黄昏の館2
翌日。白馬が戻ってきて2日目。
いよいよ・・・ってほどでもねぇけど、今日が例の晩餐会。
なんか・・・わくわくするなぁ♪あの探偵くんが絡むとどうもね。
ってことで、大した準備をするわけでもなく、家を出る。
向かう先は、昨日発見したガソリンスタンド。
ここの店員さんに変装して、彼が来るのを待つ。
オレのハトに取り付けたカメラから映像が入ってきているし、いつでも準備OKなんだけど・・・雨降ってきやがったな。雷も鳴ってるし、なんかイヤな感じだ。
と思っていたら、1台の車。カメラをズームにしてみると、運転席に毛利探偵の姿。
よし、行くか!と、ガソリンスタンドから出て、車の方へ森の中を走り、見つけた。
彼の車。
オレはトランプ銃を取り出し、一発。パシュッと音がしてトランプが1枚飛び出し、車のタイヤを切れ味のよくなっているトランプがかすり、タイヤがパンクする。
さて、オレは戻るか・・・。
ガソリンスタンドに戻って待つこと、10分。彼―――毛利探偵が入ってきた。
「あのぉ・・・すいませんが・・・」
「はい?」と、店員の格好で出迎える。
「車がパンクしちまって・・・。タイヤのスペアあります?」
「えぇ・・・ありますよ・・・」
「そいつぁ〜助かった!この先にある、館に行きたいんだが、何でかパンクしちまって・・・」
「あぁ・・・それなら、きっとコレのせいでしょう・・・」と、トランプ銃を構える。
「あん?・・・お、オマエ・・・!!」
「お休み、毛利探偵・・・」
パシュッと、トランプ銃から即効催眠性のカードが飛び出し、煙が出る。
その際、マスクをつけることを忘れずに。
ドサッと音がして、毛利探偵は眠りの中へ。では、お洋服お借りしますよ、毛利探偵?
服をはいで、ここでもともと働いていたおじさんと一緒にしばって放っておく。
そして、毛利小五郎としてタイヤのスペアを持って車の元へ走る。
車に到着したオレは、手馴れた手つきでタイヤを取替え、車を発進。
・・・あ、オレ、無免許だわ。・・・ま、いいか。
「お前ら、こっちが近道らしいからこっちから行くぞ!」と乗っていた蘭さんと、探偵くんに声をかけ、車は森の中へ。
・・・が、揺れる、揺れる!!ガタンゴトンとそれはそれは揺れる。
「・・・ったく、何が近道だ!あのガソリンスタンドの親父・・・これで間違ってたらタダじゃ済まさねぇぞ!」と、外見は毛利小五郎としてしゃべっているが、内心では、この道は合っていると確信している。
何せ、オレが昨夜通ってんだから・・・。歩きだったけどさ。
と思っていたら、「あ、やっとまともな道に出たみたい!!」と蘭さん。
「でも、近道っていうのは、本当だったみたいだね!」
「ん?」そりゃそうだろ。
「だって、ホラ、あれでしょ?ボク達がこれから行く黄昏の館って・・・」と、後部座席から身を乗り出し、指を指す。
その指の先には・・・確かに屋敷。だが・・・
「黄昏の館っていうより、まるでドラキュラ屋敷だな・・・」と呟く。
雨が降り、雷が鳴っているので、それなりの雰囲気は出ている。
助手席で、「ほ、ホントにいくの・・・?あんなとこ・・・」と怯える蘭さん。
「バーロ!『貴殿の英知をたたえ 我が晩餐に御招待申し上げます』なんて招待状と、200万の小切手もらったら、行くっきゃねぇだろ!」と、あくまで毛利探偵として答える。
「でも、その招待状、差出人のところに何か不気味なこと書いてなかった?」と、蘭さんは尋ねる。
「あぁ・・・『神が見捨てし仔の幻影』とかなんとか・・・」と言いつつ、バックミラーで探偵くんの顔を見ると、それは嬉しそうな顔をしていた。
「ねぇ・・・やっぱり行くのよそうよ。ホントにドラキュラが出たらいやだし・・・」と、蘭さんは未だに怖がっている。
自分で言ったとはいえ・・・もしかして、お化けとかの類、苦手なのかな?
ゴメンゴメンと思いつつ、フォローを入れる。
「フン!この日本にドラキュラなんていやしねーよ!日本の山奥に住んでるって言ったら、せいぜい山姥ぐらい・・・」と言いつつ、視線を前に戻すと・・・そこには、傘を差した・・・
「や・・・山姥!?」
急ブレーキをかけつつ、思わず叫んでしまった。 |