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第36話 勇者side 5

このシーンを書いてくれ!!とメッセージが来ていたので書いてみました。


………スミマセン、短くなりました(´ ; ω ;`)

そして遠藤裕太視点続きます

 ロイさんの説明が終盤に差し掛かった頃に、クラスメイトである鷺ノ宮、そして金髪のメイドさんと一緒に何処かへ向かったディジェアさんが一人で俺達のいる場所まで戻ってきた。



「騎士団長、勇者達への説明は済んだだろうか。もし終わっていないのならば私が引き継ぐが……」



 彼女はロイの下へと直行し、声をかける。

 何故かディジェアの機嫌が部屋を出ていった時とは打って変わり、とても良くなっていた。



「いえ、ご心配なく。勇者達への説明は大方終わっています。必要な部分は伝えたので、勇者達を一度部屋へと案内しましょう。一人で悩みたい者や、疲れを癒したい者などもいる筈です」



「それもそうだな……よし、分かった。一度、部屋へと案内する!! 食事や有事の際は、それぞれの部屋を担当するメイドや執事が知らせるので先ずは体を休めてきてくれ!!」



 ロイの返答を確認した後、ディジェアは俺達の方を向き、全員に聞こえるように大きな声で言葉を発する。

 言い終わると、部屋の隅にいた少々年老いた執事が俺達の前へと歩を進め、一礼をした後、口を開いた。



「私が勇者様方を部屋まで案内させて頂く事になりました、ブジュと申します。城での生活に不自由、もしくは必要な物品などあれば、私含む執事達、もしくは近くのメイドにお声をお掛けください。では案内致しますので、私について来てください」



 ブジュは、人に不快感を一切感じさせない優しい笑みを浮かべる。

 一つ一つの所作が目の前にいる執事が老練な事を物語っている。



 さて、部屋に行って一休みするか、と思いながらブジュについて行こうとしたが、ディジェアに食って掛かる人がいた。




 望月楓だ。



「あ、あの!! イオ君は何処にいるんですか!? 姿が見えないんですが!!」



 ディジェアが一国の姫という立場だからか、一応楓は感情を自制しているつもりなんだろうが言葉に焦り、苛立ちのような感情が少々籠っていた。



 望月先輩が急にディジェアに食って掛かった事によって俺達の足は止まり、視線が2人に集まる。



 ディジェアは眉間にしわを寄せながら、イオ君? と数秒悩んだ後、あぁ、と声を小さく上げ、口を開いた。



「あの男か。あの男なら………旅に出たぞ」



 少し間、思い出すかのように悩んだ後、ディジェアは先程まで浮かべていた笑みを消して楓の質問に答えた。



「………旅?」



 楓はディジェアの言葉に面食らってポカンとしてしまう。



「……ああ、旅に出たいと懇願されてしまってな。本来なら許可しないんだが、あの男にはとある者を付き人として同行させる事で例外的に許可を出した。先に言っておくが、あの男だけが例外だ。他の者達には許可は出さないつもりだ。何やらどうしても城を出たい理由でもあったようにみえたぞ。あいつも男だ。恐らく、誰かを守る為に強くなりたい、などといった理由だろうな」



 ディジェアは顔色一つ変える事なく淡々とした口調で楓の疑問に答えた。



「………私も行く……私も行きます!! イオ君に私もついていきます!!」



 楓は叫んだ直後、言うが早いか急いで部屋から出ていこうとするが、出ていく事はディジェアによって阻まれる。



「駄目だ!! 私はお前に対しては城から出てもいいと許可をしていない!! それに、あの男に付いていった者はとんでもない移動手段を持っている。今から城を出たとしても追い付く事は不可能だ!!」



 ディジェアは楓の腕を掴み、大きな声で叫ぶ。



「離して!! 貴女の許可なんて私は求めてない!! イオ君が出ていったのなら私も出て行く!! だから早く離して!!」



 楓はディジェアの手を振りほどこうとするが、離れる気配すらない。

 体つきが自分とそう変わらないディジェアの力に驚きながらも、必死に離してと連呼しながら振りほどこうとする行為を楓は止める事なく続ける。



 そんな楓を見て、彼女と同じ生徒会メンバーの緋稲春が落ち着かせようと声をかけた。



「楓ちゃん、落ち着きなって。騒いでも解決はしないよ? 一旦落ち着こう? 多分、鷺ノ宮君ならふらーっと帰ってくるって」



 春は楓の肩に手を置きながら優しく声を掛けるが、返ってきたのは怒声だった。



「勝手な事言わないで!! 私の事やイオ君の事なんて何も知らない癖に、知ったような口を利かないでよ!!」



 楓の怒りの矛先はディジェアから春に向けられる。

 そんな楓を見て、会話は無理と判断したディジェアは小さな声で何かを呟いた。

 呟き終わった瞬間、楓の足下に小さな魔法陣が浮かび上がる。



 魔法陣が足下に浮かび上がった直後、楓は糸が切れた人形のようにその場に倒れかけるが、ディジェアが楓を支え、その場に倒れる事はなかった。



「少し眠ってもらっただけだ。命に別状はない。それと、こいつは私が運ぶ。騒いで済まなかったな。ブジュ、案内を頼む」



 急に楓が倒れそうになった事に驚いていた俺達にざっくりと説明をした後、ブジュに向けて言葉を言い放った。



 足を止めて、先程までのディジェアと楓のやり取りを見ていたブジュは、承知致しました、と言ってから再び案内の為に歩を進め始めた。


 楓が凄く可哀想なキャラになっていっている気がするのは気のせいだろうか('ω' )

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