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これは……
死神に呼ばれた男……
死してなお恋人を思う女……
彼等が紡ぐ、生と死の物語……。
九話
 To:海


 まず、僕は海に謝らなければならない。本当にごめん。
 僕は昨日、夢の中で愛華に呼ばれた。
 数日前、海は『愛華もそう願っている、きっと』と言ったけど、やっぱり僕の思った通り愛華は願っていなかった。
 だから僕は……愛華の元に行く。愛華の願いを叶える為に。いや……それは僕の願いでもあると思う。
 ……あはは、緊張しているからなのか、何が言いたいのか分からなくなったよ。
 取り敢えず言えるのは、僕が愛華の元へ行く事だけ。
 この意味、海なら分かるよな?
 ……じゃあ、そろそろ僕は行くよ。もう一度言わせてもらう。
 本当に……本当にごめん。海には昔から迷惑かけっ放しだな。でも、これが僕の最後の我儘。だから、許してとは言わないでおく。
 今までありがとう。そして、桜のことよろしく。


 From:大地














 パタンと携帯を閉じる。
 僕は今、何時かの忌々しい大通りに来ていた。そこは大通りだけあって、深夜でもたまに車が通過する。
 ……また、携帯を開く。携帯のディスプレイには『新着メール、0件』と表示されていた。
 ――当たり前だ。メールが来たら効果音として、愛華が好きだった曲が流れるように設定してある。その曲が流れていないということは、メールが来ていないということだから。
 それでも海から返信が来ていないのか、携帯を閉じたり開いたりして確認してしまう僕は滑稽だ。
 だけど、それでも僕は確認してしまう。
 僕は海に止めてほしいのだろうか?
「………………」
 そこまで考えて、首を振る。もう、後戻りは出来ないのだから。
「…………!!」
 意を決すと同時に、遠くから車が来るのが分かった。しかも、シルバーのワゴン車。
 乗っている人間も車も愛華を轢いた物ではないけど、この偶然の奇跡に鳥肌が立つ。
 一歩。
 また一歩。
 ワゴン車に合わせて歩を進める。
 そして、一気に飛び出す。
 あと数歩で、僕の命は……。
 そう思った刹那、声が聞こえてきた。
「――ダイちゃん!!」


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