ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
第三話 日々その十六
 そうして両者同時に進んだ。剣と鞭が前に出される。無数の蛇達は天使に襲い掛かる。だが天使はその蛇達こそ見ていたのだった。
「まずはだ」
「むっ!?」
「この連中を倒させてもらう」
 そう言うとその蛇達に対して突きを繰り出すのだった。的確な突きで蛇達の頭を突き次々と潰していく。これで蛇男の戦闘力を大きく減らした。
 しかしそれだけでは終わらなかった。彼はさらに踏み込みを続け攻撃力をなくした鞭をかわしながら蛇男の横を左からすり抜けた。その間に剣を一閃させ彼の胴を斬ったのだった。
「むう・・・・・・」
「これで終わりだな」
 背中合わせになったところで蛇男に告げる。蛇男は動きを止めてしまっており髑髏天使はすり抜けたその姿勢で動きを止めていたがやがて剣を消して彼に顔を向けたのであった。
「今の一撃でな。決まったな」
「その通りだ」
 蛇男の言葉が返って来た。
「見事と言っておこう」
「まさか貴様の様な魔物がいるとは思わなかった」
 髑髏天使は彼にこうも告げた。
「残忍で卑劣な奴ばかりと思っていたがな」
「それは当たってはいる」
 蛇男は立っていた。致命傷を受けていたがそれでも最後の力を振り絞って立っていたのだ。それは髑髏天使をしても感嘆させるものだった。
「それについてはな」
「では貴様は例外か」
「それは違う」
 今の髑髏天使の言葉は否定するのだった。
「それはな」
「話が矛盾していると思うが」
「いや、矛盾してはいない」 
 だがこう主張してきた。
「それはな」
「どういうことだ、それは」
「魔物にも様々な者がいる」
 蛇男の主張はこうだった。
「人間と同じだ」
「そういうことか」
 髑髏天使はそれを聞いてまずは頷いた。
「それならわかる。人間にも色々な奴がいるからな」
「人間はそうではないと言わないのだな」
「人間もまた様々だ」
 蛇男とここでは考えは同じだったのだ。
「いい奴もいれば悪い奴もいる」
「魔物もまた同じだ。だがそこにあるものが違う」
「どう違うというのだ?」
「魔物は妖怪とはその種類は同じだ」
「それは知っているが」
「一つ決定的に違うものがあるのだ」
 これについては髑髏天使も知っていた。しかし決定的に違うものがあるというのが蛇男の言葉だった。髑髏天使はその髑髏の裏にある人間の顔に怪訝なものを感じていたのである。
「それは貴様を狙うか」
「俺を狙うのはわかっているが」
「それに理由があるのは知っているのか」
「何っ!?」
 彼の言葉に怪訝な声をあげた。
「どういうことだ、それは」
「他にも理由はあるがな」
「それも聞きたいが」
「ではそれも言おう」
 蛇男はそれについても話すのだった。
「単純に人や世界に対して悪意を持っている者もいるのだ」
「それが大抵だと思うがな」
「俺は貴様を倒す類の魔物だ」
 蛇男はあらためてこのことを彼に告げたのだ。
「人にも世界にも何の興味もなかった」
「そうだったか。それではだ」
「ああ」
 話が進む。髑髏天使はさらに聞こうとする。だが。
「しかし。それはできないようだ」
「何?」
「もう時間がない」
 その言葉と共に蛇男の身体が燃えていく。紅蓮の炎になっていく。
「言うことはできない。さらばだ」
「死んだか」
 蛇男は紅蓮の炎になった。髑髏天使はそれを静かに見ていた。戦いには勝った。しかし謎が浮かび上がった。彼はそのことに考えを及ばせつつ勝利の証である紅蓮の炎を見ていたのであった。


第三話   完


                   2008・9・12
小説・詩ランキングsite_access.php?citi_id=254078182&size=200cont_access.php?citi_cont_id=686008102&size=200 http://ept.s17.xrea.com/WanNe/rank.cgi?mode=r_link&id=8539


+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。