三日月を釣る
防波堤に着くと、一人の男が釣り糸を垂れていた。
隣に座り、仕掛けを海に投げ込む。
勧められて、ワンカップの相伴に預かった。
温い潮風に吹かれて酒をちびりちびり。
狙いを聞くと、男が指差したのは正面の空に浮かぶ三日月だった。
俺の竿に魚信があった。
「そっちに来たか」と、男が漏らす。
海面の三日月が割れ、
海上に現れたのもまた三日月だった。
弧を描いて跳ねた白いスズキは、
俺が見とれる間に仕掛けを千切って海へと消えた。
防波堤に着くと、一人の男が釣り糸を垂れていた。
隣に座り、仕掛けを海に投げ込む。
勧められて、ワンカップの相伴に預かった。
温い潮風に吹かれて酒をちびりちびり。
狙いを聞くと、男が指差したのは正面の空に浮かぶ三日月だった。
俺の竿に魚信があった。
「そっちに来たか」と、男が漏らす。
海面の三日月が割れ、
海上に現れたのもまた三日月だった。
弧を描いて跳ねた白いスズキは、
俺が見とれる間に仕掛けを千切って海へと消えた。
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