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三日月を釣る

作者: 想 詩拓

防波堤に着くと、一人の男が釣り糸を垂れていた。

隣に座り、仕掛けを海に投げ込む。


勧められて、ワンカップの相伴に預かった。

温い潮風に吹かれて酒をちびりちびり。

狙いを聞くと、男が指差したのは正面の空に浮かぶ三日月だった。


俺の竿に魚信があった。

「そっちに来たか」と、男が漏らす。

海面の三日月が割れ、

海上に現れたのもまた三日月だった。


弧を描いて跳ねた白いスズキは、

俺が見とれる間に仕掛けを千切って海へと消えた。

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― 新着の感想 ―
[一言] 釣り人と月の静けさ、そして水面に浮かぶ魚の躍動感の対比が、素晴らしいと思います。 釣りをしたことのない私にも、静謐で美しい闇夜の海の情景が浮かぶようでした。 とても印象深い作品です。 ありが…
[一言] 偶然、こちらに参りましたが、とても素敵なお話に出会えて感謝デス。 うちのダンナがよく釣りに出掛けますが、話を聞くとまあ、いつもこのお話のようです。隣のおじさんとバケツを覗きあい、仲良くなって…
[良い点] 三日月と白いスズキの対比。 ゆっくりとした雰囲気で癒されました。 [気になる点] 『ワンカップ』は『一杯』では駄目なのか。 少し違和感がありました。 [一言] 『Es』企画参加者です。 感…
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