世紀末の魔術師17
未だに隠れたままの探偵くん。が、様々な人の声を使って、スコーピオンである青蘭さんを追いつめていく。
そして、たまに移動して銃の弾数を減らしていく作戦のようだ。
タタタ・・・と移動し、そこに2発の銃弾。
「フン!最初は気づかなかったさ。浦思青蘭の中国名、プース・チンランを並び替えると、ラスプーチンになるなんてことはな!」と、寒川さんの声。
「オ、オマエは、私が殺したはず!!」
・・・そりゃね。確かに彼は死んでたよ?と、一体、鎧が倒れ、そこにまたしても2発の銃弾。そして、彼女がそこに向かったスキにまたも移動。
そして、一発の銃弾。と、ここで探偵くんの推理の続きが始まった。またしても白鳥刑事。
「ロマノフ王朝の財宝は本来、皇帝一家とつながりの深いラスプーチンのものになるはずだった・・・そう考えたアンタは、先祖になり代わり財宝の全てを手に入れようとしたんだ・・・」
なるほどねぇ・・・。でも、それは違うだろ?だからって盗んでいいってことはねぇし。
ましてや、そのために人を殺すなんてありえねぇ。
「執拗に右目を狙うのも、惨殺された祖先の無念を晴らすためだろう・・・?」
「い、乾・・・」
というか、改めて考えてみると死んだはずの人間の声が聞こえるってかなり不気味だよなぁ・・・。と、ここまで来て、とうとう探偵くんが彼女の前に姿を現した。
「ボク一人だよ・・・」「何ッ!?」
「これ、蝶ネクタイ型変声機って言ってね。。。いろいろな人の声が出せるんだ・・・」と自分の胸元にある、赤い蝶ネクタイを手に取りながら言う。
あぁ・・・これだったんだ・・・。奇術愛好家の時に、園子嬢の声を出してたの。(奇術愛好家8参照)
「オ、オマエ・・・一体・・・」と言う青蘭さん。まぁ当然の反応だわな。
「江戸川コナン・・・探偵さ!!」
・・・コレ、決め台詞なわけ?オレも言われたことあるし・・・。
と、ここからより本格的な探偵くんの推理ショーが幕を開けた。
「寒川さんを殺したのは、アンタの正体がバレそうになったからだ・・・。寒川さんは、人の部屋を訪問しては、ビデオカメラで撮っていたからね・・・。とっさのことで裏返すのを忘れた写真・・・それは、恋人なんかじゃなく、グリゴリー・ラスプーチンの写真だった!グリゴリーの英語の頭文字は「G」だが・・・ロシア語では「Г(ゲー)」だ。だから、喜市さんの部屋にあったゲー・ラスプーチンのサインを見てもすぐには繋がらなかった」
・・・へぇ?なるほどねぇ。
「寒川さんに写真を撮られたと思ったアンタは、彼を殺害しに行った・・・そうだろ?青蘭さん・・・いや、スコーピオン!!」
「ふ・・・よく分かったねぇ、坊や・・・」
いや、坊やじゃねぇし。
「乾さんを殺したのは、その銃にサイレンサーをつけているところでも見られたってとこかな?」
「オヤオヤ・・・まるで見ていたようじゃないか!」
え?そうなの?当り!?さっすが、名探偵☆
「でもおっちゃんを狙ったのは、ラスプーチンの悪口を言ったからだ!そして・・・蘭の命までもを狙った!!」という探偵くんに書斎での会話がよみがえる。
『お父さん、ラスプーチンって?』『いや、オレも世紀の大悪党だったということぐらいしか・・・』
と、青蘭さんの声が飛び込んできた。
「おしゃべりはそのぐらいにしな!可哀想だけど、アンタには死んでもらうよ!」
「その銃・・・ワルサーPPK/Sだね。マガジンに込められる弾の数は八発・・・乾さんとおっちゃん、蘭に一発ずつ。今ここで五発撃ったから、もう弾は残ってないよ・・・」
あ、これが勝算だったってわけね?
「ふ・・・いいこと教えてあげる。あらかじめ銃に弾を装填した状態で八発入りのマガジンをセットすると、九発になるのよ!つまり、この銃にはもう一発弾が残っているってこと!」
オイオイ・・・これはマジだぜ?だが、探偵くんは逃げることなくむしろ、余裕の表情。
「じゃぁ、撃てよ・・・本当に弾が残ってんのならな・・・」
って、オーイ!!
慌ててトランプ銃を取り出す。が、やはり探偵くんは動かない。
まだ、何か勝算があるのか?探偵くんの右目にレーザーポイントの明かりが合わせられ・・・
「バカな坊や・・・」と彼女が呟いた後、一発の銃声が響いた―――
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