20XX年。
人類よりも猿を大事にする法律が惑星会議で成立された。
常識で考えると絶対に通りそうにない法律である。
しかし、数十年にわたり間違いをおこさず、世界に秩序と平和をもたらしてきたコンピューターが提案したため、それを信頼し、自分で考えることを怠っていた人類は、疑問を持たずに法律にしてしまった。
しかし、法律が施行されると、それは、人類に対してかなり厳しいものになった。
猿が都市部に移住して、人間は住居もない荒野に押しやられた。
製造された食料や衣料は猿に配られて、人間には粗悪な残り物を与えられた。
人類は、コンピューターとロボットに守られた快適な衣食住を失ってしまったのだ。
そして、猿に惑星を明け渡してしまったことを後悔した。
暑さや寒さに耐え、食うや食わずの生活を送ることになって、さすがに人類は考えた。
人類は会議を開いて、議論を重ねた。
「コンピューターは間違っている。反乱をおこすべきだ!」
「反乱するためには武器が必要だ。猿はともかく、ロボットはてごわい。」
「いや、まずは人類が生きていくために、食料の確保が必要だ。我々で農業を復活させるの
だ。」
「農業だけじゃ駄目だ。チームを作って狩猟をしなければ。」
人類は、とりあえず食料の確保と武器の作成を行うことにした。
月日は流れ、人類は自給自足できるようになり、ある程度の武器もそろえた。
これで、反乱を起こそうと用意していた矢先、ロボットが人類のリーダーに会いに来た。
そして、ロボットは言った。
「この惑星の中で、一番知能が高いのは、今までは猿でした。
猿は自身で餌を取ることを考えて行動していたからです。
しかし、本当に知能が高いのは人類だということがわかりました。
猿よりも人類を大事にする法律を成立しましたので、どうぞ、都市部への移住をお願いしま
す。」
|