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アゲハの開拓街 作者:天界

第1章 長いお散歩編

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011 念願のアレ



 How to ミジェスギラにより得た知識をさっそく活かすべく、ボクはまず魔法使いに必須とされている発動体を作ってみた。

 発動体は所謂杖だ。
 でももちろんただの杖なだけじゃない。
 イメージを魔力で現実に反映させるための媒体とするためには必ず魔石を組み込まないといけないのだ。
 しかも魔石には発動体として使えるように特殊な加工をしなければいけない。
 まぁこの加工は『武器作成』で出来るんだけどね。

 杖の本体には薪を使ってみた。
 ぶっちゃけただのフェイクとしての杖なので材料にこだわるつもりもない。そう見えればいいのだ。
 ローブに関しては絹糸をふんだんに使っていい物を作るつもりだけど。

 でも完成した杖は元が薪とは思えないくらい綺麗にできた。

 ……『武器作成』Lv5の力は伊達じゃない。ほぼ100%魔力での作成だけどね!

 漫画や映画の魔法使いっぽい老人がもってそうな、若干ねじれて先端が丸まっていてトレッキングにも使えそうなボクの背丈ほどもある杖だ。
 丸まった先に魔石を巻き込むようにして包み込ませてある。
 実に魔法使い魔法使いした形状の杖なのである。

 魔石にはちゃんと発動体として使えるように特殊加工がしてあるので、この杖は普通に発動体として十分に機能する。
 杖を持っているだけで魔法イメージがかなり楽になるほどの効果が付くみたいだ。でもボクの場合は種族特性のせいで『魔法イメージ強化』Lv1よりもずっと効果が低く感じる。

 How to ミジェスギラで得た杖の形状は他にも色々あった。
 短い刃を先端につけたり、鈍器をつけたり、もういっそソレ長剣とかそういうのじゃないのって形状の杖まであったりする。
 発動体とは極論すると特殊加工した魔石がついていればいいのだそうな。
 その代わり他の武器として使えるものは魔法に関する補助効果が低くなったり、まったくなくなったりするらしいけれど。

 ……ボクにとっては大した効果でもないみたいだし、そんなに気にするほどでもないみたいだけどね。

 フェイク用の発動体の杖が完成したあとは増幅体も作った。
 こちらは絹糸をたっぷり使った純白のとても美しいものだ。
 今は美少女なボクだけど、その精神は男なのでレースやフリルをつけて可愛い感じにはしない。
 シンプルな物でローブというよりはケープといった方が正しいかもしれない。

 増幅体にも特殊加工された魔石を使用する必要があるので、襟元や裾に特殊加工した魔石をいくつもあしらっている。

 これで一先ず魔法使いルックは完成だ。






◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆






 翌日も引き続きレベル上げだ。
 でも今日からは昨日作ったケープに杖を持って、THE魔法使い姿だ。
 なんだかとてもテンションがあがる。

 ……まぁ慎重にいくのは変わらないけれど。かかっているのはボクの命なんだからね。

 発動体の効果で魔法イメージが楽になっているはずなんだけど、ぶっちゃけ実感できないレベルだ。
 スキルで『魔法イメージ強化』Lv1を取得しているから余計にそう感じる。

 まぁ杖はフェイクと完全に割り切っているので別にいいんだけどね……。

 でも増幅体のケープはいい仕事してくれている。
 絹糸をふんだんに使ったり、魔石をいくつも使っているからか杖よりも高い効果がついているみたいだ。

 増幅体なので効果は魔力を増幅し、結果的に魔力の消費を軽減することができるもの。
 もしかしたら魔力消費軽減系のスキルを取得していないから顕著に感じる事ができているだけかもしれないけれど。
 『魔法イメージ強化』での魔力消費軽減は結果としての効果なので違うものなのだろう。

 ちなみに今まで手に入れた魔石は解体でファンタジー生物の体内から取り出したときは小指の先ほどの小さな透明度の高い赤い石だったが、魔力を注ぐ事により他の魔石と融合させることができる。
 融合すると重量は変わらないが少しだけ大きくなる。魔石としての価値も高くなる。
 融合の際に注ぐ魔力が少ないと透明度が低くなってしまい、品質が低下して価値も下がる。
 ボクはもちろん惜しみなく魔力を注いで透明度を維持したまま大きくして使っている。

 さてレベル上げはというと、昨日よりも顎蜂の数が増えているおかげで効率がすこぶるいい。
 『経験値取得量強化』Lv1でさらに倍になっているのでもう笑いが止まらない。

 ……実際には声に出さずにニマニマしているだけだけどね。端から見たら不気味かも。

 解体はまったくせずにどんどんファンタジー生物――主に顎蜂を倒していく。
 そのおかげもあってか、お昼を過ぎた頃にはなんともうベースレベルが『6』に上がった。
 解禁されたものこそなかったものの、スキルポイントが増えるのは大歓迎だ。

 解体もしていないので一先ず『耐性:精神』は後回しにして、『経験値取得量強化』をLv2にしてレベル上げを続ける。
 効果も2倍から3倍にパワーアップしてさらに効率は上がるだろう。

