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妖魔紀伝
作:ZEXEED



第3話 天命と始まり


車の中、剣妖は助手席に座っていた。
「…剣斬さんはいずれこうなることが分かっていたんだ…」
ジョーカーは運転する中彼に話しかけた。後ろには剣斬が横になってイスの上におかれていた。心臓は既に止まっていたのだった。
剣妖は何も話そうとはしなかった…
朝方、車は剣妖の家の前に着いた。剣斬はその時先に家にいた謎の人達によってどこかへと運ばれた。2人は家の中に入り、リビングのテーブル前のイスに向かい合って座った。
「……ジョーカーさんや父さんは何なの…」
剣妖は口を開いた。
「僕たちは『妖魔ハンター』っていうんだ。…さっき君も見たあの変な生き物のことを僕たちはまとめて妖魔って呼んでるんだ。最近起きている原因不明の事故を起こしているのが奴らなんだ。それでそいつらを倒して事故を減らすっていうのが第一の仕事。剣斬さんは僕たちの上司に当たっていてね…」
ジョーカーは言い辛そうだったが、剣妖はその話を真剣に聞いていた。
「…剣妖君はこれからどうするんだい…もうこんなことに関わりたくはないと思うけど…」
剣妖はそれを聞いてうつむいてしまった。
「そうだ…剣斬さんが言っていたことがある…剣妖君、ちょっとついて来てくれないか。」
ジョーカーはそう言うと立ち上がり外に出た。剣妖もその後を追いかけた。
2人は家の後ろにいた。
「確かここだったな…」
ジョーカーはなにやら印のついた地面を掘り始めた。剣妖はそれを不思議そうに見ていた。
「……!」
すると地中から土まみれの刀が出てきた。
「ジョーカーさん、それ…」
剣妖は続けて言おうとしたがジョーカーが割り込んで話をしてきた。
「これは剣斬さんの最高の『相棒』だったんだ、僕よりね。」
ジョーカーは立ち上がって刀を両手に持ち、剣妖の前に立った。
「剣斬さんがこうなることを分かっていたってさっき言ったよね…」
剣妖はそう言うと下を向いてしまった。ジョーカーはそうなるだろうと思っていたらしいが、話を続けた。
「剣斬さんは言っていたよ。この刀を剣斬さんが使うのをやめたのはどういう理由かは分からないけど、一つだけ『オレは常に死と隣り合わせにいるんだ。剣妖には戦いには巻き込まれてほしくないと思っている。でもそれはあくまで表面上、親としてだ。だが剣斬としてのオレは本当は戦ってほしいと思っている…』ってね。」
ジョーカーは刀を前に出した。剣妖は何かに駆られその刀を受け取った。
「その刀の名前は『黒竜』さ。刃が黒いんだ。その刀をどうするかは君の自由だけど君の未来は今決めないといけない。」
「オ…オレは……」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
それから約4年もの月日が流れた。その日、剣妖は森の前に立っていた。彼の腰には黒竜がついていた。後ろにはジョーカーが立っていた。
「行くんだね…」
ジョーカーは決して止めようとはしなかった。
「この森を抜ければルクレイにつく。あらかじめ国を出るのはこっちで何とかしておいたから。…ここから先は何があるか分からないよ。」
「分かっています。でも、もう行くんで。」
剣妖の眼に迷いはなかった。
「君が妖魔ハンターにならなかったのは正解だったと思うよ。妖魔にはまだ僕らにも分からないことが多いからね。」
剣妖は後ろのジョーカーを向いてうなずいた。
彼は旅立った。これが全ての始まりとなった。












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