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エリと王子様と宇宙戦争
作:柳戸 綾香



事の始め。


ここは・・・宇宙のど真ん中。
このポンコツ宇宙船は燃料が少なくて動こうとしない。
そもそも私が悪かったんだけどね。
えぇ、そうですとも。
私はこれでもハンター。
指名手配の犯罪者探しから、重要な届け物、金次第では暗殺なんかまで幅広くやってる。
今回は逃亡中の指名手配犯を追いかけてたんだけど・・・。
「何でこんなとこで止まるのよ。」
犯人が乗ってたのは最新型のシップで、うちのはかなり、相当、だいぶ旧型。
燃料タンクの大きさで負けた。
熱くなった私が悪いんだけどね。
『エリ、燃料がないからだ。』
今は船に入っている相棒のアルフレット君と、さっきからこれを繰り返している。
ここは第24銀河のはずれ。
燃料を補給するには中心部の星に戻らなきゃならない。
戻るには2日休まず飛び続けるか、ワープするしかないんだけど。
「アル、ワープできる自信は?」
私の問いかけにアルは一瞬の間をおいて言った。
『燃料を入れてくれればいくらでも。』
私は溜息と共に操作盤に突っ伏した。
「通りかかった船に頼み込むしかないわね。」
呟くのとほぼ同時に、視界が真っ赤に染まった。
そしてビービーと警告音が鳴り響く。
『右前方45度に船が接近中。回避しないとぶつかります。』
「回避してやって頂戴。」
『動くと照明が消えるぞ。』
「・・・。」
私は本日何度目かの大きな溜息を吐き出した。
そこに通信が入った。
≪貴船に告ぐ。進路をあけよ。無視すれば撃墜する。繰り返す。進路をあけよ。無視すれば撃墜する。≫
絶望的だ。
「アル、状況を説明してやって頂戴。」
私の言葉にアルは言った。
『燃料が足りなくて動けないから助けてやってくれ、でよろしいですか。』
私はガクリと肩を落とすと
「よろしくてよ。」
と答えた。
なんつぅ情けない。
≪状況は了解した。後ろのハッチから中に・・・動けないんだったな。こちらから回収に向かう。≫
さっきとは違う男の人の声。
「・・・お願いします。」
私は通信ボタンを押してそう答えた。
前方にはかなりデカイ宇宙船が見えていた。
その側面に見えた紋章に私は目を疑った。
その紋章は、まさしく第34銀河にある宇宙最強の星、レリウスのものだった。
「何でまたこんな辺鄙など田舎に大国の船が?」
私の呟きに、アルは
『さぁ』
だって。
そうよね。興味ないよね。
君にとっちゃそんなことより燃料よね。

このとき、照明が消えようが逃げればよかったんだよね。
これが一つ目にして最大の誤算だった。












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