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第三十九話 妖魔その一
                    髑髏天使 
                  第三十九話  妖魔
 牧村は今度は図書館にいた。あの中之島図書館とは別のだ。立派な図書館にいてそこでまた博士と話をしていた。 
 当然妖怪達もいる。しかし彼等は上手に隠れていた。
 そのうえでだ。博士は自分の向かい側に座る牧村に対してだ。こう言ってきた。
「妖魔についてじゃが」
「わかってきたか」
「少しじゃがな」
 こう前置きしての言葉だった。
「わかってきたぞ」
「そうか。それは何よりだな」
「どうやら本能的な存在らしいな」
「本能的か」
「うむ、そうじゃ」
 こう話すのである。
「本能的な存在じゃ」
「本能というとだ」
 その言葉からだ。牧村はこう考えた。妖魔という存在に対してだ。
「知能は高くないか」
「どうじゃろな。そこまではわからん」
「そこまではか」
「随分と凶暴でもあるようじゃ」
「本能的だからか」
「そうじゃ、だからじゃろうな」
 博士もそう見ているのだった。
「そこが魔物とは違う」
「ただ暴れる存在か」
「ううむ、暴れるというよりは」
「というよりは?」
「殺したい、破壊したい」
 そうした剣呑な言葉が出て来た。
「破壊衝動だけがある存在じゃな」
「そうした存在か」
「何か太古からじゃ。邪神と言われてきた連中が奥深くにいてじゃ」
「奥深くだと」
「みたいじゃ。そして一人、いや一柱か」
 言葉をここで言い換えた。
「中心になって動く神がいるな」
「その邪神の中でか」
「うむ。名前は確かじゃ」
 そしてその名前はだ。実に剣呑な存在であった。
「盲目のスフィンクスや漆黒の男、そうした存在じゃ」
「スフィンクスに漆黒か」
 その二つのキーワードはだ。牧村にある答えを導き出した。そしてだった。
 彼にだ。この文明の名前を出させたのだった。
「エジプトか」
「古代エジプト人達も彼等と遭遇しておったようじゃな」
「それで資料として残したか」
「うむ。それがスフィンクスになったり漆黒の男になっている」
「それでなのか」
「ただしじゃ」
 ここで博士の言葉が変わった。
「盲目のスフィンクスとはな」
「それか」
「漆黒の男も気になるがじゃ」
 実際にだ。博士の言葉は曇ってもきていた。
「その盲目というのがな」
「意味がわからないな」
「スフィンクスには目がある」
 博士はこのことを指摘した。
「それで見る存在じゃ」
「だからこそか」
「それで見ないというのはじゃ」
「有り得ないか」
「かなりのう。どういった存在かじゃ」
 ここでだ。妖怪達も言ってきたのだった。
「それがわからないにしてもね」
「うん、何かね」
「邪悪なものは感じるよね」
「確かにね」
 こうそれぞれ言うのである。
「何でだろう」
「それがわからないし」
「その邪神のことだけれど」
「多分じゃ」
 そしてだ。砂かけ婆が言ってきた。
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