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アイコン三国志外伝 作者:小金沢

董卓の章

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外伝(〇一四)      董卓三天王

~~~長安ちょうあんの都~~~


挿絵(By みてみん) 呂布りょふ
「………………」


挿絵(By みてみん) 李傕りかく
「や、やった! 呂布が逃げて行くぞ!」


挿絵(By みてみん) 郭汜かくし
「呂布が逃げたぞ!
呂布さえいなければこっちのものだ! かかれ!!」


挿絵(By みてみん) 王允おういん
「そ、そんな……貂蝉……」


挿絵(By みてみん) 董白とうはく
「わーい! 呂布に勝った!」


挿絵(By みてみん) 李傕りかく
「張済の言う通りにしたら呂布が逃げやがったぜ!」


挿絵(By みてみん) 郭汜かくし
「お手柄だぞ!」


挿絵(By みてみん) 張済ちょうせい
「俺の力ではない。種を明かせば賈詡の助言に従ったのだ」


挿絵(By みてみん) 賈詡かく
「それを言うならば、
小生の言葉を採り上げた張済殿を褒めるべきであろう」


挿絵(By みてみん) 張済ちょうせい
「なんの、我らの力を合わせれば出来ないことは無いということだ。
魔王様(董卓)は倒れたが、董卓軍が滅びたわけではない。
都は我らのものだ!」


挿絵(By みてみん) 郭汜かくし
「その通りだ!」


挿絵(By みてみん) 李傕りかく
「おうっ!!」


~~~長安の都 郭汜の邸宅~~~


挿絵(By みてみん) 郭汜かくし
「民の様子はどうだ?」


挿絵(By みてみん) 王方おうほう
「騒ぎ立てる者もいやしたが、
5~6人見せしめに殺したら落ち着きやした」


挿絵(By みてみん) 趙岑ちょうしん
「魔王様に代わり我々が統治するだけだと理解したようです」


挿絵(By みてみん) 郭汜かくし
「それならいい。
逃げていった呂布はどうしている?」


挿絵(By みてみん) 趙岑ちょうしん
「袁紹を頼っていったようです。
都に戻ってくることはまず無いでしょう」


挿絵(By みてみん) 王方おうほう
「そうなると、次に対処すべきは都の中の問題ですぜ」


挿絵(By みてみん) 郭汜かくし
「李傕のことか」


挿絵(By みてみん) 趙岑ちょうしん
「李傕は郭汜将軍や張済を差し置いて、
まるで魔王様の後継者のように振る舞っています」


挿絵(By みてみん) 郭汜かくし
「聞いている。だがあいつは俺と同格の董卓四天王だった。
この都も俺と李傕、張済の三人で分割統治している。
俺があいつのやり方に口を挟むのは筋違いだろう」


挿絵(By みてみん) 王方おうほう
「その謙虚さが郭汜将軍の良い所ですが……。
しかし李傕については他にも良からぬ噂を聞きますぜ」


挿絵(By みてみん) 趙岑ちょうしん
「なんでも邪教を崇めて、その教祖の言いなりになっているそうです。
しかもその教祖は、郭汜将軍や張済を除くべきだと進言しているとか」


