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Machu Picchu ライブ連動読み切り短編集 作者:Wayra♪
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3/12

心から捧げよう

動くものすら存在しない荒涼とした大地に、ポツンとお墓がある。大きく「WAR」と刻み込まれている。
僕はそこに、花束を捧げる───
 その懐かしのメロディーは、一杯目のバーボンのストレートを一気にあおった所でふいに耳に飛び込んで来た。それまで流れていた前世紀のジャズとは明らかにジャンルの異なるその曲は、静かなショットバーのBGMとしてはいささか歌詞に力がありすぎるように思われた。それは、今の会社(前の会社と言うべきか)に入り立ての頃によく聞いていたバンドの曲だった。もっとも、好きだったのはその曲が入っているアルバムの別の曲の方で、その曲自体は僕にとってタイトルすら思い出せない、言わば一枚のアルバムの中に必ず存在する〃無害〃な一曲に過ぎなかった。しかし、何故かその夜は違っていた。
 久々に蘇ってきた当時の甘すぎる人生観への苦々しい記憶と、日頃あまり飲むことのなかったバーボン特有の燻蒸臭のせいだろうか…… 僕はその曲に、今自分が抱いているみにくい憎しみの固まりをそっと触れられたような気がした。
「これ、ボトルでくれるかな」
 それまで黙々とグラスを磨き続けていた無口なバーテンダーが、僕の声に反応するなりニッコリと微笑み、おもむろに近づいてきた。
「お止めになった方がいいと思います。明日に差し障りが出ますよ」
 僕はその言葉に一瞬驚いたが、今日はどうしても酔いたい気分だった。
「いや…… いいんだ、特にする事も無いし……」
「ではボトルではなく、もう一杯だけショットグラスにお注ぎします。その後は軽目のカクテルに変え、私がお話相手になる…… というのはいかがですか?…… お酒は、今日にピリオドを打つもので、明日に引きずってはいけません」
 どう見てもまだ30代前半としか思えないその若いバーテンダーは、品のいい微笑を称えたまま、静かに、とても穏やかに僕の願いを却下した。そこには、バーテンダーとしての強いプロ意識が感じられた。おそらく彼は、どんな客に対してもこの調子なのであろう。そしてその姿勢を貫くが故に、今まで数多くのトラブルに巻き込まれて来たはずだ。しかし彼はその都度、一歩も引かずに解決してきたに違いない。僕は気分を害するどころか、この若いバーテンダーと少し話をしてみたいという衝動に駆られた。
「任せるよ」
「かしこまりました」
 バーテンダーはそう言って軽く一礼すると、僕のグラスに二杯目のバーボンを注いだ。
「ところで、今流れていた歌詞のある曲……」
 僕はさっそく気になっていた疑問を彼にぶつけた。
「こういう店の雰囲気にしては何か異質な感じがしたんだけど…… いや実は、知ってる曲だったから、尚さら不思議な気がしてね……」
 バーテンダーの眼が、一瞬光ったように見えた。
「あの曲をご存じでしたか、実はこの店のBGMは全て私が選曲しているんですが…… あの曲だけは、私の妻が好きだった曲でして……」
「何てタイトルだったっけ?」
「『埋葬の唄』です」
「『埋葬の唄』……」
 僕は正直、タイトルを教えられてもまったくピンと来なかった。それどころか、そのタイトルに妙なよそよそしさすら感じた。もちろん、別に懐かしのメロディーとタイトルが一致したところで、現在の最悪ともいえる精神状態を打開出来るとは思っていなかったものの、それはそれで、どこか寂しいものがあった。ではあの時、僕の心にそっと触れたものは一体何だったのだろう……
 バーテンダーはそんな僕の様子を察してか、それ以上話しかけようとはせず、既にカクテルの準備に取り掛かっていた。

