第35話 勇者side 4
遠藤裕太視点です。
誰こいつ? と思った方は人物紹介をご覧下さい('ω' )
――――時は勇者達がディジェアにステータスの存在を伝えられた時まで遡る
うおぉぉぉぉぉぉ!! ステータスッ!! ステータスあるのかよ!!
だが、待て。俺って一応クラス代表なんだけど。もしかして勇者ポジションだったりして。
勇者なんてイヤだよ? 俺は獣耳っ子とイチャイチャしたいんだ。
これでも俺は、自他共には認められていないオタク、つまり隠れオタってやつだ。
長年、エルフや獣人に会う為にどうすればいいのか、などと毎日悩んでいた。
道路に飛び出してトラックにでも轢かれてみようか、なんて思ったりもした。
トラックの運転手に申し訳ないと思い、やめたんだが。
だが、もし子供がトラックに轢かれそうなシチュエーションに出くわしたのならば、打算有りまくりの煩悩にまみれた思考の中、「あ、危ないッ!!」と叫けび、喜んで轢かれた事だろう。
だが、結果オーライだ。
今、俺は異世界にいる。獣人の国もあるらしい。
まさにここは楽園だ。
魔族なんてしった事か、早く獣人ハーレムを築きたい。
そんな獣人大好きっ子である隠れオタにしてクラス代表である俺こと遠藤 裕太には一つ、心配事があった。
さっきから何度も悩んでいるのだが、俺が勇者かもしれないって事だ。
勇者っていったらリーダー的存在だ。
俺がよく読んでいたライトノベルに登場した勇者もそんな立ち位置だった。
で、俺はクラスのリーダーであるクラス代表。
あれあれぇ? ということは? 俺ってもしかして?
という悩みを抱えていた。
エルフや獣人の勇者にならなってもいいが、人間の勇者なんて絶対やりたくねぇ。
ちなみに2人程、俺がオタクだという事実を知っているが、俺は隠れオタだ。
隠れれてねーじゃん、なんて突っ込まれたりもしたが
………そいつらの言葉は無視した。
あぁ、ステータス見たいけど見たくない……どうしよう……どうしよう
下唇を少し噛みながら、悶々としていると森内零也が俺に話しかけてきた。
森内零也は俺が隠れオタという事を知っている数少ない人だ。
あれは、去年の4月だったか。
某アニメショップで朝から限定版のDVDを買う為にと並んでいたら偶然、ばったり出くわしてしまった。
その時に隠れオタクだった事が自他共に認めるサッカー部所属だった森内にバレてしまったのだが森内は凄く良い奴で、俺がオタクという事を秘密にしてくれた。
今なんて、俺がオタクだと知っている二人と俺、という3人だけの時は愛称で呼びあっているくらい仲が良い。
零也の愛称は疾風だ。
どうして疾風なのかは知らないが、まぁ恐らくサッカー部だからだろう、と勝手に結論づけた。
俺の愛称は常闇だ。
理由は………
特にないッ!!
最後の一人なんだが、あいつは本当の名前を呼ぶと「ふっ、それは仮の名前。ちゃんと我の真名を呼べ!! 常闇!!」なんて言ってくるのであいつに関しては近くに誰がいようと愛称で呼んでいる。
愛称は漆黒だ。
理由は長々と語っていたが、何一つ覚えていない。というか覚える気が全く出なかった。
「おい、裕太。ステータスどうだった? 俺は魔眼ってスキルがあったぞ!! うぉぉぉぉ!! 疼くぜぇ、俺の右目が!!」
零也は右目を右手で押さえながらも、ふっふっふっふ、と、どっかの悪役のような笑い声を上げながらステータスを訊ねてきた。
「……あ、まだ見てないんだよ……今から見るつもりだ。ちょっと待ってろ」
結局、いつかステータスを確認しないといけなかったので、俺は零也が知りたがっていた事もあり、意を決して確認する事にした。
ステータスと思い浮かべるんだったっけか。よし、ステータスッ!!
ステータス
遠藤 裕太 17歳
レベル1 種族 人間
hp 300/300
mp 300/300
筋力 300
耐性 300
敏捷 300
魔力 300
魔耐 300
幸運 40
スキル 血液魔法 火魔法 鑑定 全言語理解
称号 異世界に召喚されし者
おっしゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!! 勇者じゃねぇ!! キタコレ!!!
俺は心の中で大歓声を上げながら大きくガッツポーズをしていたようで、急にガッツポーズをした俺を見て何か良いスキルがあったのか? と疑問に思った零也が訊ねてきた。
「ん? 急にガッツポーズをしてどうしたんだ? そんなに良いスキルでもあったのか?」
「あ、こ、これはちょっと違うんだ。えーっと……血液魔法があるな。なんか格好良さそうだ」
零也は感嘆の声を上げた後、感想を口にした。
「血液魔法か!! なんか格好いいな。だが、血液魔法か……レバーばっかりの食事になりそうだな!!」
俺は毎日レバーを食べる自分を想像してしまい、少し憂鬱になりながらも返事をした。
「…………そうだな」
こうして、俺の異世界生活が始まった。
リアル多忙だった為、毎日更新途切れました。スミマセンッ!!
かなり遡ってますが、勇者sideはダイジェスト化のようにしない代わりに時間が多分、高速で進みます。
例えば……半年後
とか(-∀-`;)
5、6話くらい勇者sideに時間を費やそうと考えています。