挿絵(By みてみん) 郭汜かくし
「むう……それは聞き捨てならんな」


挿絵(By みてみん) 王方おうほう
「こうなりゃやられる前にやっちまいやしょう!」


挿絵(By みてみん) 趙岑ちょうしん
「簡単に言うが、李傕のそばには常にあの胡封こほうが付き従っているぞ」


挿絵(By みてみん) 王方おうほう
「素手で牛をも絞め殺すという絞殺魔のサイコ野郎か」


挿絵(By みてみん) 趙岑ちょうしん
「素手でやるなら扼殺魔ではないのか?」


挿絵(By みてみん) 郭汜かくし
「どっちでもいい。
李傕はいずれどうにかすべきだが、四天王のもう一人の張済は、
前々から俺に協力を表明してくれている。
四天王の二人で掛かれば問題になるまい」


~~~長安の都 李傕の邸宅~~~


挿絵(By みてみん) 李傕りかく
「郭汜の野郎はどうしている?」


挿絵(By みてみん) 李蒙りもう
「俺らの縄張りに毎日のようにちょっかいを掛けて来るづら。
あいつ図に乗ってやがるづらぜ!」


挿絵(By みてみん) 胡封こほう
「絞め殺そう……キュッと……」


挿絵(By みてみん) 李傕りかく
「待て待て。殺すのはいつでもできる。
だが魔王様が斃れたばかりで情勢は不安定だ。
余計な混乱は招くべきではない」


挿絵(By みてみん) 笮融さくゆう
「……李傕の言う通りだ」


挿絵(By みてみん) 李傕りかく
「おお、教祖様!」


挿絵(By みてみん) 笮融さくゆう
「……いざとなれば私が郭汜を呪い殺す。
……今は都の治安を取り戻すのが先決だ」


挿絵(By みてみん) 李蒙りもう
「わかった!
治安維持のためにまた不穏分子を公開処刑してやるづら!」


挿絵(By みてみん) 胡封こほう
「公の場で……絞め殺せる……」


挿絵(By みてみん) 李傕りかく
「慌てることはない。俺には教祖様がついてるし、
いざとなれば張済も力を貸してくれる約束だ。
圧倒的に俺らが優位に立ってるんだからな」


~~~長安の都 宮廷~~~


挿絵(By みてみん) 董白とうはく
「ええ~、どうして民をいじめちゃダメなの?」


挿絵(By みてみん) 献帝けんてい
「民は国の宝なんだ。民がいなければ朕たちは生きていけない。
だから民は大事にしなければいけないんだよ」


挿絵(By みてみん) 董白とうはく
「でもおじい様や李傕たちは民をいじめて遊んでるよ?」


挿絵(By みてみん) 献帝けんてい
「それは間違っていることなんだ」


挿絵(By みてみん) 董白とうはく
「……間違ってたからおじい様は死んじゃったの?」


挿絵(By みてみん) 献帝けんてい
「…………そうだ」


挿絵(By みてみん) 董白とうはく
「じゃあ李傕や郭汜もそのうち死んじゃうの?」


挿絵(By みてみん) 献帝けんてい
「そうかも知れない。だからそんなことはしちゃいけないんだ」


挿絵(By みてみん) 董白とうはく
「……わかんない。ヘイカはおじい様たちと違うことばっかり言う。
あたし、よくわかんない。どっちが正しいのか」


挿絵(By みてみん) 献帝けんてい
「董白……」


挿絵(By みてみん) 董白とうはく
「あたし、ヘイカとお話したくない!」


挿絵(By みてみん) 献帝けんてい
「ああっ、董白!
……行ってしまった」


挿絵(By みてみん) 董承とうじょう
「陛下、失礼致します。また李傕らが裁決を求めて来ています」


挿絵(By みてみん) 献帝けんてい
「……また暴虐の限りを尽くすような、
自分達にばかり都合の良い法案だけだな」


挿絵(By みてみん) 董承とうじょう
「内容に目を通す必要はありません。
玉璽を捺すだけの簡単なお仕事だとお思い下さい」


挿絵(By みてみん) 献帝けんてい
「わかっている。今の朕は無力だ。
この玉璽も本物を失い、作り直した代用品。
朕も皇帝とは名ばかりの代用品のようだ……」


挿絵(By みてみん) 董承とうじょう
「もうしばらくお忍び下さい。
陛下が本来あるべき力を取り戻す日は必ず訪れます。
それに敵ばかりではありません。
張済は密かに陛下に助力を申し出ています」


挿絵(By みてみん) 献帝けんてい
「ああ、彼がそんな忠臣だとは思いもしなかったよ。
お前もいてくれるから心強い」


挿絵(By みてみん) 董承とうじょう
「もったいないお言葉です」


挿絵(By みてみん) 献帝けんてい
「この世に悪が栄えた試しはないと聞く。
いつかこの苦境を救ってくれる者が現れるだろう。
……いや、待っているだけではいけない。
朕にも何か出来ることがないか考えなくてはな」