 今にして思えば、どこでどうボタンを掛け違えたのかなどどうでもいい事だった。この上はただ、僕をおとしいれ、失職に追い込んだあの常に薄笑いを浮かべた専務に復讐する事…… それから先の事は、何一つ考えてなかった。
 僕は足元に置いてある仕事用の頑丈なアタッシュケースを上から覗き見た。そしてその中に入っている専務を失脚させるに充分な証拠となるであろう内部告発文書に思いを巡らせた。あと一時間後には僕のとなりの席に一人の男が座っているはずだ。そしてその男は発情した牡犬の様に息を弾ませながら僕にこう尋ねるのだ。『例のものは?』 男は新聞記者であり、やっと自分にも運が開けたとばかりに震える手つきで書類を一枚一枚めくる事になるだろう。それもそのはずだ。何しろ誰もがその名を知る巨大企業の重役の不祥事ともなれば、世間は愚か、場合によっては警察が動くかもしれない。そんな一大スクープを、自らの手によってスッパ抜けるのだ。男は品のいいバーテンダーによって作られたカクテルにも手をつけず、瞬きをするのも忘れて一気に読み終えると、誰にともなくこう呟くだろう。『これは凄い……』 そして大急ぎで社に引き返すのだ。明日の朝刊に間に合わせる為に。
 僕は明日の朝、朝刊を読む自分を想像する。その新聞社だけが一面トップに僕が告発した専務の悪行の数々を掲載している。テレビをつける。どの局も番組を変更してあの見慣れた出入り口前にある大きな広場を映している。社員の何人かが質問責めに遇い、バツの悪い顔をしながら中に逃げ込んでいる。緊急記者会見の席では社長以下、専務を除く代表権を持つ取締役四名がカメラに向かって深々と頭を垂れている。当然の事ながら専務は懲戒解雇処分。会社自体も今後厳しい舵取を迫られる事になるだろう。それは僕の本意ではないにせよ、あの悪意に満ちた薄笑い野郎をそれまでのさばらせて来た責任は大きい。専務の家族はどうだろう…… なに、構うことはない。僕の家族だってこの先どうなるか解らないんだ。悪いのは専務だ。その家族がどうなろうが僕の知ったこっちゃない。悪いのは全て専務だ! 僕は社会的正義を貫いただけだ! 僕は正しい事をしたんだ!! ───

「あの……」
 ふいに正面から声を掛けられ、僕は我に返った。バーテンダーが心配そうな面持ちで僕の顔を覗き込んでいた。
「大丈夫ですか?……」
「…… ああ…… ちょっと考え事をしていたもんだから……」
 いつの間にか二杯目のバーボンは無くなっており、僕は空のショットグラスをきつく握り締めていた。額にはうっすらと汗が滲んでいる。
「お口に合うかどうか分かりませんが……」
 バーテンダーは何事も無かったかのように、僕の前に逆円錐形の口の広いグラスに入った黄金色に輝く液体を差し出した。
「バーボンとアラックをベースにした私のオリジナルカクテルです」
「アラック?」
 僕は額の汗を気にしつつも、初めて聞く酒の名前に思わず反応してしまった。
「はい。主にイスラム圏で飲まれている蒸留酒です…… 普通はあまりベースに二種類の蒸留酒は使わないんですが、これは私のこだわりとでも言いますか……」
 グラスの中で、スピリッツ同士がゆらゆらと揺れていた。それは文字通り、二つの〃魂〃がお互い融合すべきかどうかを考えあぐねているようにも見えた。僕はしばらくその両者の攻めぎ合いを鑑賞した後、恐る々る一口すすり込み、その妙に親しみのある味に驚いた。
「これ、〃梅干し〃入ってる?」
「自家製の甘く仕上げた梅漬けの汁を加えてソーダ水で割りました。ベースのバーボンとアラックは少量なので明日には響かないはずです…… いかがですか?」
「これは美味いよ……」
 僕は心からそう感じていた。そして同時に、彼の言う〃こだわり〃とは何なのかを聞いてみたくなった。
「アメリカのスピリッツである〃バーボン〃とイスラムのスピリッツである〃アラック〃、そして〃梅漬け〃…… 何か大きな意味があるみたいだね……」
「ハハ…… 別にそんな大きな意味なんてありませんよ…… ただ……」
「ただ?」
「…… 酒はこんなにうまく融合出来るのに、国どうしは相変わらず歩み寄ろうとはしません…… お互い〃報復の連鎖〃から今も抜け出せずにいる……」
 僕はギクリとした。
「あっ…… こんな話はつまらないですよね、失礼しました…… 今、チーズをお持ちします」
 バーテンダーは心なしか俯き加減にそう言い残し、奥へ消えて行った。

