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「俊也……お前何言って……」
自分の気持ちが分からないと言っていたくせに、誘うようなその言葉、どうしていいものか大吾には意味が分からない。
「シリルとしていた行為に最初の頃は嫌悪感を感じていた、そのうち何も感じなくなったんだ。ここまで来るときに考えてた、もし、大ちゃんに抱かれたなら愛しく思えるのだろうかって」
「試す、って事か?」
「確認って言って欲しいところだけど……」
そう言いながらも全ての衣服をゆっくりと脱いでいく俊也。
白く曇りのない肌に当然の事ながら大吾の視線は釘付けとなる。
ここで抱いてはいけない、それは大吾のイメージの中で強烈な印象を放つ、高校生の頃の俊也へと向けられていた純粋な気持ち。
しかし現実は違い、溢れ出る色香を隠すことも無く無防備に近づく大人の男。
「いいのかよ……もう、元に戻れなくなるぞ」
もちろん大吾も男性として誘惑には弱い。
いくら自制心を持ってしても、俊也のそんな姿を目の前にしてしまっては、据え膳食わぬは……という誘惑に心の中はかき乱されていた。
「もう、とっくに戻れなくなってるんじゃないの? 僕達」
俊也の言う言葉は尤もで、確かに今から高校生の頃のような親友に戻れる訳が無い。
「なら、試してみる価値はあるのかな……」
立ち上がった大吾がそっと髪を撫でる。
ちょっとくすぐったそうに目を細めた俊也が、腕を伸ばして大吾の首に手を巻きつけた。
それは二人とも気付いている。これからキスをする、そういう合図。
どちらともなく自然と近づいた唇はお互い微かに震えてる。
そっと重ねると震えはピタリと止まり、俊也は唇から伝わってくる暖かさに酔いしれた。
軽く触れただけの唇はすぐ離れて、また自然に触れ合う。
何度もついばむようなキスをして数回目、大吾は感情の波に飲み込まるかのように強く強く俊也を抱きしめて、深く口付けた。
「んっ……」
深く口腔をまさぐる舌に翻弄される。自由に出来ない呼吸、吐く息が次第に荒々しくなり、喘ぎに似た声を漏らす。
「はぁ……んっ、あ……」
大吾はそのまま俊也を抱き上げると、寝室へ向かいベッドへと優しく降ろした。
首に巻き付けたままの腕を離そうとしないのは恥ずかしいからなのか、顔を上げようとしない俊也に、自分から誘うような事を言っておいて……と、大吾は呆れつつも愛しい気持ちになる。
俊也の身体中を這う大吾の大きな掌、普段はその大きな手に似合わず、ため息が出る程繊細な飴細工を作り出す。
その手に優しく愛でられると、自分自身が甘く溶けて飴細工になってしまったかのよう。
一流のパティシエの思うがままに、自らの身体がその手によって甘く繊細な姿へと変貌する。俊也はそんな想像に酔いながら瞳を閉じた。
絶え間無く降り注ぐキスの雨が愛しいと伝えてくる。
その唇が下肢にゆっくりと降りて来た時、
「あっ……」
小さな掠れ声と共に俊也の肩がビクリと揺れた。
太股の付け根に触れる唇、触れられた所からじわじわと痺れるような快感が沸き上がり、全身を支配していく。
シリルに初めて抱かれた時のような薬による痺れとは違う、心地良さに高鳴る鼓動。
「は……ぁっ……」
落ち着かせようと、大きく息を吐いた。
勃ちあがりかけたものの側には大吾の唇、それは息が触れるほどの距離。
薄く開いた唇で挟むように側面に触れ、濡れた舌先を根元から先へ向かい柔らかく滑らせる。
「あっ……ん……」
抑えるように控えめな声。
先をくすぐる様に舐めて、舌を巻きつけながら唇の中へと包み込む。
「はぁ……あっ、や……」
緊張しているのか、手のひらでシーツをぎゅっと掴む姿、最初の誘うような言葉とは違い初々しいかのような反応。そのギャップに戸惑いながらも少しずつ硬さを増す素直さに思わず笑みが漏れる。
たっぷりと唾液を含ませながら吸い込むように口腔内で弄び続ける、
「うぅ……っ…あぁ、っ! んんっ……」
時に優しく時に強くなる刺激に翻弄されて、噛んだ下唇の隙間から漏れる声が大吾の動悸を激しくさせた。
興奮のままに強く吸い込んだ瞬間、俊也の腰が跳ね上がる。
「やぁ……あっ! 大ちゃ……も、やばい……」
「もう?」
横を向き、枕に顔を埋めて快感に絶える姿がいじらしい、腰を抱きかかえて深くくわえ込む。
「ん……あ、あぁっ! だ、だめっ……」