挿絵(By みてみん) 董承とうじょう
(フン、せいぜい悩むがいい。
いずれお前は何も悩まなくても良くなるのだからな)


~~~長安の都 張済の邸宅~~~


挿絵(By みてみん) 張済ちょうせい
「……賈詡よ、これで本当に良いのか?」


挿絵(By みてみん) 賈詡かく
「ええ。あなたは実に上手くやっておられる」


挿絵(By みてみん) 張済ちょうせい
「郭汜にも李傕にも陛下にも良い顔をしているだけだ。
これではただの八方美人だぞ」


挿絵(By みてみん) 賈詡かく
「それで良いのだ。彼らはあなたが味方だと信じ、
それゆえにいつでも相手を殺せると侮っている。
戦況は膠着し、主導権は我々にある。
全ては小生の掌の中にあるのだ」


挿絵(By みてみん) 張済ちょうせい
「むう。お前の言うことだから間違いは無いのだろうが……」


挿絵(By みてみん) 賈詡かく
「不安ならば狩りにでも出たらどうですかな。
あるいは付近の盗賊の討伐にでも出掛けては?」


挿絵(By みてみん) 張繍ちょうしゅう
「おお、それはいい。俺が露払いを務めましょうか叔父上」


挿絵(By みてみん) 張済ちょうせい
「いや、気が進まぬ。
賈詡にばかり働かせてすまぬが、鄒氏すうしとでも話してこよう」


挿絵(By みてみん) 賈詡かく
「それは羨ましい。どうぞごゆるりと……」


挿絵(By みてみん) 張繍ちょうしゅう
(叔母上…………)


挿絵(By みてみん) 賈詡かく
「どう致しましたかな、張繍殿?」


挿絵(By みてみん) 張繍ちょうしゅう
「い、いや、なんでもない。
お前の言う通り、俺は狩りにでも行ってこよう!」


挿絵(By みてみん) 賈詡かく
胡車児こしゃじを護衛につけましょうか」


挿絵(By みてみん) 張繍ちょうしゅう
「いや、一人で大丈夫だ。行ってくる」


挿絵(By みてみん) 賈詡かく
(ククク……。まことに全てが小生の思うままに進んでおる。
李傕に郭汜、献帝と董承、張済に鄒氏と張繍……。
他愛もない連中ばかりだ)


挿絵(By みてみん) 張繍ちょうしゅう
「か、賈詡よ」


挿絵(By みてみん) 賈詡かく
「どうなされた」


挿絵(By みてみん) 張繍ちょうしゅう
「ちょっと小耳に挟んだのだが、李粛りしゅくが行方知れずになっているらしい」


挿絵(By みてみん) 賈詡かく
「ほう。たしか彼は呂布と同郷の間柄でしたな」


挿絵(By みてみん) 張繍ちょうしゅう
「ああ、そう聞いている」


挿絵(By みてみん) 賈詡かく
「……不確定要素は排除すべきか。
張繍殿、すこし狩りに付き合っていただきたい」


~~~長安の都 南部~~~


挿絵(By みてみん) 李粛りしゅく
「ケケケッ。李傕や郭汜に支配された都にいたんじゃあ、
呂布と同郷の俺には出世の見込みはありゃしねえ。
いっそのこと呂布を手引きしてあいつらを追い出させるか、
それとも……」


挿絵(By みてみん) 胡車児こしゃじ
「マテ」


挿絵(By みてみん) 李粛りしゅく
「んん? なんだてめえは。
……見覚えがあるな。
たしか張済の配下の――」


挿絵(By みてみん) 賈詡かく
「左様。我が手の者だ」


挿絵(By みてみん) 李粛りしゅく
「お、お前はたしか張済の……ええと、誰だったけか」


挿絵(By みてみん) 賈詡かく
「思い出す必要はない。すぐに死ぬのだからな」


挿絵(By みてみん) 張繍ちょうしゅう
「あわせろ胡車児! 喰らえッ!!」


挿絵(By みてみん) 胡車児こしゃじ
「シネ」


挿絵(By みてみん) 李粛りしゅく
「ぐはあああああっ!!」


挿絵(By みてみん) 賈詡かく
「ふむ。念には念を入れて良かった。
この男、呂布と内通しようとしておったぞ」


挿絵(By みてみん) 張繍ちょうしゅう
「それは良かったな! 未然に阻止できたぜ」


挿絵(By みてみん) 賈詡かく
「この分では他にも良からぬことを考える者はいるだろう。
忙しくなりそうだな」


挿絵(By みてみん) 張繍ちょうしゅう
「こういう仕事なら歓迎だ。
いくらでも手伝うぜ賈詡!」


挿絵(By みてみん) 賈詡かく
(……どうやら運が向いてきているようだ。
それに張済よりも、この男のほうが扱いやすいやもな)


~~~~~~~~~


かくして魔王の死後も残党は相争い、都に戦乱は続く。
裏で糸を引く賈詡は、彼らの野望を束ねて、
乱世を紡ぎ出そうとしていた。
+注意+
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