 何かが引っ掛かっていた。何が引っ掛かっているのか自分でもよく解らない。しかし、この席に座る前まであれだけ確信に満ちていた自分の信念が、何かの力によって逆方向に引っ張られている事だけは確かだった。
 あの品のいいバーテンダーの言う〃報復の連鎖〃については充分に理解しているつもりだ。立場や宗教の異なる民族とはいえ、同じ人間同士がお互いの流した血の量を計りあうかのような戦いなど、ナンセンス以外の何ものでもない。そこにはもはや正義も悪も無く、憎しみしか存在しない。そんな報復合戦の末に待っている未来は、決して明るいものとは言い難いだろう。しかし、僕の場合は違う。確かに、今の僕は復讐心の固まりと言えなくもない。ただ、僕の行動は確実に〃正義〃であり、このまま何もせずにいるというのは、〃悪〃を野放しにする事にほかならない。僕は、第二、第三の被害者が生まれるのを防ぐ為に、自らにリスクを負った上で、行動に移すのだ。なのに…… この引っ掛かりは何だ……
 バーテンダーがチーズを持って奥から出て来た。その時、僕は初めて彼の歩き方が少しおかしい事に気づいた。
「お待たせしました」
「足が悪いのかい?」
 僕は聞いてしまってから後悔した。
「ええ…… ちょっと事故の後遺症がありまして……」
「いや申し訳ない…… 嫌な事を聞いてしまったね……」
「そんな事はありません、お気になさらないで下さい」
 バーテンダーは聞いた僕の方を逆に気遣い、恐縮していた。
「ところで、さっきの話なんだけど……」
「…………」
「『報復の連鎖』の話……」
「ああ…… はい……」
 僕はこの品のいいバーテンダーこそが、引っ掛かりの原因なのではないかと思い始めていた。
「確かに僕も、あの両者の争いには疑問を感じている。込み入った過去の様々な歴史を考慮に入れたとしても、いいかげん〃やられたらやり返す〃、もしくは〃やられる前にやる〃という発想での戦争は止めるべきだ。巻き込まれ、犠牲になるのはいつも何の罪もない人達であり、そこにはもはやひとかけらの〃正義〃も無い。しかし…… 君がどう思うかは解らないが、もしそこに、厳然と誰の眼から見ても明らかな〃悪〃が存在するとしたら、これは糾弾されて当然だと僕は思う、というより、糾弾されるべきだ! でないと、社会の秩序が保てないし…… 何よりも、その犠牲者が浮かばれない……」
 バーテンダーは、黙って僕の話を聞いていた。
「例えば、君の足…… 嫌なことを蒸し返すようで申し訳ないが、今、事故って言ったけれど、それは自分の不注意によって起こした事故なのか、それとも他人の不注意によって巻き込まれた事故なのか…… どっちかな?」
 僕はこの後の論理展開の為にも、他人の不注意による事故である事を願った。
「…… 正確に言えば、そのどちらでもありません」
「…… どういう事かな?」
「他人によるものである事はまちがいありません。ただ、〃不注意〃ではなく、彼らは〃確信犯〃でした……」
「…………」
「…… 五年前に霞ヶ関で起こった爆弾テロ事件…… 覚えてますか?」
 僕は一瞬言葉を失ってしまった。覚えているも何も、僕の元の会社は霞ヶ関にあるのだ。もっとも、爆発が起こったのは何ブロックも先にあるビルだったので、被害すら無かったものの、あの時の騒ぎは今でも鮮明に覚えている。5階建てビルの1階にあるレストランの厨房が爆発元で、当初は単なるガス爆発かと誰もが思った。しかし、その1時間後にイスラム過激派からの犯行声明がマスコミを通じて流れ、初めて〃テロ〃と解ったのだ。
 当時そのレストランは霞ヶ関の若手官僚たちに人気の店で、時刻もちょうど昼時だった事もあり、未曾有の大惨事となった。僕は直接見たわけではなかったが、たまたま現場近くで昼食を取っていた仲間の話では、レストラン周辺にはガラスの破片と一緒に、ちぎれた腕や首が無数に転がっていたらしい。
「…… 驚いたな…… いや実は、僕は当時あのビルのすぐ近くにある会社で働いてたんだ…… そうかあ、それは災難だったねえ…… ちなみに君は元官僚だったの?」
「いえいえそんな…… あの日はたまたま仕事が休みだったので…… 家族で出掛けていたんです」
「ああ、家族でねえ……」
 家族……
 突然、僕の脳内に一筋の閃光が走った。同時に、意識の闇に沈んでいたはずのある言葉が猛烈な勢いで浮き上がって来た。それは彼と交わした会話の一部であり、僕が不要意に聞き流してしまった大事な言葉だった。
 僕は、最悪のシナリオを頭に思い描きつつも、彼にその事を問い正さない訳にはいかなかった。
「…… 君、確か最初に『あの曲は、妻が好きだった曲』って言ったよね…… まさか……」
「…… あのテロで、妻と、娘を失いました……」
 バーテンダーの顔から、品のいい微笑が消えていた。




