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最終話 日常その十四
 そうしてだ。全員で食べてみる。その味は。
「これは」
「中々」
「いい感じだな」
「ああ、美味い」
 魔神達が最初に感想を述べていく。
 そして博士と妖怪達もだ。こうそれぞれ言うのだった。
「ザッハトルテでも穏やかな味でね」
「甘過ぎないしかといって上品だし」
「美味しいよ、これ」
「うん、かなりいけるよ」
 彼等もこう話す。その博士も言うのであった。
「うむ、この味ならばじゃ」
「大丈夫だな」
 博士に死神が応える。彼はカウンターから博士の方に顔を向けてだ。そのうえで言うのだった。
「この店でやっていけるな」
「安心していいのう」
「そうなんだって」
 話を聞いていた若奈が笑顔で牧村に話した。
「よかったね。じゃあこれからね」
「宜しくな」
「ええ、こちらこそ」
 二人でお互いに話すのであった。牧村は髑髏天使としての剣は収め牧村来期、一人の人間としてだ。若奈と共に生きることを決意した。
 そのうえでだ。若奈にだ。もう一切れザッハトルテを差し出して言った。
「また食べてくれ」
「待って、その一切れはね」
 差し出されたそれを見てだ。若奈はだ。
 優しい笑顔でだ。こう彼に話した。
「二人で食べましょう」
「二人でか」
「ええ、二人でね」
 食べようと話してだ。そのうえでだ。
 自分でそのザッハトルテの一切れを半分に切ってだ。それでだった。
 その半分を別の皿に取って牧村に差し出してだ。こう言うのだった。
「二人で食べよう」
「二人でか」
「このザッハトルテもその他のものも」
「二人でか」
「ええ、食べましょう」
 若奈のその言葉にだ。牧村もだ。
 微笑んでだ。ザッハトルテの皿を受け取りだ。そうして話すのだった。
「では」
「それではな」
 こう話してだった。二人でだった。
 その一切れのザッハトルテ、半分に切ったものをそれぞれ食べてだ。それでだった。
 二人で一つのものを食べてだった。彼等はこれから二人で生きることを誓い合った。その彼にだ。店にいる誰もが温かい笑顔を向けていたのだった。幸せをはじめる二人に。


最終話   完

髑髏天使   完


               2011・6・6
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