第四話 改造その一
髑髏天使
第四話 改造
蛇男との戦いを終えた牧村は博士の研究室に向かった。そしてそこで博士に蛇男の言葉を伝えたのであった。
そのうえで彼に対して問う。何故自分が狙われているのかを。
「そういえば不思議だ」
彼は言う。
「俺は魔物を倒す存在だ」
「その通りじゃ」
「だから狙われるのだと思っていた。しかし向こうから来る」
話を聞いている博士にそのことを告げるのだった。
「何故来るのだ。奴等は。俺があいつ等を倒す存在だからか」
「それじゃがな」
博士はここで彼に言うのだった。
「文献を調べていてまたわかったのじゃ」
「このことに関してか」
「その通り。実はの」
「ああ」
「魔物はただ魔物ではないのじゃよ」
「どういうことだ」
「倒した相手の力を手に入れることができるのじゃ」
こう牧村に話すのであった。
「だから御主を狙うのじゃ」
「俺の力を狙ってか」
「強くなりたいという気持ちは誰にも大なり小なりあるものじゃ」
「それはわかる」
彼もまた子供の頃から何かをして強くなりたいと思ったことがあるからだ。強さへの憧れというものは誰もが多少は持っているものであるからだ。だから自分の中にあるそれを察して答えたのである。
「では魔物達もまた」
「左様。人に害を為す魔物とそうした魔物の二つに大別されるな。むしろ後者が主流なのかもな」
「ではこれからも俺を」
「狙って来るじゃろうな。髑髏天使は本来前者を倒す存在じゃが必然的に後者とやり合うことも多くなるのじゃよ」
「因果な話だな」
牧村はそこまで聞いて一言呟いた。
「それはまた。では」
「生きたければ勝ち抜くしかない」
博士はこうも彼に告げた。
「そういうことじゃよ」
「終わりはあるのか」
「それはまだわからん」
牧村にとってはいい返答ではなかった。
「今はな。まだ文献はそこまで読み解かれてはおらん」
「そうなのか」
「うむ。しかしじゃ」
だがここで博士は牧村に対して言うのであった。
「何事も全て終わりがあるものじゃよ」
「それはわかっているがな」
「わかっていればよい。つまりじゃ」
「俺のこの髑髏天使としての戦いも終わる時が来るか」
「生き残ればな。何時かはな」
「わかった」
表情を変えずに博士の言葉に頷いた。
「ではそれまで生きていく」
「そうしてくれ。それでじゃ」
博士は話を変えてきた。
「最近フェシングに打ち込んでおるな」
「他のトレーニングもしている」
こうも答える牧村であった。
「ランニングや筋肉トレーニングもな」
「よいことじゃ。そうした積み重ねが強くしていく」
これは戦いにおいては常識と言えるものであった。
「少しずつな。さて、それでじゃ」
「今度は何だ?」
「考えておるのじゃが」
目を光らせて牧村に言ってきたのであった。
「サイドカーじゃが」
「前に話したあれか」
「左様。魔物との闘いはこれからより激しくなっていく」
これはもう予想されているどころではないことだった。何しろ今の時点で三体の魔物を倒している。どれも激しい、命懸けの闘いだった。それを思えば当然のことである、
「それでじゃ」
「サイドカーを改造するのだな」
「改良じゃな」
博士はこう言い替えた。
「これはな」
「改良か。この場合は」
「闘えるようにしておくのじゃよ」
その為の改良であるというのだ。あくまで魔物と闘う為のものだと。
「一度サイドカーで体当たりもしたな」
「ああ」
「それでも生きておったな、魔物は」
「それどころかピンピンしていた」
虎人との闘いのことを思い出しつつ語る。これは事実でありそれがはじまりとなり彼は髑髏天使となったのであるから忘れる筈もないことであった。
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