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第三話 日々その一
                  髑髏天使
                 第三話  日々
 牧村は自宅にいた。自宅のリビングでテーブルに座り茶と菓子を楽しんでいた。見ればそれは玄米茶と和菓子であった。完全に和風である。
 その彼の向かい側に座る黒く長い髪に落ち着いた目に涼しげな顔を持つ美しい顔立ちの少女が声をかけてきた。服は上がブイネックのセーターとブラウス、下がクリーム色のミニスカートだった。ハイソックスは白でそれが彼女の見事な脚をさらに際立たせていた。
「ねえお兄ちゃん」
 彼女はまず牧村にこう声をかけてきた。
「何してるの?」
「菓子を食っている」
 俯いてその菓子を食べながら答える。柿を寒天で包んだものだ。
「ただそれだけだ」
「相変わらず無愛想ね」
 彼女はそんな彼の応対を見て口を尖らせるのだった。
「何よ、それ」
「何だもない」
 やはり態度は素っ気無い。
「見ればわかるだろう。本当に食っているだけだ」
「そうじゃないの。悩みでもあるの?」
 少女はこんな彼の応対を前にしても態度を変えない。口を尖らせて聞き返すのだった。
「最近。おかしいわよ」
「おかしいか。俺が」
「そうよ。何か変よ」
 羊羹を食べながら兄に述べる。
「いつも以上に黙って。身体の調子でも悪いの?」
「身体の調子が悪ければこんなものを食いはしない」 
 見れば今度は饅頭を食べていた。田舎饅頭だ。
「それも次から次にな」
「それはその通りだけれど」
「それならそれで終わりだ」
 話をここで強引に終わらせようとしてきた。
「いいな。俺は」
「何処かに行くの?」
 立ち上がった兄に対して問う。
「大学?それとも遊びに?」
「大学は今日は休みだ」
 馬鹿にするでもないやはりクール、いや無愛想と言ってもいい言葉であった。
「なら行く必要はない」
「じゃあ何処なの?駅前?」
「そうだな。そこにするか」
 少女の言葉に応えるようにして述べたのだった。
「少しな。行って来る」
「行ってらっしゃい」
「何か欲しいものはあるか」
 不意にといった感じで少女に尋ねた。
「あれば言え。買って来てやる」
「別に何も」
 しかし彼女は首を捻ってはっきりとしない返事をするだけだった。
「ないわね」
「そうか。じゃあいいな」
「駅前よね」
「ああ」
「まあいいか」
 何か言いそうになったがそれを自分で止めてしまっていた。
「別に。今はね」
「!?何か欲しいのか?」
「ブローチ買おうかしらって思ってたの」
 やはり少し戸惑っていたがこう兄に答えたのだった。
「それで買って来てもらおうかしらって思ったけれど」
「お金は御前が出すんだな」
「それは当然よ」
 そういうことは決して忘れない未久であった。
「お兄ちゃんに出してもらおうなんて考えていないわ」
「そうか」
「そうよ。それで頼もうかしらって思ったけれど」
「いいんだな」
「ええ、別にね」
 今度ははっきりと答えた未久だった。
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