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第四十四話 妖虫その二十三
「一体何をするつもりだ」
「この二つの剣に念を入れてだ」
「うむ」
「あの妖魔に向かって放つ」
 そうするというのである。
「それで倒す」
「二つの剣でか」
「一つで駄目なら二つだ」
「二つか」
「普段は右の剣で攻め左のサーベルで防いでいたな」
「それが貴様の戦いだな」
「それを変えてだ。戦う」
 それが今の彼の考えだった。
「そうして勝つ」
「勝つか」
「そうだ、勝つ」
 勝利への渇望はだ。隠せなかった。
「そして生きる」
「それでか」
「行くぞ、それではだ」
 その二本の剣を合わせ念を入れた。するとだった。
 剣が一つになった。右手の剣に左手のサーベルが吸い込まれてだ。それから。 
 何と剣が巨大なものになっていく。髑髏天使のその身体の十倍程の大きさにまでなった。いや、それよりもさらに大きくなってきていた。
 その剣を見てだ。髑髏天使自身が言った。
「この剣は」
「どうやらそれもだ」
「それも?」
「そうだ、貴様の新たな力だ」
 それだというのである。
「その最高位の天使の力だ」
「これもまた、か」
「そういうことだ。ではだ」
「ああ」
「その力で妖魔を倒すのだな」
 こう髑髏天使に問うのだった。
「そうするな」
「そのつもりだ。それではだ」
「ここは任せた」
「任せるのか」
「貴様のその剣を見ればだ」
 それならばだというのだ。
「そうさせてもらうしかあるまい」
「わかった。それではだ」
「見せてもらおう」
 死神は言った。
「貴様のここでの戦いをな」
「この戦いはだ」
 その巨大な剣を両手で持っての言葉である。
「これで終わる」
「終わるというのか」
 下から妖魔の声がしてきた。
「貴様が倒れてだな」
「いや、逆だ」
「逆か」
「倒れるのは貴様だ」
 髑髏天使だというのである。
「いや、貴様達だ」
「私もか」
「どちらも倒れる」
 そうだというのだった。そしてだ。
 また攻撃を繰り出そうとする。その粘液をだ。
 今度こそ二人を完全に溶かそうとする。しかしだ。
 髑髏天使はその剣を振り被った。
 そこから思いきり振り下ろしてだ。妖魔に向かって投げた。
「これならばだ」
「私を倒せるというのか」
「そうだ、倒せる」
 まさにそうだというのであった。投げてから。
「貴様はこれで終わる」
「どうかな、それは」
「いや、終わる」
 髑髏天使の言葉は変わらない。そしてだった。
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