何度目か強く吸い上げたその時、
「あぁぁっ! だ…め……っやぁああっ!!」
大吾の口内に広がるどろりとした苦味、一滴も零すまいと全てを飲み下した。
「俊也……」
「ごめ…大ちゃん……飲んじゃった?」
真っ赤な顔をして荒い息をつく俊也、頬に触れるだけのキスをして大吾が笑う。
「俺、嬉しくて……でも、この先は無理……かな?」
「えっ…どうして……」
困惑気味に上半身を起こす俊也の頭を優しく撫でる。
「うち、何もないんだ。その……ローションとか…傷つけたくないから……」
元から最後までしないつもりだったのか、それでいて俊也に快感を与えていたというのならば、それさえも彼の優しさだというのか、俊也はぐっと胸を締め付けられるような想いを感じていた。
「それなら……」
大吾の手をとり唇に近づける。
少しだけ開いた唇を大吾の指先に触れさせて、舌で絡め取るように舐めた。
指の付け根まで口に含み、たっぷりと唾液を纏わせる。
暫くの間、控えめに湿った音を立ててしゃぶり続けていると、離した指先と唇がぬらりと光る糸で繋がれた。
そして大きく足を広げると、大吾の大きな手に指を絡ませて自らの後ろへと導く。
「少しだけ、慣らして……」
「俊也……」
「大丈夫、傷つかないから」
実際、俊也がシリルにされていた行為を考えると、暫くしていなかったとはいえ未だ身体に慣れはある。
多少なりとも唾液で慣らして貰えれば、すんなりとはいかないまでも一つになれると気がついていた。
複雑さを感じながらも、大吾はその指を後ろの蕾へと差し込む。
「う……んん……」
「痛い?」
「大丈夫……もっと、していいよ……」
その言葉に誘われるように奥へと長い指を挿す。
「あぁっ! あっ……あぁぁ……」
深い所で円を描くように広げると抜きながら入り口付近の突起を探る。
「やぁあっ! あっ、そこ……や、だめっ!」
何度も擦られて悲鳴を上げる俊也、快感に耐えるようにビクビクと腰が浮く。
「あぁっ! ちょ…大ちゃ……あ、やああっ!」
じっとりと染み出る液体でそこは滑りを帯びて、いつの間にか大吾の長い指二本を易々と受け入れていた。
「だ、大ちゃんっ……も、いれてっ……」
再び限界が近いのか、俊也が必死に涙目で訴える。
「これ以上…っいっちゃ……っ!」
その姿にゴクリと唾を飲み込むと、ゆっくりと指を引き抜いて、完全に勃ち上がっている自らのモノをその濡れた秘部へとあてがった。
傷つけたくない、痛がらせたくない、その気持ちのままの大吾の侵入はゆっくりと優しく、荒々しく身勝手なシリルのそれと違う。
「う……んっ…あ……」
「苦しくない?」
「ん……気持ちいい……」
ぎちぎちと割り開かれる痛み、本当は予想以上の大きさに身体は悲鳴を上げている。
苦しさに眉根を寄せつつも、悟られまいと唇を笑みの形に変えた。
切なげな笑顔を見ていると、昂ぶった感情は抑えきれない。
大吾は自身を俊也の中へ最後まで埋めると、ぎゅっと抱きしめた。
「……大ちゃん?」
「俺、勝手にすげぇ幸せ……」
「……大ちゃ……んっ、はぁっ…あっ」
大吾の言葉に答えようとした俊也、軽い突き上げに返答の声は揺れる。
「ぁあっ……あんっ…!」
埋めた身体の奥でじわりと漏れる。堪らなくなった興奮の証。
その滑りをかりてゆっくりと、極力負担をかけないようにと出し入れするも、その大きさを隠すことは出来ない。
内壁全てを強く擦り続け、俊也に狂わしいほどの快楽を与えた。
「うぅっ…んあぁっ! あっ……やあぁ……!」
快感に溺れる表情に、大吾も緊張の糸を緩める。
もう俊也の表情に苦しみは無く、その表情は唇を薄く開けて悦楽に揺れ、声は甘く高く響く。
「俺、もう我慢出来ないかも……」
「ん……いいよ……っん…う、あぁ……!」
長いストロークで繰り返し深く奥まで当てられる衝撃に、声を抑えることが出来ない。
抱きしめて深く深く口付ける。唇も、下肢も全てが深く繋がりあって、
「あぁ……俊也……っ!」
軽く息を詰めた大吾、強く押し付けるように繋がったその最奥で、堪えきれず欲望を放つ。
「はぁ……あ、大ちゃん……」
全て搾り出すように、ビクビクと内で震える感触にさえ快感を覚える。
軽く閉じられた俊也の瞳、つうと流れた一筋の涙。
理由は俊也本人にも分からなかった。
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