 一応余った2ポイントで『魔法イメージ強化』を解除して付け替えながら使っていた『鷹目』を取得しておいた。これで付け替えの手間が省ける。

 夕暮れまでレベル上げを続けたけれど、さすがに1日に2回は上がらなかった。






◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆






「今日も元気に慎重にゆっくりと安全を確保しつつ、効率的にレベル上げだー!」

 なんだかいっぱい矛盾があるような気がするけれど、気にしたら負けだ。
 顎蜂に植えつけられたトラウマに怯えて外に出れなかったあのときとは雲泥の差といえる。

 ……まぁアレもすごく短い期間だったけれど。

 とにかく今日も引き続きレベル上げである。
 この異世界――ミジェスギラに突然連れてこられて種族どころか性別まで変えられてしまって、その上平和ボケがすっかり形を潜めるくらい酷い目にもあったけれど……ボクは元気です。

 『経験値取得量強化』Lv2のおかげで取得する経験値も3倍になっているし、昨日の感じだと顎蜂が大量発生しているので非常に効率もいい。
 顎蜂は勝手に『魔力障壁』に激突して気絶してくれるのでまるでボーナスみたいだしね。

 ちなみに昨晩もHow to ミジェスギラで疑問に思ったことを検索しまくった。
 得られた情報は有益だったけれど、残念なお知らせも多々あった。

 まずはコレ――『現在地について』。

 某大手検索エンジンのサービスであるマップ機能がないかと思って検索してみたのだが、思いっきり権限不足だった。
 でもマップは使えなくても検索の仕方はある。

 例えば『揚羽空 初期位置』で検索したら面白い事に『リーファグル大森林北西14キロメートルの大草原』と出た。
 これによりボクの今いるところも大草原の可能性が高い事がわかった。
 だって見渡す限りの草原だし。草の背はずいぶん低くなってるけれど。

 そしてリーファグル大森林という名称がわかったところで、『リーファグル大森林付近 村街』で検索したら『ニルギル村』と出た。
 さらに『リーファグル大森林 ニルギル村 距離』で検索すると……ここで権限不足と出る。
 それくらい教えてくれてもいいのに……。

 とはいえ、ボクが向かうべきとりあえずの目標はニルギル村だとわかった。
 他にも村や街はないのか検索してみたけど1番近いのはこのニルギル村っぽい。どのくらい距離があるのかは相変わらず権限不足だけど。

 まぁ結局ニルギル村のある方角がわからなかったから色々と残念ではあったけど。






◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆






 本日午後2時過ぎにベースレベルが『7』に上がった。
 ベースレベル7で解禁された能力は1つ。

「……おぉぅ……ちょっときもい」

 今ボクの腕の中にはスマホが(・・・・)沈みこんでいっている。
 そう、解禁された能力とはボクの不思議なスマホをボクの体内に収納する(・・・・)という能力である。
 収納したスマホは体のどこからでも出せるというこれまた不思議な仕様。
 今まで紙の鞄かズボンのポケットに入れていたのでちょっと便利だ。

 さらにこの能力にはおまけとしてスマホの修復機能なんかもあったりするらしい。壊れていないので今はわからないけれど。
 今更ながらバッテリーはどうなっているのかと検索してみたところ、ボクの魔力を使っているらしい。
 極々微量なので回復する方が圧倒的に早いので気づかなかった。

 何はともあれボクの大事な不思議スマホも失くさないようになってこれはありがたい。

 そしてベースレベルが上がったということはスキルポイントも手に入ったと言うこと。
 増えたスキルポイントは例によって7ポイント。
 遂に例のアレが解禁できるようになるのだ。

 そう、『アイテムボックス』だ!

 前提条件として『魔力制御』と『空間把握』を必要とする『魔法:空間』が必要なので、全部でスキルポイントが9ポイントも必要になる。
 『魔力制御』はすでに取得しているから『空間把握』で1、『魔法:空間』と『アイテムボックス』で各3ずつの7ポイントあればいい。
 外で必須となるスキルが多いので7ポイントを捻出するためにはベースレベルを上げるしかなかったのでとりあえず後回しにしていたのだ。

 ボクのお城パートツーを拠点にしている限りは荷物も置いておけるからね。

 でもこれで荷物に困る事もなくなる……というわけでもない。
 取得できる『アイテムボックス』は今のところポイントの余裕が全然ないのでLv1止まり。

 『アイテムボックス』は注ぐ魔力量で中に入れることが出来る種類数(・・・)が決まる。
 そして注いだ魔力は魔力総量から引かれるという、他のスキルとはまったく違った形式なのだ。
 もちろん注いだ魔力を回収することもできるので魔力がなくなるということはない。

 だが魔力総量から引かれるということは引かれた分は自然回復の対象外となってしまうのだ。
 具体的には1000の魔力から100の魔力を『アイテムボックス』に注ぐと最大値が1000ではなく900になるということだ。

 さらにはLv1では1種類につき10個までしか入らない。
 ついでに『アイテムボックス』の制限は無生物という大前提があり、大体2メートル四方以下のものしか入らないし、袋や鞄なんかのような収納は物が入っていると入れられない。

 ……小物なんかも全て1つのものとして扱われてしまうのだ。

 色々制限は多いけれど、魔力を注げばなんとかなるというのは魔力チートのボクにとっては朗報だ。
 それにやはり異世界に来たら『アイテムボックス』は絶対欲しいスキルトップ10に入る大人気スキルなんだから取得できるなら取得しておきたい。

 有用性は計り知れないものがあるのは言わずもがな、だからね。
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