第四十七話 神々その十四
「それでだな」
「そう、牧村君もね」
「というよりか俺がか」
「試食にもアルバイトのお金出るから」
「その時も出るのか」
「食べる分だけだから千円もないけれど」
それでもだというのだ。出るというのである。
「どう?それで」
「やらせてもらう」
断る選択肢がないのはこの時も同じであった。
「それではな」
「有り難う。それじゃあその時は御願いね」
「わかった」
こう話してだった。彼はその申し出を受けたのだった。
日常は終わらない。そして戦いもだった。
この日は橋の上をサイドカーで走っていた。雨が激しく降っている。
その橋は川の上にかかっている橋だ。アーチまであるその頑丈な橋の車道を進み先に進んでいく。それで屋敷に戻ろうとしていたのだ。
その中を進んでいるとだ。前にだった。
「雨の中でもか」
「場所は選ばない主義だ」
男はその雨の中で言う。雨に打たれても平気な顔であった。
「だからだ」
「それでか」
「そうだ。そして貴様はどうだ」
「俺も同じだ」
こう返す牧村だった。既にサイドカーは彼の前で停めている。ヘルメットはそのまま被りそのうえで男に対して話すのであった。
「何時でも何処でもだ」
「戦うというのだな」
「それが俺のやり方だ」
だからだというのである。
「それでだ。次の相手は誰だ」
「焦ることはない。間も無くだ」
「来るか」
「もう一人がな」
来るというのだ。それはだ。
死神だった。牧村の後ろから来てだ。彼の横に停まった。
こうして二人になったのを見てだ。男はそれからまた言うのであった。
「さて」
「妖魔だな」
「そうだな」
「そろそろ神が必要か」
男はこうも述べてきた。
「そう思ってだ」
「その神が、か」
「ここで出て来るか」
「そういうことか」
「如何にも。今度からは神を呼ぶことにした」
その通りだと言う死神だった。
「貴様等を倒す為にだ」
「神であろうともだ」
ヘルメットを脱いだ牧村は既にサイドカーから降りていた。そのうえで男に対し言葉を返す。
「倒す」
「倒すか」
「それだけだ」
これが彼の返答だった。
「わかったな、それで」
「話はわかった」
「しかし異議はあるな」
「ないと言えば嘘になる」
一言述べてからだった。本題に入る男だった。
「神を倒せるか。混沌の神を」
「その為に来ている」
「私もだ」
牧村だけでなく死神も言ってみせる。二人の動きが合わさっていた。
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