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彼女とピアノ

作者:藤夜アキ
 彼女は何を思い、鍵盤を叩いていたのだろう。
 その指先は何を求めて音色を奏でていたのだろう。
 ついぞそのことについては、語ってくれなかった。
 その瞳には、何物をも語るまいという強い意志が秘められていたから。尋ねることなど許されないと思った。
 本当の彼女はピアノの前に座る彼女だけで、他のいかなる彼女も彼女ではなかったように思う。
 どんな彼女も、彼女ではなかった。
 だからひょっとして、僕は彼女の何をも理解せぬまま、彼女を失ってしまったのかもしれない。
 彼女が僕を信用してくれていなかっただとか、そういうことではなくて、彼女はただ、そこでしか、本心を空かすことが出来ず、その気持ちを分かることは、同じピアニストであっても出来なかった。
 彼女は生まれながらに孤独で、ピアノに巡り合ったからこそ、束の間の時を過ごしただけで、彼女の中で、彼女の生は終わってしまったからこそ、こうしていなくなってしまったんだろう。
 憎い。このピアノが。
 憎い。この音色が。
 彼女を理解し得たのは、お前だけ。
 僕には決して分かり得ぬ、彼女を。
 僕もまた、同じ音色を奏でられるというのに。
 何も教えてはくれない。
 彼女と交わした言の葉の、一枚(ひとひら)さえ。
ピアノが好きです。
ここに上げていない過去の作品の中にも、ピアノをテーマに扱った作品はいくつか書いていて、そのどれもが、悲しい作品だった気がします。ピアノの音色がどんな楽器の出す音色よりも好きで、その音色がかきたてる寂しさが、自分の示したい寂しさとか哀しさに絶妙に調和するように思えてならないんです。
お好きなピアノ曲を聞きながら読んでみてもらいたいものですね。

弾けたら尚良いんでしょうけど、生憎その才能は無く、習ってもみたいものですが、それより出来たいことがあるので、来世にお預けですかね。いやいや、そうとまでは言わず、もう少し先に、練習くらいは、してみましょうか。
簡単な曲くらいは、出来てみたいものです。

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