだ。


その後、僕が、帰りのバンをよく止めて・・
そのうえ、トイレとの格闘で、

夕食も食わずに寝ちゃ・・・・・
・・・ってことは・・・


.....バイ・ゾー・ラー、マイ・ゾー?(今何時?)

10時を回っているとお手伝いのハイさんが心配そうに答えてくれた。

.....じゅうじぃぃ~!!

なんて事だ!!!

10時・・もう、寮のみんなは工場に行って仕事している時間じゃないか!!

よって寮には当然、僕とお手伝いのハイさん、ロアンさんの三人だけ。

完璧に寝過ごした!!


しかし、しかし・・ここ(ベトナム)に来て・・ベトナム女性に何回、起こされるんだ!

だから、あんな夢を・・・
気がゆるんでいる証拠だよ!

自分に言い聞かせ説教していた。

一階のリビングに下りると、テーブルの上に工場長のメモ書きと薬が置いてあった。

‘仕事のことは心配しないで、今日は休みなさい’

・・・・・・・・

「.........Mr,Gotou!....Telephone!」

.....僕に、電話?


「お、後藤か、、どうだ調子は?」・・工場長であった。

.....おはようございます、心配かけてすみません、だいじょうぶです。


「こないだの北沢よりは、軽い症状なんで安心したよ。」

.....ほんと、すみません.....これから工場に行きますんで・・


「今日は無理せず休みなさい、・・」

工場長の言葉はやさしかった。


とにかく、今日はお言葉に甘えて休もう。

「Anh co an com sang khong?」(朝ごはん食べますか?)

そう言うとロアンさんがココナッツの実に、ストローをさして持ってきてくれた。

それはポカリスエットのように・・お腹にやさしかった。
やさしいといえば、最近ベトナム女性のやさしさに触れ合うたびに、
彼女のことを・・わすれ・・・・

お腹を壊したり、へんな夢を見たりするのも、きっとバチが当たったんだろうなぁ~

こんな時こそ、彼女へ手紙でも書こうかな・・・

ん?・・・てが・み・・

い・・いけね!

書きかけの彼女への手紙を工場のデスクにおきっぱなしだぞ!

あ、あんな恥ずかしい文章、いや彼女からの写真を誰かに、いや、課長にでも見られたら、、

いいネタだ!

僕は、慌てて部屋に戻り、着替えを・・

「.....Anh di dau?」(どこへ)

.....ゴー・ツゥ・ザ、ファクトリー!

結局、工場へ向かうのであった。

お手伝いのハイさんがキョトンとしていた。

アロー・・ワン、タクシー、プリーズ!・・・

寮のリビングにおいてある電話機の前には
いくつかのタクシー会社の電話番号が大きく書いてある。

・サイゴンタクシー
・エアポートタクシー
・VINA  タクシー

ここHONG HAは、エアポート(空港)に近い寮なのでエアポートタクシーは
電話を使わなくたって寮の外に立っていれば捕まえることができる。

しかし、よく課長が出かけるときにVINAタクシーを利用しているのを見ているので、、
僕も、このときはVINAタクシーに電話してみることにした・・・

課長曰く、VINAタクシーがいちばん良心的な運転手に出会える可能性が大きいという。

タクシー選びは、日本と違って重要なのだ。

寮の外・・・多くのバイクが行きかう道・・・

待っている間にもバイクに乗った兄ちゃんが声をかけてくる。

もちろん、エアポートタクシーも何台か僕の前をゆっくりと、
なにか相づちのようなことをしながら通過してゆく。

---数分するとまもなく、黄色いV・I・N・Aとロゴの入ったタクシーが目に入った。

そのタクシーは、
寮と反対方向の車線から僕を見つけると、
Uターンして寮の前に車を寄せてきた。

「Please・・・・・」

あれ、女性の運転手。

「Where does it go?」

良い運転手そうだな・・あたりかな・・心の中でつぶやいた。

僕は会社の名刺の住所欄を指差して・・・・・

プリーズ・・タントアン・・・・ディス・ファクトリー・・・OK?

すると会社の名刺の住所をしばらく固まったように確認すると

OK!、OK!・・・・・といって料金メーターを上げて車を走らせた。


「Are you a Japanese? 」(日本人ですか?)

.....イエス、ザッツ、ライ.....イズ、ジャパン、ノン?(そうです、・・日本、知ってる?)


「Yes, it knows. .....Honda, Mitsubishi, SONY、、Japanese products are quality. 」
(ええ、本田に三菱、ソニー・・日本製は質がいい)

.....アイ、スィンク、ソォ、バット、ベトナムズ、ア、カントリー、.....ベリィー、ベリィー......
クオリティ、スマイル、フェイス!(でも、ベトナムの人は笑顔の質がいい)

そうなのだ、こればかりは日本にはかなわないかもしれない。

日本でタクシーに乗ったって無愛想なのが多いんじゃないだろうか?
こんなに笑顔で受け入れてくれる運転手が何人いるのだろうか・・・・・・・

会話の中で僕はとてもいいタクシーにめぐり合えたことがうれしかった。

女性だからといって、運転技術だってたいしたものだ。
なんたって、この多くのバイクが密集するホーチミン市内の道を運転できるのだから。

僕でさえ、ここで運転してみてといわれたら足がすくむだろう。

さらに、僕とこうして会話をしながら運転をしているのだ。

タクシーの運転手が女性ということでも
不安はなにもない。
エアコンの効きの悪い狭い車内であっても
不安や不満はないのだ。

年齢を聞くと、僕と年も近く26歳。

娘が一人いて、旦那はバイクの事故で亡くなったと話してくれた・・

工場までの距離のなかで
彼女の人生がこんなにも伺えるとは思わなかった。

.....プリーズ、.....ギブ、ア、.....ネェーム・カード・・・

工場に着くと僕は彼女から名刺をもらった。


VINA TAXI 
℡  811088
XE SO 24*0
MASO'・・・


彼女は名刺の裏に自宅の住所と電話番号も書いてくれていた。

ん~何の意味があるんだろう・・・と、思いきや、

このときから僕は、
どこへ行くにも、このタクシー24*0番を使うことが多くなるのである。
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