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第二十六話 座天その二十三
「その通りよ。決してね」
「そう思うのならばだ」
「そう思っていればいい」
 こう返す死神達だった。
「だが。これでだ」
「貴様は倒れる」
「必ずだ」
「貴方が私に勝つには」
 魔物はその自信に満ちた言葉を出し続けていた。
「まずは」
「まずは」
「その楯をか」
「そうよ。破ってから言うのね」
 声だけでなく顔もであった。勝利を確信しているその笑みを浮かべていた。
 そすいてその顔で。さらに言うのであった。
「この何もかもを防ぐ楯を」
「それがわかっていてだ」
「言っているのだ」
「こうな」
 しかし死神達もこう彼女に返す。
「それではだ」
「行くぞ」
「そして決まる」
 その六人の死神達が一斉に動いてきた。
「貴様の死がだ」
「その魂、冥府に送ってやろう」
「来たわね」
 魔物もまた身構えた。勝利は確信しているが油断したわけではなかった。
 死神達は一斉に彼女に襲い掛かって来た。その鎌を繰り出し斬らんとする。
 だが鎌は全て楯に防がれる。魔物はそのうえで自らの槍を出す。
 槍を続けざまに突き出す。しかし死神達はそれをかわす。
「かわせばそれだけ」
 また笑みを浮かべる魔物であった。
「体力を使うのはわかっている筈よ」
「その通りだ」
「それはわかっている」
 わかっていると返してみせた。
「それもだ」
「そうね。貴方は今六人」
 魔物からも言ってきたのだった。
「六人分の体力を使っているわ。それだけに消耗が激しいわね」
「その通りだ。しかしだ」
「しかし?」
「それだけの価値はある」
 声が鋭いものになっていた。
「こうするだけの価値がだ」
「あるというの?」
「私は六人だ」
 またこのことを言ってみせたのである。
「六人だ。しかしだ」
「しかし?」
「今私は何人だ」
 魔物の攻撃をかわしながら彼女にまた問うてみせたのだった。
「私は何人いる」
「!?そういえば」
 言われてみてだった。彼女も気付いた。今の彼の数は。
「五人ね」
「あと一人はだ」
 こう言ったその時であった。
「ここにいるのだ」
「!?」
 後ろから出て来た。魔物のその影からだ。そうしてその大鎌で背中を斬ったのであった。
 忽ちそこから魔物の鮮血が飛び散る。勝負ありであった。
「うっ、まさかこんな」
「楯はその前しか防ぐことはできない」
 死神はまたこのことを彼女に告げた。告げながら一人に戻っていく。
「言ったな、確かに」
「こういうことだったのね」
「そうだ。私のうちの一人を忍ばせておいた」
 つまり伏兵である。
「狙っていたのだ」
「見事ね。そこまで考えていたなんて」
「最強の槍と楯を持っていてもだ」
「その隙間を狙えば」
「勝てるのだ。私の様に」
 声はこれまでになく確かなものになっていた。
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