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笑顔が愛おしくて ~ベトナム恋愛奮闘記~ 作者:KON
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ホンダガール

やはり、重役クラスがいるといないとでは、職場の空気感違うのである。

いま専務が、わがベトナム工場に、
取引先のお客と来て工場を視察しているのだ。

現地のワーカーやエンジニア、そして僕たちまでもが、
いつもより緊迫感を持って仕事に取り組んでいる。

現地のワーカーたちでこそ、ボスと呼んでいて恐れているようにさえ思えた。
それに工場に着くなり、専務が一人の現地のワーカーを即刻、辞めさせたのである。

「まったく、ひどい話だなぁ~」
入江課長である。

僕がベトナムに来たときには、
すぐに中国に飛んで営業統括部で働いている海外慣れした課長だ。
中国と、今はベトナム・・そして日本と忙しく飛び回っている。
平塚課長と同期の先輩だ。

.....あっ、入江課長、いつ・・こっちに着いたんですか?


「ほんの数時間前だよ、寮にも寄らず直、空港から来たんだ・・」

.....お、おつかれさまです。

入江さんは、ベトナムに来る前までは中国の工場に長く滞在していて、
今回、ベトナム工場の立ち上げのためこちらの配属が決まった海外滞在の大先輩でもある。

もち、ベトナム工場にも何回か顔を見せに来ている。

これは余談だが・・・・・・
奥さんは中国の美しい人をもらったと、課長が羨ましそうに話してくれたことがある。

「後藤くんも、聞いたか?」

.....はい。

それは、日本ではありえない話であった。

工場に買い物用の足として買ってあった社用車のカブ(バイク)が、
まだ、十分新しいのに動かなくなっていたからだ。

それもカブ(バイク)を見渡せば一目瞭然、当たり前であった。

カブ(バイク)の部品の所々が、もう10年も使い古した部品にすりかわっていたのだ。

一人のワーカーがそのカブ(バイク)を使って、会社の備品を買いに行くたびに、
各パーツをすり換えていたからなのだ・・・マフラーからタイヤ、エンジン部品までもだ。

.....ものすごくできるワーカーだったんですよ.....みんなから信頼もされてたのに。

「専務にしてみれば、ホンダガールくらいにショックを受けたんだろうね。」

.....な、なんですか?.....そのホンダガールって?

「ベトナムの売春婦だよ。」

.....売春婦。

「若いお姉ちゃんがホンダのバイクに乗って、海外からきた男性観光客などを誘うんだ。」

・・・・・・・・・・


「若くてきれいだからといって、理性の弱みにつけて一緒に着いていったら大変なことになるぞ!」

.....大変なことって.....それと、今回の事件と何の関係が............??


「それが、大関係なんだよ、もしもだよ・・きれいなお姉ちゃんとホテルで厚化粧をしたおばちゃんと入れ変わってたらどうだ、ショックだろ!」

.....も、ものすごい例えですね。


「さらに、お金をぶん取られる、それだけ、ショッキングな事件ってことだ。」

........................!!??


「さっきほど専務の提案で、今後・・定時後に帰社する際、社員、ワーカー、エンジニア全員に持ち物検査を実行するそうだ・・」

.....すこし、やり過ぎじゃ?


「そうか?・・・・・ここ、工場内では日本なんだよ。」

..............。

「彼らのやり方、風習で仕事をしていたんじゃ、いいものはいつまでたってもできないとは思わないか?」

.....そうですね。


「今回の事件は、まだ序曲にしかすぎない、一度許して甘やかすと大変なことになりかねない。」

.....うちで生産した商品までもが持っていかれる、
と言うことですか?

「そういう社員がうちに一人でもいれば、もう何人かは・・いるかもしれんからなぁ~」

このとき、入江課長のいうとおりかもしれないと思った。
その言葉は、長く海外滞在していた入江課長だからこそ、説得力がある。

「そ、そう。・・話は変わるが・・専務が日本へ戻ったあと、次の日曜日には寮のみんなでブンタウへ行こうかと・・工場長と話をしていたんだけど・・・・・・どうかな?」

.....ブンタウ?

「ホーチミンから一番近い海辺だよ・・・ベトナムの江ノ島だ!」

.....ってことはそんなにきれいではない海なんだね。

「するどい・・・・・」

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