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笑顔が愛おしくて ~ベトナム恋愛奮闘記~ 作者:KON
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ドリアン

ホーチミン市内を一歩抜けると、永遠と農村地帯が続く・・・・・・・

今、僕たちは、そのホーチミン市内から一番近い海水浴場、
ブンタウへと会社のバンで向かっているのだ。

途中、課長の「おしっこ!」の一言で、
何度車を止めたことか・・・・・

その中のひとつの休憩場のこと。

「後藤~!・・ちょっと来い、、うまい果物があるぞぉー・・・食べてみないか~!」

.....こ、これって?、、ドリアンですか?

むろん、初めて遭遇した果物である。

ドリアンとは、マレー語の「トゲの果物」からきている。
ベトナムではサウ・リェンと呼ばれているのだ。
もちろん果物の王様だ。

「・・・・・・どうだ?」

みんなが面白そうに僕の顔を覗き込んでいる。
いや、感想を聞きたがっているのだ。

.....ん、、!!??!?×△×、

一口つまんで・・何も言葉が出ないほど・・むせた。
もう、二度と口にすることはないだろう。

.....課長、こ、これやっぱ、、無理です。

工場長曰く、ベトナム産のドリアンは思うほど臭みがないというが、
他の国のドリアンを知らない僕にとっては、そんなことはどうでもいいのだ。

なぜなら、みんなが僕に話しかけるたび、ドリアン独特の臭気が鼻をつまむのである。

ものすごい口臭なのだ!!

さらに、入江課長はビールの中にドリアンを入れて飲んでいるのだから。

胃の中でビールにドリアンが醗酵して、
絶妙にドリアンを2倍・・味わえるらしい。

まともじゃない・・・・・・・・

しかし、まだ、目的地まで先だというのに・・
ここ休憩場で、こんなに、盛り上がちゃって・・いや、できあがっちゃて、

いいのか~

先々が不安だ。

しばらくして・・

僕は早々と一人、その場を離れ、バンのほうへ向かった。

すると、僕たちが乗ってきたバンを洗い出している少年がそこにいた。
運転手のトォンさんがその少年を追い払うのに賢明だ。

そう、われわれのバンを勝手に洗車して金をせびろうとしているのだ。
ここベトナムでは当たり前のような商売なのだ。

「How is feeling?」(気分はどう?)

バンに先に乗り込んで休んでいると、タムさんも乗り込んできて話しかけてきた。

.....き、気分?.....だ、だいじょうぶ.....イッツ、オーケー!

そういえば、知らないうちにタムさんには気を使ってもらっている。

「フカヒレの乾燥焼き、絶品の珍味だったなぁ~」

バンの外から大きな酔っ払いの声、
いや課長の声が聞こえてきた。

「All has come back・・・・・・」(みんなが戻ってきたみたい・・・)

.....そうだね、みんな戻ってきたみたいだね。


「おう、おう、タムさん!席替えか?」
酔っ払いのご搭乗である。

「ダイジョウブデスカ?」
足元がもたついている課長に、タムさんが心配そうに言った。

....タムさん、だいじょぷだよ、いつものことだから。


「あれ?、なんだ~二人・・いいムードじゃない?」

.....あのね~

「Do you like Mr,Gotou?」(後藤がすきですか?)

.....き、北沢さん、何、質問してるんですか?


なぜか、真剣な顔をして北沢さんがタムさんに質問していた。

「・・・qui ・・・nhung・・・yeu don phuong・・・・・」(好き・・・でも・・・片思い)

.....えっ?

「そうか、タムさんは後藤君のことが好きか・・・・・」

それを聞いて、入江課長が赤い顔をして言った。

.....入江課長、いま、なんて彼女タムさん言ったの?
まだベトナム語の分からない僕は、タムさんが言った言葉を聞き返した。


「好きだってよ。」

.....ほんと?


「一つ屋根の下に泊まった仲だものね。」

.....工場長、、それは、、違いますって、、


「かわいい学生のトゥイちゃんと、我が社のアイドル・・タムさん、どっちが本命なんだ!」
課長が、ドリアンの臭気をはき出しながら、僕に寄り添ってきた。

.....本命も何も、日本に彼女がいますって.....もう!


「若いっていいね~」

.....部、部長。


「しゅっぱ~つ!・・・ブンタウ~」

.....みんなこんなにできあがっちゃっていて、ほんとに海水浴するんですか?.....ねぇ、北沢さん。


「・・・・・・・・・・」

なぜか北沢さんに気を遣う僕であった。

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