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笑顔が愛おしくて ~ベトナム恋愛奮闘記~ 作者:KON
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これって遠距離恋愛!?

僕は、今のこの会社が・・好きである?
いや、この仕事が好きなのかな・・!!?
それとも、会社の忠誠心。
それとも、辞める勇気がなかった。

ここは成田空港第2旅客ターミナル・・・・・

まさか、僕が描く未来予想図に
この場所に立っているなんて夢にも思わなかっただろう。

僕の周りには、本社移動となった先輩、ベトナム行きを断って会社を辞めた同期の友達や社員。
そして彼女が見送りに来ていた。

まるで、二度と日本に帰ってこられない風である。

.....ベトナムへ戦争に行くわけじゃないんだぞ!

僕がベトナム行きを決意したのは中途半端な年齢もあったし、
母が亡くなってから、そう日も経っていない日々の中で、
どこかやり場のない生活を送っていたからもあった。

それに、彼女・・・そう、たったひとつ踏み切れなかったことだった。

ただ、25歳。

異国の地で何かを学ぶには最後の大きなチャンスかもしれないのだ。
それに、この先の自分のためにいろんなことを吸収して、
どこか生活に変化をつけたかった。

日本に残してゆく彼女とは、また会えるという気持ちもあった。

「手紙、メール送るからね。」・・・と彼女。

.....うん。
みんなが見ているなか、照れくさくて、
それ以外言葉が出なかった。

「超~遠距離恋愛の始まりだね。」と、彼女。

僕の荷物の中身はすべて彼女が用意してくれたものだ。

.....じゃ、行ってくるから・・・

彼女と付き合い始めて3年-
その時間ときが一瞬にして、リセットがかかったように・・・

僕は、彼女を背にチェックインカウンターへと向かった。
定番の恋愛ドラマだったら、ここで彼女が追いかけて・・

な、わけないよね。

今日は、まともに彼女の顔を見ていない・・いや、見ることができなかった。

僕が乗る飛行機の759便の搭乗手続きのアナウンスが流れはじめた-


成田からベトナム・ホーチミンまで、6時間ちょっと・・・・・

この先の不安と期待、そして彼女のことを考えるには、短い時間だった。

免税店の前を通りぬけようとすると・・
つい、香水のいい香りに包まれ、足を止めた。

昨夜の彼女との会話の中で・・

「お土産は、出発便の免税店にある香水でいいよ。」

.....香水?、出発前って、、


「ティファニー・トゥルエストね。」

.....お土産って、そんなすぐ帰れるわけじゃないよ、それにベトナム土産が香水って?
アメリカやフランスってわけじゃないんだから。


「私にとっては一緒なの、飛行機に乗って遠い国に行くんだから・・・」

.....うん、分かった...でも、ほんとに、いつ帰国できるかわかんないんだよ。


「きっと、すぐ会えると信じて頼んじゃいけない?!」
「それに、寂しくなったら、その香水を嗅いで私を思い出してくれればいいんじゃないの!」

....................。

そう、日本に戻ってきたときにお土産として彼女に頼まれた香水だ。
香水って賞味期限があるのかな?って思いつつも、
それを買って早く日本へ戻りたいと思う自分がそこにいた。

それは、ベトナム行きを目前として、
心のどこかに、このまま引き返したいという気持ちがあったからだろう。

出発ロビーの大きなウインドウから飛立つ飛行機を眺めながら、
僕は・・こうつぶやいた。

ごめんね、僕の選択・・馬鹿だったね。

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