 救いようのない沈黙がしばらく続いた。それは、客たちのざわめきはおろか、店内に流れているであろうオールドジャズすらかき消す程の、濃厚な沈黙だった。
 僕は、危うく椅子から崩れ落ちそうになる自分の身体を、必死に支えていた。
 何が「それは災難だったね」だ! 災難どころの騒ぎではない。彼は一瞬にして、自分の最愛の人間を二人も殺されたのだ! それも、一体どこのどいつに復讐すればいいのかも解らぬ相手に!! ─────
 バーテンダーは僕から眼をそらし、まるで魂を吸い取られた抜け殻のように、ぼんやりと虚空を見つめていた。今彼の脳裏には、おそらくその時の惨劇映像が繰り返し再生されているのであろう。そしてその映像は、幾多の月日が流れようとも決して色褪せる事なく、この先も人間の抱く愚かな〃復讐心〃に触れる度に容赦なく蘇ってくるのだ。
 僕はこの期に及んでようやく、自分自身が何に引っ掛かっていたのかに気づいた。そもそも初めから、僕の言う〃正義〃と、『彼ら』の持つ〃復讐心〃との間には、何ら差は無かったのだ。何故なら僕は、マスコミにリークしようとした。犯罪を裁くのは、断じてマスコミなどではないはずなのに!
 今の僕には、この悲嘆に暮れる若きバーテンダーにものを言う資格などなかった。


