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笑顔が愛おしくて ~ベトナム恋愛奮闘記~ 作者:KON
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これって、デート? ~ヴァンギエム寺~

これって、デート!!?

そう、僕は、いま・・・
仕事でベトナムに来て間もないというのに、

まだ、会って間もない異国の異性と、
知らない異国の街を走っているのだ。

それは・・考えもしないことだった。

でも、この感触はなんだろう、なぜか・・・とても心地よく、
懐かしく・・そして、心がときめくような緊張感さえ感じる。

昔、大好きだった女の子と、初めてデートしている気さえ感じた。

この知らない遠い街で・・

自然と目の前にいる彼女に・・気持ちが落ち着かないのだ。
それは、時たま見せる彼女の自然で甘えたような笑顔が、
僕をそうさせるのかもしれない。

彼女のほうは、僕をどう感じているのだろう・・・

そんなことを感じながらも、
ただ、促せるまま僕は彼女のバイクの後ろに乗って・・

このヴァンギエム寺に来ていた。

そこはホン・ハーの寮から空港を横切って
市内へ向かう通り(ナムキーコイギア通り)にある。

何でも日本留学から帰国した僧が開いた寺らしい。
その本堂の横には大きな七重の塔が目に入る。

そういえば、工場に向かう途中のバンの窓外からは、
この塔がとても目立って目に入った記憶がある。

境内に入ると大きな長い線香を持った子供たちが、
物売りよろしくといったように歩み寄ってきた。

彼女トゥイちゃんの方はその子供たちを追い払うわけでもなく、
束になってる線香を2束買うと、片方を僕に渡した。

ん?.........と思うまもなく

また違うグループの子供たちが、
今度はさっき買った線香に火をつけるのに、
マッチを持って歩み寄って来たのである。

火をつけるのにもお金を取るのである。

ここでは何でも商売なのだ。

僕には、この子供たちをうざいと感じるのだが、彼女の方はそうでもなさそうだ。

「Come here ! Mr,Gotou・・・・・!」

・・・・・

彼女がなにやら手振り、僕に、「セーム、セーム、、」と、
私と同じことをするようにと伝えているようだった。

ぼくは、彼女の言われるとおりのまねをした。

この先、本堂に入るところで束に持ってる線香のうち数本を大きな香炉に立てて、
中に入った。

そこは日本にある寺の本堂と変わりなく、
どこか不思議な世界だった。

彼女はというと・・・

本堂奥の中央で線香を持って崇拝していた。

僕も彼女のいうとおりに同じように崇拝した。
さらに彼女は左奥に進み、
いくつか列をなしている香炉に線香を一本一本立てていった。
その香炉の上には僧侶らしき肖像の大きな写真が並んでいる。

彼女は何を拝んでいたのだろう・・・・・?

仕事以外でも言葉の通じないもどかしさを痛感した。

本堂を出るとさっきまで深刻そうに拝んでた顔と打って変り、
ふただび甘えたような笑みを浮かべ僕の袖を引っ張る彼女がそこにいた。

.....かわいい。

その笑顔は、思わず抱きしめたくなるほど眩しかった。

・・・カメラ持ってくればよかったかな。

「Shall we go out and have breakfast now !」(朝食を食べに行きましょう!)

.....Breakfast?......イエス!オッケー、オッケー!

そういえば、まだ朝食を食べてなかった。

彼女は預けていたバイクを取ってきてそう言った。

バイクのシート部には殴り書きのような数字が白墨で書かれている。
どうやら駐車券の意味があるらしい。

.....ハゥ、マッ、チ?

線香代やマッチ代、さらにここの駐車券も彼女に払ってもらっていては、
男としてのプライドが許さないのだ。

しかし、
「No,need・・・・・」と言って、
僕が押しつけるお金を、彼女は受け取ろうとしないのだ。

彼女はまだ、学生のはず、

お金を受け取らない行為に、逆に少し不安を感じたが、
ここは、彼女にすべてを甘えさせてもらうことにした。

いや、何もかもがはじめて体験する不思議なデートに、
不安を感じていたのかもしれない。

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