ある晴れた日にその九
「君は特別にね」
「よくやってくれたわ」
「俺は別に」
しかし彼はいつもの口調でこう言うだけだった。
「何もしてはいない」
「そうなの。それは」
「そう言うのね」
「ただ。ああなっただけだ」
こう言うだけであった。
「それだけだ」
「そう言えることがよ」
「よくやってくれた何よりの証拠よ」
だがそれこそはだと。先生達は話す。
「それこそがね」
「本当にそうだから」
「そうか」
それを聞いて頷く彼だった。
「だからなのか」
「そういうことよ。わかってくれたわね」
「このことが」
「何となくですが」
こう返す正道だった。
「わかりました」
「それだといいわ」
「じゃあ」
そしてだった。ここで先生達はこの上なく明るい顔になってだ。今さっき入って来たばかりのその入り口に顔を向けて声をかけるのだった。
「入って来て」
「いらっしゃい」
こう声をかけるのだった。
「久し振りだけれど」
「皆元気だからね」
「はいっ」
この上なく明るい声だった。そうしてその声の主が入って来ると。
皆が拍手と歓声で迎えた。そのクラスの窓では桜が咲き誇っていた。それは今クラスに戻って来た彼女を祝福するかの様な咲き方だった。まさに満開の千本桜が晴れ渡った日に咲き誇り花霞を作っていた。
ある晴れた日に 完
2010・2・18
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