 どのくらいの時間が過ぎたであろう。僕たちは、まるで永遠に解答の出ない問題に取り組んでいるかのような、やり場の無い閉塞感に包み込まれていた。濃厚な沈黙はさらに厚みを増し、もはや銃弾さえも弾き返すかに思われたその見えない壁に最初に風穴を開けたのは、彼の意外な一言だった。
「こんなジョークがあります」
 驚いた事に、バーテンダーの顔にはほんの数秒前には考えられなかった満面の笑みが浮かべられていた。
「髭づらの男が、青い眼の男の後頭部に銃口を突き付けている。そしてその髭づらの男は、別の青い眼の男に後ろから銃口を突き付けられている。よく見ると、彼らは交互に並んで輪になっていた。皆が一斉に言う。『おい、そいつを殺したら、おまえを殺すぞ!』」
 彼は、この謎解きを楽しむかのように少し茶目っ気のある子供の眼をして僕の顔を覗き込んでいた。その表情には、先程までの悲壮感など微塵も感じられなかった。
 確かによく出来たジョークだった。誰も引き金を引く事の出来ない閉塞状況と、一度ひとたび誰かが引き金を引けば最後、全員が死ぬ。つまり、世界が終わる。なるほど…… 〃報復の連鎖〃を嗤い飛ばすブラックジョークとしては、なかなかよくでき─── いや…… ちょっと待てよ……
 僕は、一見よく出来ているかに見えるそのジョークに、重大な落とし穴がある事に気づいた。
「よく出来たジョークだとは思うけど、それだと…… 誰かが引き金を引いたとして、最後に一人、生き残るよね…… それも、最初に引き金を引いた方の仲間が……」
「その通りです。最後に独り(**)、生き残ります…… おっしゃる通り、最初に引き金を引いた方の仲間が……」
 バーテンダーは一呼吸おいた後、まさに虫の息となった僕の〃復讐心〃にピリオドを打つべく、確信に迫った。
「問題は、それを〃勝利〃と見なすか、〃敗北〃と捉えるかです…… 人の命を奪い、夢を奪い、未来を奪って勝ち取ったものが、〃孤独〃だったなんて…… 実によく出来たジョークです…… このジョークを作ったのは、七年前のアメリカ・イラク戦争によって戦死したイラク軍の若い兵士で、彼はアメリカの空爆によって家族を失いました。そして自身もまた、敵の凶弾によって倒れたのです。彼は死の間際、戦友に向かって笑いながらこのジョークを伝え、最後にこう言ったそうです。『俺を撃ったアメ公に、花束を届けてくれ……』 その戦友は戦争終結後、軍を去り、単身アメリカに渡りました。そして、幾度となく身の危険にさらされながらも何とかそのアメリカ兵を捜しだし、本当に花束を届けたそうです……」
「…………」
「私はこう思っています…… あの霞が関でのテロも、その実行犯全員が己の行為を正当化していた訳ではないと…… 中には良心の呵責に苦しみ、壮絶な葛藤の末に爆弾を仕掛けた人間も居たでしょう。こんな事はジハード(聖戦)でもなんでもない、単なる人殺しだと気づき、レストランに駆け込もうとして仲間に止められた人間も居たかもしれない…… だから私は…… 今も捜しているんです……」 
「…… まさか……」
「ええ、彼らを…… 花束を届ける為に……」
 そう言って彼は、ニッコリと微笑んだ。


 僕はしばし、言葉を失っていた。
 まったく…… 今日は一体何て日なんだ…… 
 己のあまりの小ささに、忸怩じくじたる思いが込み上げて来る。しかし同時に、ついさっきまで身体中の血管を駆け巡っていたはずの復讐心が、綺麗に浄化されていたのも事実だった。
 僕はここにきてようやく、自分の取るべき道が見えて来たような気がした。
「…… 僕の話を、聞いてくれるかい?……」
「もちろんです」
「その…… 長い話になるが……」
「かまいません」
「じゃあその前に、これ、もう一杯くれるかな……」
「では次で最後にしておきましょう…… お酒は今日にピリオドを打つもので───」
「───明日に引きずってはいけません…… だったね……」
 店内には、『埋葬の唄』が流れていた。




 次の日、某巨大企業の専務取締役の右頬に、大きな青痣が出来ていた事を報じる新聞は、一紙も無かった。











            「心から捧げよう」 完

まずは最後までお読み頂き、感謝感謝です!

表題作「心から捧げよう」は、2004年1月28日 原宿CROCODILEライブにて、パンフレット掲載された小説です。

厳しいご意見、ご感想を、お待ちしております。
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バンド「Machu Picchu」の活動内容を詳しく知りたい方は、是非下記にアクセスして見て下さいネ^^

マチュピチュ オフィシャル ウェブサイト 
http://machupicchu.art.coocan.jp/
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